心の動きを素描する  ドビュッシー

最近ようやく、まともにこの曲を聴楽可能になりつつあります

DebussyGergievLSO.jpg

Debussy (1862-1918)
La Mer : trois esquisses symphoniques pour orchestre (1903-05)
London Symphony Orchestra
Valery Gergiev
LSO Live LSO0692 (2009)

『海 管弦楽のための3つの交響的素描』というタイトル
これはいかにもドビュッシーらしいと思います
よく『交響詩 海』とも言われますが、『詩』じゃないと思うんですよね

しかし、「素描」とありながら、海の情景描写というのでもない…
海に対する自分の心の中の感覚の素描というのかな
そう考えた方が彼に与えられた「印象派」
この言葉の「より真に近い」使われ方かも知れません

「海上の夜明けから正午まで De l'aube a midi sur la mer」
「波の戯れ Jeux de vagues」
「風と海の対話 Dialogue du vent et de la mer」
3楽章とも副題を持ちますが、これを視覚的な手がかりとすると
おそらく聴楽してがっかりしてしまうのかな

初の聴楽(1990年頃、Ashkenazy 指揮 The Cleveland, Decca)
で、描写音楽として聴いたら、全然面白くなかった…
聴楽即無条件に楽しませてくれる、そんな音楽ではないですね

副題から想起する聴楽者自身の想像の中の海を航海しながら
海面の色、波や風の音、光の当たり具合
数えきれないし、意識も不可能な多量な要素を
それこそ本能的に味わって、初めて何とはなしに
しかし、とてつもなく「よい!」作品に変貌したという印象があります

Gergiev と Debussy というのは意外な組み合わせという気もしますが
以前から彼には、10年くらい前の「爆演指揮者」という印象
これを私は持っていません
(この「爆演」という言葉も少しずつ古語になりつつある気がします)
全曲演奏時間は25分台と、結構じっくり攻めています

この繊細な総譜を、LSOが見事に鳴らしている
それも不思議な非常にスマートな感じで…
楽器間の絡み合いとかも、自然でもって明晰に近く
音楽を単一のパッケージとして取りまとめようとしなかった
そんなDebussyの作曲における苦心も大いにわかろうというものです
それだけでももう、圧倒されずにいられませんでした

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染さんへ

> ドビュッシーの曲は…自然な空気のように聴こえてくるのです。
> そんな感覚があります。また聴いてみようかと思います。

ドビュッシー本人が
「音楽って、形式じゃないんだよ。色とリズムを持った時間なんだな」
なんて言っているそうです
「海」みたいな音楽を作るのは大変だったと思いますが
本人は充実していたでしょうね

ドビュッシーの曲は…自然な空気のように聴こえてくるのです。
そんな感覚があります。また聴いてみようかと思います。
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