楽音どうしの溶け合いに時間の過ぎるのを忘れてしまいます

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Liszt (1811-1886)
Piano Sonata in B minor, S178 (1853)
Claire-Marie Le Guay (piano)
Accord 476 4244 (2010)

さて、今年は作曲家生誕200周年の年ですから
やはり続々とリリースがあるようです
録音して欲しいと思う奏者が出してくれているのが嬉しい

最近、Classicalの作曲家達が活躍していた頃
日本はどういう風だったのかと思うことがありますが
ソナタの作曲された1853年って、日本に黒船が来た年ですね
(チャイコフスキー13才、坂本竜馬19才、ブラームス20才、西郷隆盛26才)
欧州に比べると、日本の景色の変わり方って凄いなぁ
150年ちょいでかなりのもんですからね

リスト最晩年に、憲法の研究で渡欧していた伊藤博文(1841-1909)が
彼を日本に招こうとしていたってのは本当なのかな?
いろいろ検索してみましたが、どうもはっきりしませんが
本当に来ていたら、日本風の曲とか書いてくれたかも…
《日本民謡によるパラフレーズ》
《日本の旅の回想》
いかにも作ってくれそうな感じがしますが、ワハハ

録音点数はさほど多くはありませんが
時々印象的なリリースをするClaire-Marie Le Guay
(クレールマリー・ル・ゲ)
ソナタの演奏時間33分58秒は、結構ゆっくりした方で
(私はこの曲だと「ゆっくり」演奏の方が好きです)
彼女の初盤だった超絶技巧練習曲以来のLiszt
C/Wも《ダンテを読みて》《バラード第2番》とかなりの重量
どのような中身になっているのか興味津々で聴楽開始しました

いやぁ、素晴らしい「大交響曲」でしたよ
大事に演奏を進めているという気分が、どことなく伝わって来るのは
場面の転換の所で、全ての音が消える時間を少し多めに取り
呼吸を整えるような瞬間があるからでしょうか

こういう「無音のタメ」を作ってくれているおかげで
聴楽側としても、大曲を意外に楽に愉しめる気がします

今まで聴楽の演奏は約30分、連続した一つの曲として聴こえていましたが
今回のLe Guayは部分どうしをはっきり分けた鳴らし方に徹しているようで
組曲のようなスタイルがなかなか興味深いのです

性急な運びではないので、長く伸ばす音どうしの溶け合いというのか
これを余裕をもって堪能することが私には可能でした
こういう演奏を聴楽すると、「時刻を刻む時間」と
「音楽の進行する時間」は別ものだという印象を持たざるを得ません

最近ますます、旋律やリズムは勿論大事だけど
ハーモニーを愉しんでいるという気分が聴楽毎に強くなっています

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