晩秋の暮れ時の聴楽  シューベルト

音楽は、聴楽に適した時間帯があるのかもしれません

AFANASSIEV960.jpg
Schubert (1797-1828)
Sonate B-Dur op. posth. D.960
Valery Afanassiev (piano)
ECM New Series 1682 (1985)

これは、おそらくこの曲を意識した最初の聴楽だと思いますが
正真正銘の初聴楽でもあったと思います
ナゼかその時の自分の様子も覚えているんです

秋の終わりの日曜日も午後4時過ぎ
休日の最も静かな時間帯じゃないでしょうか
翌日からの仕事のことを考えれば、トンでもない時間ですが(苦笑)
そのトンでもなさを愉しめて大人はナンボということで…

このジャケットからも、坂道の上の方から、大気が流れて来るような
落ち葉を踏む音も微かに聞こえて来るような気がします

西日も弱弱しくなって来るのと同時にPlayerのボタンを押す
微小な機械音の中から淡々としつつ重々しいような音が…

確かその日は今から10年くらい前だったと思います
派手な曲を聴楽しては「いやぁ愉快愉快!」という時期を過ぎ
一台の楽器の出す音や、その響きを身体に沁み込ませるというか
いわゆる「味わう」という時代の最初の頃だったんでしょうね

確かKremerが主催するLockenhaus音楽祭のライブですねこれは
小さな場所で、集中する奏者、同じく聴き込む聴衆
緊張はあるものの、不思議に落ち着いたというか
くつろげる気もするんですね
この盤が長く現役なのは、そういう点もあるのではと感じます

第2楽章が始まる頃には、いよいよ外は薄暮から闇の時間帯でしょうか
暗がりの中で息を潜めつつ音楽、響きを堪能する…、贅沢の極み!
実際の生活では、ここまで沈静した気分を味わうことは困難です
聴楽することの嬉しさは、こういうもんじゃないかなぁ
音楽自体が終わらずに、ずっと続いて欲しいというやつです…

曲の後半はtempoも上がり、少しずつ市井というか、現実と距離を縮めます
思い切り沈潜させてもらって、また浮上して来る
速度は過ぎない程度に癒し的な軽快さ加減です
「最後くらいは」という感じで、ちと明るめに盛り上げて
なんだか「突き放される」ような終わり方とも思えますが
「大丈夫だよ」と思わずニヤリとされて送り出されるような気もしますね

この録音の良いところは、最後に長めの拍手が収録されていることで
時間を他の聴衆と共有する、Live独特の「大気」が込められています
舞台に当たる照明も、私には優しいオレンジ色に感じられますね

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