おそらく、何らかの重大なものを持った録音でしょう
これら録音の後は、かなりの周到さがないと、制作は困難になったかも


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Prokofiev (1891-1953)
Symphony No. 1 & 6 (Deutsche Grammophon 435 026-2)
Symphony No. 2 & 7 (Deutsche Grammophon 435 027-2)
Symphony No. 3 & 4 (Deutsche Grammophon 437 838-2)
Symphony No. 5 & Lieutenat Kije (Deutsche Grammophon 435 029-2)
Andreas Schmidt (baritone, Kije)
Berliner Philharmoniker
Seiji Ozawa

初出時のCDオリジャケを捜索するのは困難でしたので、1枚だけ載せます
80年代前半では、まだProkofiev交響曲全集は、まぁレアでした
第1番(古典交響曲)録音数の過飽和状態を苦々しく見つめていた記憶が…

伝説のMartinon盤(Vox)は、当時入手困難でしたね
(先日、久々に復活したようで、店頭に並んでいましたが)
Rozhdestvenskyの録音が唯一、国内では多少は認知されていた程度かな

80年代後半になって、Jarvi(Chandos)とRostropovich(Etato)の録音が出ました
私はこの両者とも、大歓迎で迎えた記憶がありますが
同時に何か「食い足りない」という気分があったことは否定できません

そこで、Ozawa指揮Berlinerの録音が、何とDGから発売されるという報せ!
それまでは、Prokofievは、老舗では冷遇されていると思っていたもので
「これは大当たりか、大外れかのどちらかだな」と感じていました

最初に所持したのは、第2&第7の盤でしたが
とにかくOzawaの音楽運びは手堅いという言葉そのものです
驚異的な楽器であるBerlinerを前にしても、もうOzawaの主張は一貫していて
気紛れな速度変更の全くない、正攻法中の正攻法です
むしろ、Berlinerの前に出る気分をOzawaが上手く手綱を取っているという感じ

当然ながら、曲による成功不成功は感じましたが
(曲毎の出来栄えは、Kitajenko盤の方が上だと感じているものの)
私は、これまでの全集で想った「食い足りなさ」が吹き飛んだように思いました
Ozawaのこの安定した速度感覚が、Prokofievの楽器扱いの巧みさを顕にさせ
同時に、Berlinerの超絶的な「上手さ」を浮き彫りにしたようです

「Prokofievの音楽とは、こういう仕組みになっているのか!」
(どうなってるのか知りたい、正にそこがよく聴楽できる)
これを初めて認識させてくれた録音として、その存在は私にとって不滅になりました
私にとっては、正にプロコ交響曲録音の「旗艦」ですね

第4番の原典版(Op. 47)が収録されていないのが残念です

この録音を特徴付けている点というと
楽器の目の前にマイクを立たせてあるかのような、ピアノの音です
とにかく轟音の中でもその打鍵音が非常に明瞭に聴楽することが出来
「低音の、リズムの、メロディの内のどれの補強でもない、彼独自のPiano用法」
これを聴楽することが可能ですが
私にとっては、これほど昂奮することは昔も今も数少ないですね
ポケットスコアを見て聴楽する時は、いつもPianoを見ています

余談ですが、5年程前に、Lazarev指揮日本フィルの実演で第5番を聴楽しました
開演前に、ピアノの奏者がしばらくの間、強音でトリルの練習をしていましたが
それが非常に摩訶不思議な音響だったという印象がありました
たぶん、あれは第1楽章のコーダの爆音の中で鳴っているものなのでしょうね

コメント 2

quietplace2010  2010, 10. 30 (Sat) 15:50

> バレエ音楽は作曲家を確かめず、舞台を観ていなかった気がするので…

バレエの舞台で初めて見たのは《ロミオとジュリエット》でした
ダンサーと音楽、少しでもバランスが不均衡だと、白けてしまうと思いますね
勿論、その初聴楽のバレエはそれくらい素晴らしいものでした

当然ながら、劇場つきの楽隊の方が見せ場を知っていると思います
もうその時その時での最も印象的な楽器が本当によく聴こえました

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染  2010, 10. 25 (Mon) 20:51

No title

第5番をいちばん最初に聴いた記憶あります。
音の重なりの多さを感じたものでした。
これを知るまで、プロコフィエフさんの名も知る事なかったかも知れません。
バレエ音楽は作曲家を確かめず、舞台を観ていなかった気がするので…

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