最近、聴楽し始めは「?」な感じでも、次第に惹き込まれて行く
(前回投稿のオロスコ-エストラーダの《春の祭典》が正にそうだった)
そんな幸運な聴楽機会を持てて嬉しいんですね


TchaikovskySteinbacher35.jpg

チャイコフスキー Peter Ilyich Tchaikovsky (1840-1893)
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
Concerto for Violin and Orchestra in D major Op.35 (1878)
アラベラ・シュタインバッハー Arabella Steinbacher (1981-)
スイス・ロマンド管弦楽団 Orchestre de la Suisse Romande
シャルル・デュトワ Charles Dutoit (1936-)
ペンタトーン Pentatone PTC5186 504 (2014)

しかし、アラベラさんは「ブレない」人だなと、つくづく思います
何がって「曲を演奏する段取り」ですよ。とにかく「ここは歌う」という箇所は
本当に「時間一杯」に「たくさん」聴かせてくれるんです
で、そこはテンポが「遅い」という訳ではないんですね
元々、曲全体のテンポをゆったり目にとり
「コブシ」をあまり効かせずに「大らかに」行くというのかなぁ…
澄み渡った趣がどこまでも続くというのでしょうか

演奏時間ですが、(20:15/7:02/10:46//38:03)と、結構ゆっくり目です
もしかしたら、最も遅い演奏の方に属するのかな
私の記憶では、37分台というのも未体験だったかも知れません
(印象としては、ムターの88年DG録音が近いと思う)
この人の、特に協奏曲の演奏信条は基本的にこれですね

歌う箇所と、疾走する箇所というのを見事なまでに対照させてもいます
(曲の大枠をインテンポでというのとはちょっとというか、かなり違う)
楽想間を連結するようなパッセージを、結構な速度で弾いていたりしますが
その対比が不自然だったり、下品に陥らない。何故だろう?

聴楽し始めて「あぁこの人流だなぁ」と、ついて行くうちに
少しずつ、でもってどんどん惹き込まれて行くという「表現」が丁度いい☆

一人の演奏家が考えに考え抜いた末の組み立てなんでしょうね
作曲家に対する敬意と、自分の技量に対する自信というか
それらをギリギリのところで擦り合わせて行く作業は
こりゃ芸術家本人にしかわからない苦心と喜びがあるんだろうなぁ☆
正に「限られた時間で自分の納得の行く究極の部分まで行く」か!

管弦楽の指揮はデュトワです。もうこの曲を伴奏するのにはうってつけの人ですね!
アラベラワールドにとことんつき合って、形にして行く技量はさすがに名人芸でしょう
しかしデュトワは久しぶりに聴楽しましたよ、まだまだ頑張って欲しいです

アラベラさんには、あまりガツガツすることなく
納得の行く状態で、気に入った音楽の録音を時々はして欲しいなぁと思ったのでした☆

コメント 0

新着記事一覧