数年おきに、会心の録音に遭遇するこの曲
2013年のアリスさん以来のインパクトがやって来ました


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ムソルグスキー Modest Mussorgsky (1839-1881)
《展覧会の絵》 Pictures at an Exhibition (1874)
フレディ・ケンプ Freddy Kempf (1977-)
ビス BIS-SACD-1580 (2006)

最近、やや貫禄がついてなかなかのアラフォー振りのフレディ氏ですが
録音はちょっと前のもので、彼の20代最後の頃のものですね

この曲の録音は、近年35分超えの長さのものが多い気がします
じっくりとこの天才的な創作を聴かせるという方向なのでしょうね
が、今回のケンプは、演奏時間32分54秒と結構速い方です
リヒテルが31分よりも速く弾いていますが
その系統の攻めの演奏になるのかな

プロムナードから颯爽と入って行きますが
一瞬、ふっと力を抜いて身体が浮き上がるような
思わずハッとするような演出あり、いやぁ彼らしい方向性だぞ☆
速めのテンポの中で、不自然にはならない程度のエアポケットがある

でもって「グノム (小人)」がかなりの瞬発力
躊躇なく進める目が回るような展開は、聴いたことのない運び方ですが
「こんなのもありだよな」と頷いてしまうのです
私はここだけでも、この演奏を聴楽する価値があるようにも思えます

以降、あくまで線は太く明瞭に
打鍵は実に強烈ですが、雑とは一線を画していますね
強力な響きを伴いつつも、ささくれ立たず
どことなく潤いが感じられます
「テュイルリー」「卵の殻」は
背景に小川の流れが聞こえて来るような気がする☆

後半は、ピアノが「弦をハンマーで打撃する」楽器だという趣が深まります
(「リモージュ」の前にあるプロムナードが素晴らしい☆)
しかしそれは、どこまで行っても下品さとは結びつきません
叩かれた弦が「ビィイーーーン」と振動する生々しい大気を感じます

「キエフ」で最初の大テーマの余韻の中からコラールが発生する
その瞬間の演出がニクい☆ (これも初めて聴楽するワザだなぁ)
ケンプの「この曲は、こんなに効果が出るものなんだよね~☆」
というトークまで聞こえて来そうだ。派手過ぎにも地味過ぎにも傾かず
且つエンタテインメントてんこ盛りとは、こういう演奏なのでしょう☆

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