知らないうちに始まり、かつ終わらない時間   マーラー

この曲は、どことなくアンビエント音楽を想起させます
マーラーにして、「遂にたどり着いてしまった」境地というか
充実しつつ、始まりも終わりもないような音楽…☆


HardingMahler10.jpg

マーラー Gustav Mahler (1860-1911)
交響曲第10番嬰へ長調 Symphony No.10 in F sharp
(1989年クック版) Performin Version by Deryck Cooke (1976/1989)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 Wiener Philharmoniker
ダニエル・ハーディング Daniel Harding (1975-)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon 00289 477 7347 (2007)

多くの雑誌のレビューやブログで「決定盤」とされていますね
決定盤って、必ず括弧で「暫定」という言葉が含まれているのかな
私の場合だと、やや長い聴楽(約35年)生活をしつつ
「決定盤」は少しずつ変化して行くもので、不動ではない感じがします
例えば、プロコフィエフの交響曲全集において
20代半ばで聴楽した小澤盤が「決定盤」となり約25年
立場としては「名誉教授」になりつつあります
私的な「歴史的録音」化になるのかな☆

プロコフィエフに比べたら、マーラーの聴楽機会は少ないです
今回のハーディング盤は、私の小澤盤プロコ全集的な「決定盤」です
かなり長期間に渡って、私のCD棚に君臨することは間違いない
他の盤を入手する気がなくなるような盤は、なかなかないですから…

景気も堂に入った渋さを湛え始めた2007年の録音
売れないジャンルの大規模曲録音という大変なハンディキャップ
これを乗り越えて発売されただけのことはあると思います

この盤の最大の瞬間は、あの第1楽章の強烈な不協和音の奔流
私のこれまでの聴楽盤では、ここが結構厳しい感じというか
痛烈な音響を展開していたのですが
今回のハーディング盤は、ここが意外な柔らかさで開始するんですね

この楽章は、静かに「たゆたう」時間の進行が大好きなワケですが
ハーディングは、この不協和音の箇所も強大な音響を響かせつつ
滑らかな佇まいを離れないんです
聴楽の瞬間は非常に意外な気分に包まれましたが
次の瞬間「なるほど!」と大きく頷いてしまったのでした☆

マーラーの音楽の中でも、最も特異な曲というか、約80分の長きに渡って
ある「特定の支配的な気分」から殆ど離れない冒険的な音楽ですね
メリハリとか、力感という言葉の彼方にマーラーは行ってしまった
(しかし緊張感はそのまま残すという離れ業!)
そんな時間の推移を上手く収録した盤だと思います
時々は、その流れる時間に浸るために聴楽するんだろうなぁ…☆

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