過渡期の快(怪)作☆   プロコフィエフ

ウェラーのプロコ録音は、確かCDではバジェット箱が初出で
オリジナルではLPだけだと思いました
15年程前に出たコレクターズ箱は、ちと装丁的にちょっと…
今回の再発売も、多少はマシかと思う程度ですが、まぁいっか


WellerProkofievSymComp.jpg

プロコフィエフ Sergey Prokofiev (1891-1953)
ロシア序曲 作品72 Russian Overture Op.72 (1937)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 London Philharmonic
ワルター・ウェラー Walter Weller (1939-)
デッカ Decca 478 6475 (1979)

まぁプロコ曲の中でもかなり地味なんですが
実際は物凄い音の鳴る曲で、改訂版3管編成です
第1版は4管編成でしたが、1年後に改訂されたとのこと
古い伝記の記述だと、「絶叫的色彩」を和らげたらしいですが
私としては、4管の強烈音響も体験してみたいですね

曲冒頭から2分くらいが音響・旋律とも強いインパクトがあり
ここだけでも20世紀管弦楽の特徴のサンプルになり得ると思います
解説にもfolk-likeと書かれていますが
ロシア民謡の骨組みを抽出しつつ、モロにプロコ的で
鈴の音に乗った雪橇での楽しい小旅行みたいな感覚の瞬間も☆

時期的には欧州生活との最後の接点を引きずっている時期ですが
仕掛けは独自の冴えが顔を出しつつあり
素晴らしく幅広い旋律と、奇矯な音型が渾然一体になっていて
プロコ好きにはこたえられない音楽ですよ、ハイ☆

冒頭の目まぐるしい場面転換から一転
静謐な中間部に入りますが、この辺りは
創作活動の過渡期も感じますね
何て言うのかな、後期の作風に恐る恐る入って行くというか
非常に慎重な音楽運びが、時として退屈に聴こえる時もありましたね

私はロジェヴェン指揮読響の実演を聴楽しているのですが
パレットの色彩のバリエーションが、後期の傑作群と比較すると
う~ん「地味」という感じもするんですが
自らの巨体を揺さぶりながら、周囲に重厚強烈パンチを見舞いまくる
そんな「プロコ後期作風への愛すべき叩き台」という趣かな
今の私はそんなこの曲の存在を溺愛しております

チャイコフスキーから直接電話で「お前まだこれからだろうが☆」
みたいに触発されて書かれたような素晴らしい「ロシアっぽい」旋律もあれば
打楽器を伴う典型的プロコ風大詰めと「とにかく詰め込んでみましたよ」な風情
と書いていて、ふと気づいたのですが
プロコフィエフ風「ラ・ヴァルス(ラヴェルの)」みたいな感じかなぁ
色彩のやや地味な民謡・舞曲的音響の展覧会でしょうか

ウェラーの指揮は速度的にかなりのもの
最初にちょっと危なっかしいような感じの所もありますが
聴かせてしまうロンドンフィルのプロ根性を感じます
全体的に開放的な鳴らしっぷりには結構圧倒されまして
事実「おおーっ!」みたいな瞬間が頻発します
隠し味のピアノなんかも意外に聴こえて、ちょっとした収穫でしたね☆

確か90年前後のパパヤルヴィ以降は新録音がないと思うのですが
私が知っている範囲では4種類(プロコ曲としては恵まれている方か?)
ここは腕自慢の指揮者(特にゲルギエフ希望)にお願いしたいものです

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