月光ソナタを感じてみる   ベートーヴェン

私がこの曲を初めて聴楽したのは、確か35才の頃で
Classical聴楽子としては、かなり後発の方だと思います
自分的には「まだ新曲」みたいなものかな


GuyLVBsonataComp.jpg

ベートーヴェン Ludwig van Beethoven (1770-1827)
ピアノソナタ 第14番 嬰ハ短調 作品27の2 《月光》
Piano Sonata No. 14 in C sharp minor, Op. 27 No. 2 "Moonlight"
(05:45/02:11/07:02//14:58)
フランソワ - フレデリック・ギイ Francois-Frederic Guy (1969-)
ジグザグ・テリトワール Zig-Zag Territoiers ZZT333 (CD 9, 2009)

32曲のピアノソナタの中で、14番目にして突如出現した「怪作」と言えるかも…
13番目までは、ソナタという枠の中で経験を積むというか
とにかく発想の展開という感じで積み重ねられたように感じますが
ここに来て「形式」という言葉が浮いてしまうような音楽が出て来たのかな

これ以降、あまり曲数を重ねない感覚で
驚異の傑作が出て来るような感じがします
第17、第21、第23、第26、第29、第30、第31、第32…

ギイは、少し以前のインタビューとかを読むと
作品を、全集のような形でまとめることには、特に関心がないようでした
Naiveに残した録音も、好きな作品を丹念に演奏するという感じで
プロコフィエフの第6、第8ソナタなんて、今も私の座右盤ですからねぇ
(第7を録音していないというのが、「らしい」)

それが最近、ベートーヴェンの協奏曲を全曲録音 (Naive) したと思ったら
今度はソナタのチクルスと、どんな心境の変化があったのでしょうね
とにかく、私にとっては何とも嬉しいことですよ

第1楽章では、独特とは一線を画した自然なタメが時折入るのが
ライブ録音であることを気付かせてくれますが
機械のような正確なテンポを刻むだけなら、芸術家は不要です
「幻想曲風ソナタ」という題名もつけられていることも忘れてはいけません

この楽章は「激した箇所がない」というのも私的には得点が高い
突然の強音を気にせず、目を瞑って自由に情景を巡らせればよい
録音も、低音が高音を包むように録られているようで
全体的に落ち着いた、仄かな暖かさが感じられると思います

右手の主旋律的な役割は、主導的にと言うよりは
左手の創出する幅広い世界の中に「ある」という音像の造り方で
これは、後に続く2つの楽章でも一貫しているようです

このトーンが第1楽章の「夜」の幻想に聴楽子の聴覚を誘い込み
第2楽章の慎ましやかな清澄さを浮き上がらせず
(静かに月光を浴びているように思うことも悪くないかも)
第3楽章で再び、取りとめのない感興の遊びに溶け込ませる
超有名曲にて、実に久しぶりに何かを発見したような気がする…

「何か」の途中から始まって
結末を迎えずに、どこかに吸い込まれていく
始まっても終わってもいない、とでも言うのか…
僅か14分58秒の、しかし強烈に豊かな聴楽となりました


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