悲嘆、回想、慰めの場   R・シュトラウス

CDのジャケットですが、ご覧の通り、ブルックナーメインです
ただ、概念としては、シュトラウスの曲に向けて作成されているように思えます

シノーポリは、この曲の初演の年に生まれているんですね

SinopoliBrucknerSym8.jpg

リヒャルト・シュトラウス Richard Strauss (1864-1949)
メタモルフォーゼン (《変容》) 23の独奏弦楽器のための習作
Metamorphosen, Study for 23 Solo Strings (1946)
シュターツカペレ・ドレスデン Staatskapelle Dresden
ジュゼッペ・シノーポリ Giuseppe Sinopoli (1946-2001)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon 447 744-2 (1994)
(中古:2013年1月、ディスクユニオン吉祥寺にて購入)

シュトラウスは、幕末から、第2次大戦後まで生きる長寿の人でした
初演の年は、彼が81才になる年で、最晩年の作曲です
どちらかと言えば、明るい方を向いた曲を書いた人の印象がありますが
馴染みの劇場の戦災による消失など
敗戦寸前から作曲を始められたことによる影響か
仄暗い趣に支配された音楽です

編成は以下の23名
ヴァイオリン 10、ヴィオラ 5、チェロ 5、コントラバス 3

最初の立ち上がりは、ゆっくりと上昇する、しかし
その旋律線は屈折していて、異様な時間開始の予感が…
(短調長調を超えているが、無調的ではない)
もう何もかもが絶望感に満ちて、臥せっている中
ふと顔を上げて、窓から遠方を眺めているような感覚というのかなぁ
見える景色は、破壊され尽くした母国だ

最初の旋律を自由に変形し、途切れることなく続く28分40秒
この「終わらない感じ」というのが実に気持ち的に良いのです
現実には敗戦間際の虚無的な時間が支配しているのですが
音楽は、連綿と綴られる音の波が押し寄せて
僅かに日常からの逃避できる「場」を届けてくれるのでしょうか

時々、中間部では平和な頃を思い出しているのか
光が差すような、長調的な慰めの瞬間はあるのですが
弦楽器の、やや熱を帯びた合奏は
その瞬間にも微かな哀しみを散りばめて、止むことがない

弦楽器の胴体の色は、茶色系の色という印象がありますが
想像の中では、この茶色が明るみを帯びたり、時に濃くなったりと
精妙なグラデーションの緩やかな変化を想像させますね
その茶は、曲の末尾に近づくに従って暗さを帯び始め
最後は全てが静かに闇の中に包まれて行くのでしょう

悲劇的というよりは、何となくですが
弦楽器の暖かみある音から感じられる感覚ですが
静かな落着き場所を与えられ、全ての活動が停止する…
そんな気分にさせられるのです。私は、悲しさに包まれつつも
どこか静かな場所を得た安堵感があるように思えるのです

実演で聴楽してみたい曲ですね
拍手は最後の音が終わっても、しばらくはしないのがよいかなぁ

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

quietplace

Author:quietplace
聴楽記へようこそ!
関心事を書きちらしています。

FC2カウンター
ブログランキング
以下のランキングに参加中です

にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
日本ブログ村 PVランキング
よくわかりませんが、取り敢えず装着してみました。
最新記事
カテゴリ
最新コメント
ブロとも

染のブログ
月別アーカイブ
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSリンクの表示
QRコード
QR