86年後の平手打ち  プロコフィエフ

Prokofievの本格的の音楽史Entryは、この曲からじゃないかな…
まず初聴楽のLPのジャケットを…

scythianabbado.jpeg

Prokofiev (1891-1953)
Scythian Suite op. 20 (1916)
Chicago Symphony Orchestra
Claudio Abbado
Polydor MG1171 (LP 1977)

若きProkofievの面目躍如という言辞が相応しい作品だと思います
数多あるネタを渾身の力で無理やり繋ぎ合わせた感じで
後年の作品に較べれば、稚拙なんでしょうが、そこがまた微笑ましいワケで
ある意味100%純正ProkofievのDebut!でしょうね

初の聴楽はNHK-FMだったと思います(1980年頃)
当時は全くノーマークでしたが、いきなりの大音響!
(第1曲 The Adoration of Veless and Ala, ヴェレスとアラの崇拝)
この曲の最初の肝の部分ですね。指揮者の勝負どころです
Abbadoはここをあまりドロドロとは運ばず、あくまで端正に行くのですが
鳴らしているのはChicagoですから、苛烈な音響下
金管、打楽器群の揃い方が驚異的に思えます
個人的には、ここを超える録音は、以降はまだないと感じます

楽章後半のフルートの旋律も、ハープやチェレスタの伴奏で
異様な世界の雰囲気を盛り上げます
(チェレスタの低音って、結構魅力的です)

当時所持していた私の(てか、15才でしたから、家族の備品か)ステレオでは
この楽章最後や、第3曲(Night, 夜)最初と最後の弦が聴こえて来ず
自分の稼ぎで購入した機械で初めて聴こえて驚きました(苦笑)

第2曲(The Enemy God and the dance of the Spirits of Darkness)
(一応、「邪教の神と闇の精の踊り」か)は、冒頭がCFにも使用されたくらいで
まぁ知られている所だとは思いますが、Prokofievの真骨頂は
第4曲(The Glorious Departure of Lolly and the Sun's Proccession)
(「ロリーの輝かしい出立と、太陽の行進(日の出)」か)
の大詰めの方だと強く感じたいし考えたい、という気持ちがあります

この楽章の前半部分は、次の作品であるバレエ音楽《道化師》Op. 21の味が
既にありまして、パントマイムに合わせるような音楽の進行が
いかにも元々バレエとして設計された音楽という趣ですが
「こぶし」をつけたような弦の強奏に、ハープやチェレスタが絡む所が来ます

ここからが勝負で、次第に闇の黒の中に薄明が沁み込んで来るようになり
少しずつ日の出に向けて力を蓄えつつ盛り上がるのですが
ここでは、Prokofievの音楽の特徴である、鋭くリズムを刻む音が暫く休んでいます
弦、木管とも長く伸ばす音を巧みに使い分けて
4分の6拍子の大きな「うねり」がリズムの代わりになるのでしょうか
規則的に支えるハープも、この楽器らしい「うねり」で加わります

最後の「Sun's Proccession」も、明白なリズムを鳴らす楽器はなく
露骨に拍子を刻まない、このことで森羅万象の力を表現するのでしょうか
各楽器とも一直線に持続する強奏音の集合体に化する感じになり
聴楽しているこちらの外耳から内耳まで音で飽和状態にさせてくれます

FMでの初の聴楽だった私にも、ここの部分はもう十分に衝撃的でしたね
いわゆる「ジャーン、ジャン、ジャン」という終わり方ではありませんでしたから

現在所持のCDはこっち
abbadoop20.jpg
Deutsche Grammphon 410 598-2

この製品No.のCDは、discontinuedですが
Amazonその他のネットショップで他企画の盤が多数ありますので
この演奏の入手自体は比較的容易と思います

時間は進みまして、この曲の実演に触れる機会がありました
(Rozhdestvensky, Yomiuri Japan Symphony,
12/04/2002 Tokyo Metropolitan Art Space)
打楽器奏者が10人出て来て、大いに期待感を盛り上げてくれました
私は、大ホールの最上階の最も後ろの席で聴楽したのですが
ステージから最も離れた私の席までも、音で充満したという記憶が
今でも鮮明に思い出されます。会場を後にする時も
ザワザワとこの曲を話題にして歩いている人が結構いたと思います

この曲の初演指揮者のジローチ (Ziloti, 1863-1945)は、Prokofievの「自伝」によると
演奏後に、上機嫌で「聴衆に平手打ちだ!」と言っていたそうで
要するに、ProkofievとZilotiが聴衆にインパクトを与えたということでしょう
1916年1月29日の86年後、2002年の4月12日にも
ProkofievとRozhdestvenskyが聴衆に平手打ちを加えたようです
今回は私もその中に入っていました。ウレシイ!

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