未知の曲に圧倒される快感   バルトーク

!、!、と思っているうちに聴了してしまった曲ですね。おぉ…

BoulezWoodenPrince.jpg

バルトーク  Bela Bartok (1881-1945)
バレエ音楽『かかし王子』  The Wooden Prince Sz 60, Op. 13 (1917)
シカゴ交響楽団  Chicago Symphony Orchestra
ピエール・ブーレーズ Pierre Boulez (1925-)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon 435 863-2 (1991)

大作曲家の作品でも、まだまだ未聴の作品が山のようにあります
今年に入ってからの私のグラモフォン・ルネサンスにおいて
とうとう聴楽の機会が巡って来た曲ですね

演奏時間54分56秒、管弦楽作品としては最大規模じゃないかな
この感じ、ラヴェルの『ダフニスとクロエ』を思い出しますが
バルトークの方も、奇しくも時期を同じくして世に出た傑作だと思います

おおいにバルトーク・ワールドに浸れる約1時間ですが
CDのブックレットにはバレエの粗筋が
非常にシンプルな英語ながら紹介されていて
お伽噺のスタイルを借りた何とも言えない「いい話」です
人によっては陳腐に思えても、そういう発想の方が陳腐だと私は思うのです…

検索の発達したネット上においては、筋をここに書くのは無粋でしょう
(「かかし王子」でいろいろなサイトがヒットします)
人にとって、本当に大事なこととは何か
何が真に「かっこいい事」なのか
時代が変化して行っても不変、普遍の何かが表現されています
時として鋭角的な、しかし超自然的ですらあるバルトークのハーモニーが
シンプルな物語を盛り上げます

私見では、全曲の中心部は
本物の王子に目もくれず、王子が気を引くために作った「かかし王子」と
踊ろうとする王女のダンスの場面でしょうか
もうバルトークとしか言いようのない旋律線なんですが
彼としては、どこか不思議なオブラートに包まれているような
しかし、何とも高揚した気分を持ってしまいます

第1曲目が約5分をかけて、徐々に音響が豊穣になって行き
終曲の第8曲で、妖精のかけた魔法が解け
全てが解放されて行くような心地よい音響に消えて行く…

主旋律みたいなものは、ないと思いましたが
模糊とした中から次第に形容をはっきりさせ
種々の工夫で大いに楽しみ、再び大気に全てが溶け込んで行く
音の醸し出す「空間」の構成が巧みというか
大規模な「大気の三部形式」みたいな仕組みと感じます

1991年の録音ながら、かなり精緻な音が伝わります
しかし、ブーレーズの音楽運びは上手いなぁ…
意外にお耳にかからない曲なんですが
バルトークの面目躍如というか
まだこんな曲が聴かれずに残っていたのかと
大いに感慨深くなるのでした

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