バレエ音楽《鋼鉄の歩み》 プロコフィエフ

Romeo and Julietが有名ですが、たまにはこういうのも…
今回は曲そのものについての、感情入った感想文風に書きます


Steelstep.jpg
Prokofiev (1891-1953)
Le Pas d'Acier (The Steal Step) op. 41 Ballet in Two Scenes
WDR Sinfonieorchester Koln
Michail Jurowski
cpo 999 974-2 (1996)

このCDは、同時期の作品The Prodigal Son op. 46とのカップリンクで
何故か2003年になってやっと発売されたものです
まぁ売れないでしょうから、商業的には問題あると思いますが(苦笑)
こういう芸当はcpoにして初めて可能になるものでしょう
cpoからの他のリリースは非常に貴重な曲目が並んでいますね

さて、The Steal Stepの訳は、まぁ《鋼の踊り》という所でしょうか
伝記等でよく見かけるのは《鋼鉄の歩み》で
これほど風変わりな表題も珍しいと思うのですが
当時のヨーロッパにあって、芸術fromロシアの雄の一人
名づけ親であるSergei Diaghilevの「売れ線発見魂」の賜物なのかも知れません

Prokofievの《自伝》には、半音階から全音階的な変化がある
と書いてありますが、それは調性が明確になったという意味では全然なく
ある意味「あの」交響曲第2番と兄弟みたいな感じに思えるし
急速な変化と進歩を続けている当時のソビエト連邦に漲る「気分」を
Prokofievの強引な和声をもって、聴衆に問いかけるようにも感じます

各曲のタイトルも1.「人物の登場」2.「食糧を買出しに行く農民を乗せた列車」
3.「政治将校」4.「小さな新聞売り」5.「弁士」6.「腕輪をした船員と労働者」
7.「環境の変化」8.「熟練した船員」9.「工場」10.「金槌」11.「終曲」と
いかにも当時のある「空気」を思わせるもの
訳は不慣れな仏和辞典を使って適当に書きましたので、ツッコミご容赦です

当然ながら、Prokofievはバリバリという言葉を何回連呼しても足りないくらい
バリバリバリバリとやっていて、2.曲では昔のニュース映像に映る
ぎゅうぎゅう詰めの2等列車の気分があるような気がします
(昔の映像にありがちなチラツキや、戦前風ナレーションも再現したいところ)
ここでの小太鼓のリズムが非常にカッコ良く
「さすがプロコ」なんて、舞い上がってしまった昔の初聴楽を思い出します

6.曲までが第1場で、後半に向けて熱さを温存するような形なんですが
無鉄砲なまでの旋律の乱舞は、後半の先頭7.曲で大爆発します
ちょっと帝政ロシア時代っぽい華やかな旋律が持続しますが
途中の無表情な盛り上がり(特に弦楽器による)は最高であります!

労働の合間にちょっと一休みという瞬間は、4.,6.,8.曲で一応用意されていて
これは、いかにもプロコ風としか言いようのない、乾いた諧謔があります
錯綜した労働の中でも、どこかウキウキとした何かが聴こえます

9.,10.曲と工場を舞台にした後半の山場でも強引さが留まる所を知りません
この強引さは、やはり発足当時の国家の勢いというものなんでしょう
そして、prokofievが偉いと思ったのは
どエラい不協和音で終わる10.曲を終曲にしなかったことでしょうか

11.曲は全曲(全体約35分弱)を約2分に圧縮した「全員総出演」的音楽で
もう跳ぶわ弾けるわの嵐の連続で、「最後の追い込み」の辺りで1.曲のパッセージが
小太鼓の強烈な伴奏で出て来る辺りからはもう、一体何と表現したらよいのか…
このバレエの初演に来ていたRavel, Stravinsky, Picassoの感想を聞いてみたい!
RozhdestvenskyのMelodiya盤CDを初聴楽(1988年頃)した当時は
よくこの終曲だけを聴いていたことを思い出します

さて、当CDの指揮者であるMichail Jurowski (1945-)ですが
彼はRozhdestvenskyの助手をしていたことがあり
例の終曲は、Rozh.師匠の超ド迫力に達してはいないものの
弟子は全体の完成度が高いと思っております
彼が録音したcpoのプロコは、小太鼓の音に一種の凄みを感じます
なぜかプロコバレエは《ロミジュリ》のみ未録音なので、可能性低いでしょうが
同じくcpoから出して欲しい!なんて思うのでした

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