ショパン演奏には、こういう道が残されているんですね♪

この曲の最も好む箇所は、第1楽章の最後のところ
悲憤慷慨から諦観へ、涙も涸れたその先の光景というか
異常なまでの「輝かしさ」を感じるんです
もう大管弦楽が奏でる交響曲を書いている気分だったのかな…


KernChopin2.jpg

Chopin (1810-1849)
Piano Sonata No. 2, Op. 35 in B-flat minor
Olga Kern (piano)
Harmonia Mundi France HMU 907464 (2005)

このCDは、ちょっと不思議な盤という印象もあります
2010年の発売ですが、録音がその5年前
(第3番は2008年録音)
使用ピアノも第2はSteinwayで第3がYamaha
Anniversary を意識しての企画は理解できますが
この盤は既にHMFのカタログでは
音源がダウンロードのみの販売になっています
海外通販サイトではまだ何とか盤を入手できる方かな

HMFのArtists欄では、彼女の名前が外れていて
Kern (オルガ・ケルン 1975-)は現在、Yamahaのアーティストです
この辺りの諸事情で録音はフリーなんでしょうね

使用ピアノは変わっても、彼女の奏法には変化はありません
(って、当たり前か)
今回の盤を入手する前に、各種サイトで試聴してみましたが
技術的にはHMFに録音できるくらいですから全く問題ないです
印象としては、どんどん弾き進めて行くタイプではなく
余裕を持って響かせて行くって趣があります

説明は難しいですが、所謂「ショパン弾き」風ではありません
ChopinのCDはそれこそ数えきれないくらい聴楽していますが
やっぱりChopin風の弾き方ってあるんだと思います
その辺りの感覚とは全く一線を画す今回の録音は
どこまでも明晰に音を聴楽子に届かせるというか
ぼやけた感じが殆どしませんが
かと言って堅苦しい感じもしません
強弱なんかは、本当に繊細につけていると感じます
21世紀のChopin演奏の一つのサンプルになると思いますね

この辺の感覚から、受け付けられない聴楽子も多いことでしょう
(「ファンタジーがない」とかね(苦笑))
各種サイトのレビューも賛否両論で面白いです
ただ、私は、こういう録音を欲していました
ファンタジーは、演奏から自動的に渡されるのではなく
自分の想像ないし妄想を駆使して楽しむという感覚があります

10年前くらいに集中的な聴楽していた時期があり
以後、かなり長期間に渡って遠ざかっていた曲なんですが
ここらでそろそろ、最近の録音に耳を澄ましてみたかった訳です

各楽章ともほんの少し長めにとった演奏時間に対しては
一瞬戸惑ったかな。頭の中で想定している「次に出てくるべき旋律」
これらが、その想定よりも微妙にゆっくりと出て来ますから
おそらく、一般には「ちょっと遅いのでは」と思うかも知れません
私としては、こういう「重心の低いショパン」は、聴楽を重ねると
結構ハマりますよ。局所的なテンポの操作は全くないので
ギクシャクした感じもなく、壮大な感じさえする…

奏者によっては、全曲を20分ちょいで終わらせる人もいますからね
第1楽章は丁寧に繰り返しを行って、演奏時間は合計28:12
(8:22/7:43/10:31/1:36)
次から次へと切り替わって行く局面毎のハーモニーは非常に美しく
やはりChopinが時代を生き残って来た作曲家なのだと理解が可能です


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