遠い天体から微かに届く声   プロコフィエフ

冒頭に収録された曲と、アートワークが合っていると思います

ErikProkofiev.jpg

Prokofiev (1891-1953)
Violin Sonata No. 1 in F minor Op. 80 (1938-1946)
Erik Schumann (violin)
Henri Sigfridsson (piano)
C-AVI 8553122 (2007)

東京銀座の山野楽器本店で¥1000で入手したものです
ここのワゴンセールは、時々渋いものがあるのですね
C-AVI というレーベルですが、つい最近HPの方を見まして
結構地道な活動をしていそうなのと
リリースしている盤の装丁が雰囲気あるものと感じ
その中にあるプロコフィエフ作品のみで固めた盤とあれば
やはり聴楽してみない訳にも行きにくい
(相変わらず回りくどい記述でサーセン)

Erik Schumann (エリック・シューマン : 1982-) は日系ハーフ
(ブックレットには、翻訳ソフト感経由は強いものの日本語訳あり)
あの大作曲家とは関係ないものの、同じ綴りの名前ですね
解説では、本人がそのことを光栄と感じている様子
でもってプロコフィエフのソナタには強い思い入れがあるようです
普通はデビュー盤がオールプロコなんて考えにくいですしね

最近の新進Vn奏者の技術は本当に物凄いと思っていまして
Erik もまったくもってケレンのない正統派!
しかし、この「正統派」というのが私の場合に限りますが
プロコをまともに再現する有力な資質の一つだと感じています

さて、第1ソナタです。演奏時間は 30:17
この曲は、過去の録音が大きく分けて28分台と30分台の演奏時間
この2種類に分かれているような印象を受けます

Erik 盤は各楽章 (7:24/7:13/7:57/7:43) が全て7分台と
これはちょっと珍しい感じもしますが
「やっと弾いてる」という雰囲気は全くありません
この巨大な、プロコフィエフとしてはかなり異質な曲に対して
部分の強調や一発芸的なコブシ回しを回避して、重厚とは異なる
巨大な静謐のようなものを生み出している気がします

第2番と対照的な内容の曲ですし
プロコ音楽全体でも、なかなか説明するのが難しい曲のようで
(Wikipedia にも殆ど書かれていない)
プロコ自身のこの曲に対する発言も伝記等であまり取り上げられていません
(ある伝記には、fierce and dark sonata などとある)
1938年にたまたま聴いたヘンデルの作品に触発されたようですが
バロック時代の緩→急→緩→急の「教会ソナタ」スタイルではありますね
(ヘンデルのどの作品化については不明)
この当時は、第2次大戦のドイツ侵攻こそまだ先のことですが
既にソ連国内の独裁政治が本格的になってしまった後のことで
何らかの影響があることは明らかでしょう

1953年のプロコフィエフの葬儀では
この曲の第1、第3楽章が演奏されています
第1楽章については、後半の有名なパッセージがありますし
(プロコ自身が「墓場に吹く風のように弾くこと」と発言)
第3楽章については、どこか遠い天体から微かに届く声
そのような印象を持っています

ヘンデルのことが出て来たので思ったのですが
プロコフィエフが他の作曲家から影響を受ける時って
その曲の持つ「空気」よりも「枠組」に注目しているようです
あの第2交響曲の場合でも、楽章構成に関して
「ベートーヴェンの第32ピアノソナタに似ているかも」と発言しています
雰囲気は「これでもか」というくらい全く違いますけど…

CDでは、これらソナタ2曲を収録した盤は頻繁に見かけますが
実演に際してのテンションは、第1番に関して異常なものがあるようで
明るめの曲調である第2番の方が圧倒的に登場回数は多いと思います
実際の演奏会でこの2曲を両方入れたプログラムは記憶になく
今回の盤においても第1の後を続けて聴楽するのは
聴楽側のテンションの問題で、困難だと感じました

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