豪壮なスイング感   プロコフィエフ

世界にリリースされている Cinderella の盤で最も目立たないかも知れません
もったいないなぁ…


JurowskiProkofiev87.jpg

Prokofiev (1891-1953)
Cinderella : Complete Ballet in 3 Acts op. 87 (1944)
WDR Sinfonieorchester Koln
Michail Jurowski
cpo 999 610-2 (1999)

独逸国のマニアックレーベル、cpoにプロコフィエフとは意外ですね
ただ、cpoらしいのは、《Romeo & Juliet》 op. 64がないということ

《道化師》 op. 21,  999 975-2 (1997)
《鋼鉄の歩み》 op. 41,  999 974-2 (1996)
《放蕩息子》 op. 46,  999 974-2 (1996)
《ドニェプルにて》 op. 51,  999 976-2 (1998)
《シンデレラ》 op. 87,  999 610-2 (1999)
《石の花の物語》 op. 118,  999 385-2 (1995, 1997)

と、他のバレエを網羅しながらも
圧巻は、何と金字塔の op. 64 を外すマニアっぷり!
あまりの勇気ある会社の決断 (!) に虚をつかれながらも
私としては結局、拍手を惜しむことは不可能です

Jurowski さんとしても、契約時に何か発言したかも知れませんね
「え~~っ、ロミジュリを録らせてくんないの~?」

録音についてですが、他標章の盤とは何かが違うと思っています
いわゆるメジャー標章のプロコ録音は、どことなくの印象なんですが
収録の空気感が冷えた感じがするんですね
弦楽器群がちょっと遠のいているというか
その分、金管や金属打楽器の音の立ち上がりが強烈な気がする…

cpo に関しては、まるで Brahms か Schumann を収録するかのような
弦楽器を前面に押し出して音響全体の分厚さで勝負している感じがする
頼みの綱である小太鼓に関しても
響き線の華々しい刺激を抑えめにしてあるような
「トゴトゴ~」「ズトトト~」に近いような無骨な発声です
Chandos の Jarvi 指揮の一連の録音とは大いに趣が異なります

全体的に、非常に重量のある構造物が
それ自体の重さにより滑り出し、止めることが困難になるような
どこか圧倒的な空気感の存在を感じられるのところが好みなんですね
こういう録音ポリシーを考えた場合
暗く重苦しい空気が通底している op. 64 が欠落しているのは痛い気も…

今回の Cinderella (シンデレラ) は、もちろんあの有名な童話のお話です
このジャケット装丁のためか、私としたことが
長らくの間、プロコ曲の盤だということに気づきませんでした
ただ、この装丁は中の録音とトーンが見事に合致していて
必要なだけの自然光が当たっているような空間に
プロコフィエフの大管弦楽が巨大なスペクタクルを繰り広げています

ダンサーたちは、音楽に乗って舞うわけですから
土台である部分がどっしりしていると、何とも安心できるのかな
有名な《ワルツ》を含む曲
Cinderella on her Way to the Ball (no. 19) や
Waltz Coda (no. 38) といった曲の重厚なスイング感は本当に凄い
大太鼓や小太鼓の悠然かつ豪壮な鳴りには感服してしまいますし
自然と少しずつ体が揺れ出してしまう…

印象的に、やや「腰が高く」感じるプロコのオーケストレーションですが
cpo の一連の録音は、また異なる感慨を抱かせるものです

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