ワンダラー・ファンタジー   シューベルト

実に久々に Schubert を採り上げます

SchubertHarada.jpg

Schubert (1797-1828)
Fantasy in C major, D 760 'Wanderer Fantasy'
Hideyo Harada (piano)
Audite 92. 575 SACD (2010)

私はこの原田英代さんのリサイタルを聴楽したことがあります
2002年6月23日 東京文化会館小ホール
グリーグ 抒情小曲集 Op. 54 から6曲 (1891)
リスト 「ダンテを読んで」(ソナタ風幻想曲) (1839)
ラフマニノフ 幻想的小曲集 Op. 3 (1892)
プロコフィエフ ピアノソナタ第2番ニ短調 Op. 14 (1912)

多くのピアノリサイタルに通いましたが
当時のことを記憶している人というのは、申し訳ないけど少なくて
原田さんの場合は「この人の演奏会に行った」と覚えている希少機会です
何故かと言えば、素人表現でアレですが「上手い」と思ったから
(特に彼女の着座とほぼ同時に開始されたリストは印象が強かった)
何かこう、音が強い感じがしましたね
単に腕力のみでは、リサイタル全体を持たせることは困難でしょう
終始明晰な音が鳴り響いていたと記憶しています

それから何年かの後、忘れかけていたところ
Audite (アウディーテ) のHPをつらつらと眺めていたら、彼女の名前が!
(グリーグとラフマニノフは、曲は違いますが録音が出ていますね)
リサイタルのプログラムを見て、同一人物と確認しまして
「やはり出るべき人は出てくるんだなぁ」と不思議な気分になったものです

このCD購入のきっかけは、ネットの試聴だったのですが
最近では珍しい、録音会場の残響を大胆に取り入れたものでしょうか
残響はたっぷりと、にも関わらず細部は結構鮮明に聴こえる
(私は残響多めの録音を好みます)
録音のマジックという部分はあるとは感じるものの
それ以上に演奏のまとめ上げ方に唸ってしまいましたね

演奏時間は23:28と、偶然にも Schiff 盤 (ECM)と同じです
しかし中身は全く違う、そこが面白い
かなり内部でテンポを動かしているのですが、違和感がない
テンポの異なる部分どうしが何の配慮もなく隣接していると
どうしても唐突感が拭えず
演奏技術的な問題を聴楽手に抱かせがちになります

しかし、今回のこの演奏、各部分の中でも前後の部分
別の部分と繋がる箇所に関して、非常に上手く運転しているなと感じます
こういうのは奏者のタレントとしか言えないんじゃないかな

自然な呼吸でに近い形で各部分どうしを、そして全曲を繋いでいるのと
彼女自身の明瞭な打鍵が良い形で混じり合って
非常に躍動的な瞬間を数多く体験できます
(Lise de la SalleのChopinのバラード演奏 (Naive)を思い出します)

第4楽章は、もう聴楽していて嬉しくて仕方なかったなぁ
淀みない疾走感に、顔がほころんでしまうのが抑えられない…
このまま終わって欲しくないとさえ思いましたね。ハハハ

約10年前の初聴楽では、曲冒頭の「ダーダタダーダタ」を耳にして
「ちょっ…、だっせ~」と直感的に思ってしまいましたが
今やマイベストピアノ曲の一つですからね。わからないものです

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