20世紀の讃美歌   ストラヴィンスキー

この曲について書くのは2度目ですね

NelsonsStravinsky.jpg
Stravinsky (1882-1971)
Symphony of Psalms (1930)
City of Birmingham Symphony Orchestra
CBSO Chorus
Andris Nelsons
Orfeo C 804 101 A (2009)

初演はボストン交響楽団創立50周年記念の委嘱によるもので
Prokofievの交響曲第4番ハ長調Op. 47 (原典版)も一緒でした
当時の楽壇のかなりの大物の作品が揃い踏みしています
他にはHonegger (オネゲル 1892-1955)の交響曲第1番
Roussel (ルーセル 1869-1937)の交響曲第3番など…、やっぱ凄い

交響曲という題名こそついていますが
20世紀的な「ある種の気分の集合体としてのソナタ形式」なんでしょうか
楽器編成にヴァイオリンとヴィオラがありません
しかし、私は聴楽していてもそのことに実は気づきませんでした
先ほどWikipediaを読んで、軽く驚愕したくらいで
それくらいに違和感が感じられなかった

忽然と、微温的な打撃音に始まり
密やかな進行に、妖しい讃美歌が侵入して来ます
時に太い帯のような音楽が強烈に進行する瞬間があるものの
暗闇に、時折不規則に明滅するような信号のような音
これらが浮遊する、全曲僅か20分間

やはり第3楽章の後半はいつ聴楽してもゾクゾクしますね
この感覚は、聴楽してみないことには、言葉ではわかってもらえません
思い切り凝縮して爆発させる音塊という発想とは本当に正反対
(リズムの保持という点では非常に困難があるとは思うが)

何か最後に大団円がある、という期待には応えない音楽ですが
詩篇という題材を採っていることから
それがもたらす空間の趣をよく表現しているなと感じます
私はキリスト教を信仰していませんが
どこかに教会に迷い込んで、その空間に何かを想うというか
そういう気分にさせる音楽ですね

この録音のことを何で書いたかといえば
もしかして、かなりの優秀録音なのでは?と思ったからです
音響に奥行きが非常に明瞭に感じられ
遠くの楽器が吹奏ないし打撃、打鍵されることによって
空気が聴楽側に微かに移動する気分が感じられるんですね
それも、何となく暖色系の趣があると思いました



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