超充実の「下書き」?   マーラー

もしマーラーが超有名な作曲家と知らないで、この曲を聴楽したとしても
「若いころに書かれた曲なのかな」と思うような風通しの良さを感じるかも知れないな☆


Mahler1893Vriend.jpg

マーラー Gustav Mahler (1860-1911)
二部からなる交響詩 《巨人》 Symphonic Poem in Two Parts "Titan"
(1893年ハンブルク稿 Hamburg 1893 version)
ネザーランド交響楽団 The Netherlands Symphony Orchestra
ヤン・ウィレム・ド・フリエンド Jan Willem de Vriend (1962-)
チャレンジ・クラシクス Challenge Classics CC72355 (2009, SACD)

現行の交響曲第1番ニ長調の前身にあたる音楽で
もちろん私は初聴楽でした。そもそも、この曲の原型は
1888年に短期間で作曲されたそうで
現存していない1889年初演のブダペスト稿に続くもの
現行の第1番は1896年3月の初演で
意外にも第2番《復活》初演 (1895年12月) の後になりますが
こういうのって、本で読まなければ全くわからないことで
興味深く、不思議な感じもしますね

まぁ、最も驚くべきは、この曲がマーラー20代の作品だということ
最初の作曲の時で何と僅か28才!
(自分が28才の時なんて、何かあったかな?)
現代よりも平均寿命が短く、早く社会に出るような時代とはいえ
とにかく凄いとしか言いようがない

曲は大きく2部に分けられていて
それぞれ、らしい標題がつけられていますが
第2楽章として《花の章》以外は、構成的に見ても
現行の第1交響曲とほぼ同じものです (だからなおさら凄いと言える)

交響曲とは、旋律や和声を担当する楽器が少しずつ違うのかな
細かい点を挙げたらきりがないと思いますが
録音の空気がいかにも澄んでいるというか
何となく若々しい感じがして、作曲当時の気分がわかる気がしますよ

いかにも「勢いで書いた」感があるのがいいです
細かく改訂して、現在のような「物凄い」交響曲が成立したのも
(重厚さが加えられたのが最も大きいポイントかも)
こんなに素晴らしい「下書き」があってこそ、というものでしょう☆

第5楽章 (交響曲の第4楽章) に、圧倒的な破壊力を感じないのは
オーケストレーションによるものでしょうか (音量はかなりのものです)
フリエンドの指揮は、極端に重苦しい方向には傾きません
時々、弦の重低音が場を支配しますが
その辺りは最終的な交響曲稿を予感させますね

最近になってCDに収録されることの増えた《花の章》
これの完成度が周りの楽章よりも高い気がするのも興味深いなぁ
現行版にも、《花の章》はあってもいいような気がします
曲全体の中、何とも不思議な緩衝地帯となっているように思えます
従来の交響曲の4つの楽章のどれにもはまらない「マーラーワールド」

第2以降の曲に、楽章が4つより多いものがあるのは
自らの「ワールド」の表現には楽章が4つでは不足である
なんてマーラーは思っていたのかも知れないですね 
プロフィール

quietplace

Author:quietplace
聴楽記へようこそ!
関心事を書きちらしています。

FC2カウンター
ブログランキング
以下のランキングに参加中です

にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
日本ブログ村 PVランキング
よくわかりませんが、取り敢えず装着してみました。
最新記事
カテゴリ
最新コメント
ブロとも

染のブログ
月別アーカイブ
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSリンクの表示
QRコード
QR