有名曲の地味な元ネタ   プロコフィエフ

意外と未聴楽の人もいるのではないかと思います

BezalyProkofiev.jpg

Prokofiev (1891-1953)
Flute Sonata in D Op. 94
Sharon Bezaly (flute)
Ronald Brautigam (piano)
BIS SACD-1429 (2005)

この曲は、ヴァイオリンソナタ第2番の元ネタでありまして
そのこと自体が非常に有名な話ですが
元ネタの方が目立たなくなりましたね
名Vn奏者だった David Oistrakh (ダヴィド・オイストラフ 1908-1974)が
初演の場 (ピアノ伴奏はリヒテルだった) に居合わせなければ
(彼がVn用の改作を熱心に勧めたので)
どうなっていたか…

プロコ曲としては、何やら茫洋な響きで始まるのは珍しく
どちらかといえば短調的でもある
ニ長調という調性が?と思うような密やかな第1主題
ようやく第2主題でほの明るい感じになりますが
ピアノ伴奏がまた微妙な陰翳を出しますから
どことなくショスタコーヴィチの第6交響曲の第1楽章を思い出すかな

実際のフルートのパフォーマンスにおいては
後発のヴァイオリン版の奏法に基づいた
奏者による肉づけが行われるのが一般的だそうで、顕著なものとして
数種類の盤を聴楽した限りでは第1楽章の第2主題において
Vnのヴィヴラートを意識したような箇所がありますね

この部分は、奏者によって随分趣が異なる感じで
ある盤に対しては本当にびっくりしてしまい
「勝手なことするんじゃない!」とか憤慨しましたが
奏者による改変の話を聞いて、ようやく納得できましたよ

フルートという楽器への大胆な挑戦という趣は、ないと感じます
作曲は1942年ということで、第2次大戦中ですし (初演は翌年)
このような時期でも比較的手軽に演奏できる曲をとか
そんな気分もあったんでしょうか
第4楽章とか、比較的力がこもっていますが
終始和やかな気分が支配的です

BISの看板奏者の一人であるBezaly (シャロン・ベザリー) ですが
一番安定感がある気がして、今も愛聴盤です
この人は、曲全体としてのまとまりを意識しているのか
特に凄い瞬間を聴楽手に与えるというタイプではないかも知れませんが
事故の起こりやすい(と思われる)吹奏楽器を余裕で扱えるということで
プロコフィエフの困難な旋律線に対しても
(ある意味ピアノ以上にやってくれている瞬間が少なくありません)
「何とか吹いたね」的な感じにならず
聴楽手に余計な疲労感を感じさせない点が優れていると思います

この曲の問題は、CD 作製時のカップリングでしょうかね
唯一の管楽器ソナタでありますし、演奏時間約23分と長い曲です
特にプロコフィエフの他の楽曲と合わせるのは難しいでしょう
(敢えて挑戦して欲しいと思うんですけどね)
当盤も、Schubert, Dutilleux, Jolivet との不思議な組み合わせで
タイトルは"Masterworks for Flute and Piano" と
ちょっと苦し紛れにつけた感もあります
ただ Bezaly は、そこまででかなりの盤を出していますから
それまで採り上げなかった曲をまとめて出すわよ!、的な意味もあるかな?
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