交響組曲《エジプトの夜》 Op.61  プロコフィエフ

実際、もっと録音が増えて欲しいと思うんですよ

albrecht_proko.jpg
Prokofiev (1891-1953)
Egyptian Nights Op. 61, Symphonic Suite
WDR Symphony Orchestra Koln
Gerd Albrecht
Orfeo C 258 031 A (2002)

Prokofiev管弦楽曲の最大の楽しみの一つに
色とりどりの交響組曲の聴楽があります
その出自は歌劇やバレエと様々ですが
ネタの多さとカッコ良さにいつもクラクラさせられてしまいます
その中でも、今回はかなりの異色作品です
大体、この曲の存在を知ってから初聴楽までに25年近くかかりましたから
(超おおまかですが、シーザーとクレオパトラのお話(舞台)です)

題名からして、ちょっと意外というか…、エジプトとプロコフィエフかぁ
ビシッとジャケットを着て、帽子を被って颯爽としているセルゲイと
ピラミッドやスフィンクスの取り合わせは、なかなか想像が難しい

初聴楽のChandos盤(Polyansky指揮CHAN10056)の解説には
それまでのProkofiev風のスタイルとは異なる趣で
華麗なハッピーエンドスタイルではないためか
初演当初からさほどには受けなかったとあります
(全曲演奏時間約20~22分)

録音の登場も殆どなかったんじゃないでしょうか
(RozhdestvenskyのLPの存在がほぼ唯一だったかと思う)
Chandos盤登場の折(2003年)は、飛び上がった記憶がありますよ

第3曲《警鐘》は、打楽器のみによって奏される1分程の曲
Prokofievは何を思ったか、指揮者裁量により省略可としています
(自伝中では、それにもかかわらず各所で受けた、なんて記述も)
ちなみにAlbrecht盤は「省略」です

Prokofiev自身がエジプトに行ったことがあるかは、わからないのですが
全曲を貫く、異様な簡潔さと静かな緊迫感が、この音楽の存在証明ですね
旋律線やハーモニーに関しても、パリ時代終盤の《ドニェプルで》Op. 51と
あの《ロミジュリ》Op. 64の丁度中間というか
作曲上の工夫で「もがいている」という雰囲気があります

そんな過渡期の作品でありながら
突如現れる静謐かつ雄大な旋律(第2曲《シーザー、スフィンクスとクレオパトラ》)
ここぞと畳み掛けるような大音響の壁!(第7曲《ローマ軍》)と
私のようなプロコ好きには堪らない作品ですね

特に第4曲《踊り》のハードボイルドさには、ちょっと目が鱗でした
余計な音響を削ってシンプルな趣の中
いかにも古代風(でありながら近代風でもある摩訶不思議)のパワフルな瞬間があり
ロシア人の心の中の《ベン・ハー》ってこんな感じなのかと思うと興味深いですよ

新しい録音の2者
Polyansky (Chandos) は尖鋭でヒンヤリとした録音で
Albrecht (Orfeo) は、どこか暖かみを感じるのですが
この辺りは、レーベルの録音主義の違いでしょう
こういう聴楽比べも愉しいんです
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quietplace

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