時代楽器オーケストラの清新な大迫力☆   ヤナーチェク

私は、お気に入りの曲に対しては
複数の演奏解釈(CD)を併存させない傾向にありましたが
今回は、本当に恐れ入りました。凄い☆
ガードナー盤 (Chandos) に続く、私的ベスト演奏がまた出ました


JanacekImmerseel.jpg

ヤナーチェク Leos Janacek (1854-1928)
シンフォニエッタ Sinfonietta (1926)
アニマ・エテルナ・ブルージュ Anima Eterna Brugge
ヨス・ヴァン・インマゼール Jos Van Immerseel (1945-)
アルファ Alpha 206 (2015)

今回演奏のこのコンビのヤナーチェクと聞いただけで
何やらワクワクしてしまう感じですが
このシンフォニエッタは、意外にゆっくりなテンポ運びなんです
以下は左がガードナー、右がインマゼールです

(2:07//2:30) 1 Allegretto
(6:10//6:28) 2 Andante
(5:16//5:53) 3 Moderato
(3:00//3:04) 4 Allegretto
(6:35//8:14) 5 Andante Con Moto
(23:08//27:09) Total Time

やはり「傑作」は複数の解釈を受け入れるのでしょうかね?
私が聴楽した限りでは、この2種の演奏時間が
上に記したように大きな差があるとは思いませんでした
第5楽章に関しては、約1分40秒もの差が出ていますが
インマゼールはこの楽章のクライマックスで
実にたっぷり堂々とした鳴らしっぷりを披露しています

第1楽章のファンファーレ再現され始めると
自然とテンポが上がって来るのかも知れませんが
インマゼールはここで走らずに、踏みとどまる。これは成功でした

書くのが後になってしまうのですが
ファンファーレが出るまでの盛り上げ方も上手い、実に自然ですよ☆
これまでの聴楽では、半ば唐突、強引に接続するような感じで
この金管群の吹奏が出てくる感じがしましたが
そこに至るまでの道の途中でも、なかなか熱く盛り上がる~

現代のフルオーケストラとは異なる時代楽器使用
人数的にもやや小さめの編成でありながら
どの楽器も突出して目立つような方には行かず
何とも清々しくかつ華々しい幻想が耳に伝わって来ますねぇ☆

第1楽章のファンファーレですが、これがまたなかなかに凝った録音で
主旋律を吹奏するトランペットを囲む対旋律?的な箇所もよく聴こえる
手の込んだ金管群の織りなす土台の上に朗々となるトランペットたち☆
い最下部を支えるティンパニの表情付も変化に富んでいて
マッケラス盤 (Decca) による初聴楽を思い出させてくれましたよ

使用楽器のモダンかピリオドの違いはあまり関係なですね
自分にとって「グッ」と来るのであれば、万事OKですから☆

「これが私の暮らす街なんだよ☆」   ヤナーチェク

この曲で両端楽章に加えて、第2~第4楽章も鳴り響いている
そんな録音は初めて聴楽しました。正直に「すんげー良かった☆」


GardnerJanacekChandos1.jpg

ヤナーチェク Leos Janacek (1854-1928)
シンフォニエッタ Sinfonietta JW Vl/18 (1926)
ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団 Bergen Philharmonic Orchestra
エドワード・ガードナー Edward Gardner (1974-)
シャンドス Chandos CHSA 5142 (2014)

現在のチェコ第2の都市ブルノで生涯の大半を過ごしたヤナーチェク
この人の一生は江戸、明治、大正、昭和にかかってるんですね
そんな変化の多い時期を生きていながら
暮らした場所は殆ど動かないというのが面白い

スメタナ、ドヴォルザーク、ヤナーチェク
3者の名前が出ると、どうしても思い出しがちな常套句
「お国ものの演奏」「本場ものの演奏」
実際、長く話題になり続けている録音も多いですが
今回の盤は、オーケストラ、指揮者、レーベルと
全く「本場もの」ではありません
しかし、一たび聴楽すると、そんなことはどうでもよくなる☆

ベルゲンフィルは、BISに録音したストラヴィスキー等
緻密かつ雄弁な音響で、聴楽前に何ら不安はなく
指揮者が初聴楽でしたが
(2015-2016シーズンからベルゲンフィルの首席指揮者)
さすがにシャンドスが強力に推している人だなという感があり
既発のCDでも、かなりレパートリーが広そうなので
かなり楽しみになって来ました

いきなり勝負になる第1楽章では
今まで意識できなかった金管の絡みが聴き取れますし
第2~第4楽章においても、結構強めの発音かつ明瞭な音響で
(メリハリの点ではこれまでの聴楽で最も鮮烈)
第3楽章くらいまで来た段階で「今晩は快心の聴楽である」☆

この演奏では、ヤナーチェクの「郷土愛」がよくわかる気がします
各楽章は、作曲当初は作曲家自身のつけた名前がありました

「ファンファーレ」 Allegretto
「城」 Andante
「修道院」 Moderato
「街頭」 Allegretto
「市役所」 Andante con moto - Allegretto

私はこのことをつい最近まで知らなかったんですよ
速度表記のみのマッケラス指揮VPO盤が初聴楽でしたが
この曲が本当にわかって来たのは
それぞれの名称を知ってからですね
最後を「市役所」としたのが不思議にカッコいいというか
(調べてみると、建物に対する感慨が込められているようです)
名所旧跡とは違う、一般建造物がタイトルになってるなんて!

「これが私の暮らす街なんだよ☆」って
ヤナーチェクの誇らしげな言葉が聞こえて来るかのように
華麗な大合奏、大団円となります☆☆☆

指揮者の「好」段取り   ヤナーチェク

よくある質問で「無人島に持って行く○○」というのがありますが
私が「管弦楽曲の録音を10種持って行け」と言われたら
おそらく入ると思いますよ、この曲は☆


NetopilSinfonietta.jpg

ヤナーチェク Leos Janacek (1854-1928)
管弦楽のための狂詩曲 《タラス・ブーリバ》 
"Taras Bulba" Rhapsody for Orchestra (1915-1918)
プラハ放送交響楽団 Prague Radio Symphony Orchestra
トマシュ・ネトピル Tomas Netopil (1975-)
スプラフォン Supraphon SU 4131-2 (2012)

私がこの曲の演奏で最も気にしているのは、第3楽章
中盤以降のオルガンが参加して来る箇所なんですが
初聴楽のマッケラス指揮ウィーン盤 (Decca)と
今回のネトピル盤くらいなんですよ、このオルガンがよく聴こえるのは!

他にも何種類もの演奏を聴楽して来ましたが
このオルガンが「音の線」として聴こえないのです
管弦楽が大きくクレッシェンドして飛び込んで来る所なんですが
オルガンがいることすらよくわからない演奏が多数を占めている感がある

曲の暗示する筋書きとしては
ここ以降は人智を超えたものが入って来ると思うので
楽器元来の出自を考えれば、ここはオルガンの存在を前面に出して
大いに聴楽子の聴覚に訴えて欲しいところなんですけどねぇ

私がこの盤を興味深いと思うの は
ここより前と後のテンポの違いを明瞭にしていることでしょうか
とにかくタップリと「オルガン」以降を時間一杯聴かせてくれるんです
ネトピルのこの「好」段取りにより、超自然的な翳りを随所に散りばめながら
収縮を繰り返して大団円に繋がるこの音楽の魅力を爆発させていると思うのです

うぅ、初めてこの曲を聴楽した時の感動がそのまま戻って来たような☆
ネトピルには今後本当に要注耳☆
この単純明快簡潔かつ動きの少ないオルガンのパッセージに
なぜこうも感動させられてしまうのか
時々考えるのですが、いまだにわかりません
それが楽しみでもあります☆

爽やかに、壮麗に   ヤナーチェク

大御所レーベル発、大作曲家の作品を新鋭が率います

NetopilSinfonietta.jpg

ヤナーチェク Leos Janacek (1854-1928)
シンフォニエッタ Sinfonietta (1926)
チェコ城衛兵、共和国警察音楽隊
The Band of the Castle Guards and Police of the Czech Republic
プラハ放送交響楽団 Prague Radio Symphony Orchestra
トーマシュ・ネトピル Tomas Netopil (1975-)
スプラフォン Supraphon SU 4131-2 (2012)

初聴楽だったマッケラス (Sir Charles Mackerras) 盤 (Decca) は
有名な第1楽章でのティンパニが線が太くて、そういう曲と思っていましたが
その後に聴楽した数種類の演奏では、例外なくこの楽章が少し小ぶりです
今回の盤の最初の印象も正直に考えると、まぁそうなります

金管群があまりに立ち過ぎると、後に続く管弦楽とのバランスが悪いかな?
多くの指揮者が、第5楽章でこの金管群を包むように
管弦楽が盛り上げる大団円の方を重視した結果なのかも知れません

チェコ音楽の盟主たるスプラフォンから
ヤナーチェクの代表作をまとめて収録した盤の指揮者は
まだ30代の新鋭ネトピル。それだけ期待も大きいのでしょう
レーベルのHPを見ていて思うのですが
結構いろんなジャンルで、若手の台頭が目立って来たと感じます

録音がとても澄んでいますね。各楽章とも
特に意識しなくても、主旋律を支える音まで自然に耳に入って来るので
比較的クールな音響の中、何だかとかも豊かな気分になります

金管群の演奏団体がクレジットされるのは珍しいかも知れません
このことから、最初からブチかましてくれるのかと予測しましたが
さすが老舗レーベルはそんなことは避けてくれます
しかし、クレジットするほどの内容であると、私は一聴して強く思いました

全く気分的なものなんですが、実に爽やかに響き渡ると思えます
第5楽章の大喜利においては、管弦楽に支えられて浮かぶ金管群の合唱は
もう壮麗とさえ感じられ、音の混濁するような気配は見られません
やはりアンサンブルの爽やかさがこの録音の成功を呼び込んだのでしょう

個人的に、マッケラス盤と並ぶ演奏が出てきたと感じていますね
こう思えることが凄く嬉しい気分です



老いて穏やかに、じゃないのがいい☆   ヤナーチェク

アルバムの構成としては、今回の曲は「おまけ」的なんですが
なかなかどうして、ブチかましてくれています☆


AbbadoJanacekDG.jpg

ヤナーチェク Leos Janacek 1854-1928
シンフォニエッタ Sinfonietta (1926)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 Berliner Philharmoniker
クラウディオ・アバド (指揮) Claudio Abbado (1933-)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon 427 313-2 (1987)
(中古:2012年12月ディスクユニオン池袋にて購入)

録音が1987年ですから、まだアバドがベルリンの監督になる少し前です
この頃くらいまでは、結構王道のレパートリから少し離れたような
意外なレパートリーで楽しませてくれましたね
店頭で見かけた時に、「ベルリンフィルのシンフォニエッタってどんな感じ?」と
想像がむくむくと出て来ましてゲットしたものです

初演は1926(大正15)年の6月26日ということで
日本では年号が大正から昭和になるほんの少し前なんですが
ということは、Classicalとしては、かなり新しい方になりますかね
もっと古い曲というイメージがあるので、これは意表を突かれます
それに、初演の年にヤナーチェクは晩年かつ72才!
老いて穏やかに、じゃないのがいい☆

とにかく第1楽章に強烈なインパクトのある曲で、20年ほど前に
マッケラス (Sir Charles Mackerra 1925-2010)盤(Decca)聴楽前は
「ドヴォルザーク風の素朴な音楽だろうから、気楽に行こう」
なんて気分でいたところ、吹き飛ばされそうになりましたよ

マッケラス盤の輪郭の太い打楽器に比べると
随分と慎重な、ややと頼りなさそうな感じの開始なんですが
これはもしや、アバドの計算ではと思えなくもありません
次第に全開に向かうブラスバンド、その燦然たる輝きは
ちょっと言葉で表現しにくいほどの爽快さ
豪壮なる金管軍団の土俵入りみたいな天晴さ!

各奏者の吹奏する音につられて、連鎖反応なのか
互いがどんどん高潮して吹きまくる趣
(かと言って乱暴でないのがアバド流精緻というものなのか?)
「俺(私)たちの本気の合奏を聴いてみろや(みてね)!」
(当時のエキストラ含めた中に女の人がいたかはわかりませんが)
みたいなパイパーズたちの自負がビシビシと感じられて
思わず拍手したくなるような快感さえ出て来ます

曲全体としては、短い動機を強いコントラストで絡ませる
ヤナーチェク流というのでしょうか
弦の沁みるような高音なんかは「ならでは」という趣かな
狂詩曲《タラス・ブーリバ》の姉妹編と言われるのもよくわかる
(両曲の終結部は同じ調だと思うのですが)

私は長期間に渡り、マッケラス盤を決定盤と信じておりましたが
いろいろな演奏を聴楽してみるもんだな、なんて
改めて実感しているんですよ
プロフィール

quietplace

Author:quietplace
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