ここぞとばかりのホルン大演奏☆   ブラームス

ゲルギエフのブラームスと聞いただけでも興味が大きいです
ロマン派をあまり遡るようなことはしない人ですが
この人流の展開はやっぱムチャクチャ面白いです


GergievLSOlive0733.jpg

ブラームス Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第1番ハ短調作品68 Symphony No.1 in C minor Op.68
ロンドン交響楽団 London Symphony Orchestra
ワレリー・ゲルギエフ (指揮) Valery Gergiev (1953-)
LSO ライブ LSO Live Lso0733 (2012)

交響曲全集に発展した録音ですが
発売当初の評判がイマイチだった記憶があるんですよね
確か演奏進行中に無音部分があったりして、良品と交換するとか
(店頭でも注意喚起の説明書きを見かけましたね)
とにかくツイてないなという印象がある録音です

録音は結構独特で、残響が少ないですね
LSOの本拠地バービカンセンターでの収録ですが
初めて録音における「デッド」とは何かがよくわかった気がします
響かないですね~
残響というものに普段から浸っている普通の聴楽子たちにとっては
かなり異色の響きに感じられたと思いますよ
(私だって一聴して驚いたくらいですから)

しかし…
だからと言って、演奏自体が?かと言えば、違う☆

第1楽章の展開部なんかは
「デッドな響きに敢えて挑戦」みたいな攻めの演奏ですよ
「この楽章こんなに熱い音楽だったかな」なんて
ある程度に熱い音楽だということは百も承知で
なおかつ今回、格別に熱い!何故だ?☆

冒頭からの音響に幾分か困惑した私でしたが
第2、第3楽章でもなかなかにハイテンションな演奏が続き
遂に迎えた第4楽章!

やってくれましたよホルン☆いかにデッドなバービカンも
このホルンの気合いの吹奏にはひれ伏さなければいけなかった
それくらい物凄い強さの音を響かせて
デッドな空間特有の、各楽器が全力でぶつかり合う生々しさもあり
もう笑ってしまうくらい気分が爽快になってしまう

一つの楽器の轟音に回りも目を覚ましたように鳴り出す
ここから一気の盛り上がりがハンパじゃなくなったですよ

演奏時間は以下の通り
(16:58/9:51/4:53/17:20//49:02)
第1楽章が長めになっていますが、こういうやり方があるんだなと感心しましたね
終わらないで欲しい、とか思いましたもん☆

ひたすらに音の動きを追う喜び   ブラームス

またまた新しい、この曲の愛聴盤の登場です
SkrideBrahms77.jpg
ブラームス Johannes Brahms (1833-1897)
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77 
Concerto for Violin and Orchestra in D major op.77 (1878)
バイバ・スクリデ Baiba Skride (1981-)
ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団
Royal Stockholm Philharmonic Orchestra
サカリ・オラモ Sakari Oramo (1965-)
オルフェオ Orfeo C829 112 A (2009)
(新品:2013年11月、タワーレコード秋葉原にて購入)

Orfeoは、シュタインバッハー (1981-)盤の発売の直後
(確か彼女は時期的に既にPentatoneに移籍していたと思う)
このCDを出しているのですが
おそらくは、彼女の契約はあと1枚を残していたが都合がつかず
やや録音とリリース年の離れたライブを出したように想像します

面白いのは、スクリデの録音もライブなんですよね
偶然ながら、同じ曲でも録り方でこうも変わるのかと
この2つの演奏の比較は大変興味深く感じました

スクリデの出す音は、今まで聴楽したことのないような感じで
不思議な残響感を伴うというのかなぁ(人工的という意味ではない)
楽器を中心として音が偏りなく拡がって行くような
その発音を広いホール内の大気中に万遍なく漂わせる
非常に安心感のある響きなんですね
一聴、ちょっとびっくり、しかし次の瞬間
とにかく嬉しくて仕方なくなりましたよ

その涼やかな感じは
驚異的な技巧をさりげない佇まいに聴かせ
力強さとも異なる満足感を感じられるのですが
これは、幅広い音域を大胆に通り抜ける第1楽章
その中に最も顕著に表れているように思えます
旋律が美しいとか、そういう次元ではなく
ただ単にというか、実にシンプルな
上下する音の波に対して大きな充実を与えられました

リリース直後とかは殆ど注目されていませんでしたけど
うわうわ、こんなところから驚異的な記録が出て来るんですねぇ
音の太さではない「ふくよかさ」に光を当てた録音とも言えるかな
ちょっと珍しい、でも「よい」体験を持てましたよ

時間一杯、大きく深呼吸するような開始   ブラームス

この「何か壮大なものに包まれて行くような開始」がたまりません

BernsteinBrhamsComp.jpg

ブラームス Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第3番 ヘ長調 作品90 Symphony No. 3 in F major op. 90 (1883)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 Wiener Philharmoniker
レナード・バーンスタイン Leonard Bernstein (1918-1990)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon 415 570-2 (1981)
(中古:2013年4月、ディスクユニオン新宿にて購入)

ブラームスの交響曲を聴楽していて思うのですが
一つの曲の中でも、かなりいろいろな工夫をして
それらを没にすることなく、可能な限り取り入れて行く…
第1交響曲の完成までの時間のことを思い出しますね
第2以降は、要素の取り込みの時間が短くなって行くようです

しかし、出来上がりまでの時間が短いから雑ということでなく
やはり作曲の技量が上がって来ているのでしょうね
作曲の冒険の見本市でもある4曲の交響曲は
同じ曲の中でも目まぐるしく表情を変えて行くにもかかわらず
曲の独自のトーンが貫かれているのが興味深いです

今回の第3は、とにかく曲の冒頭ですよ
(ポケットスコアを見た感じもとても印象的です)
あの「時間一杯、大きく深呼吸をするような」開始
これでブラームスワールドに一気に引き込まれて行きます
微妙なハーモニーの大気に乗った楽想が連続して行く…

バーンスタインのテンポ設定が
もう本当に絶妙としか言いようがありません
(15:34/9:42/7:04/9:33//41:53)
第1楽章が繰り返しを含むので、突出して長いのですが
他の楽章は、他の指揮者の録音ともそれほど変わらないのに
この、時計の刻む時間から抜け出すような感覚は一体何か☆
「曲の中に遊ぶ」というのを実体験するのに丁度良い時間の進み方ですよ

第4楽章の最後の方で、不思議の時間が
現実の時間に向けて解放されて行くのですが
強くなく弱すぎない、各楽器の受け渡しの内に
初演当時から130年後の今の時間にタイムスリップするというか…
とても静かで「本当に良い気分だ☆」なのです


がっちりとした「自由自在」   ブラームス

この曲のクレーメルの演奏は、意外にも初聴楽です

KremerBrahms77.jpg

ブラームス Johannes Brahms (1833-1897)
ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品77 Concerto for Violin and Orchestra op. 77
ギドン・クレーメル (ヴァイオリン) Gidon Kremer (1947-)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 Wiener Philharmoniker
レナード・バーンスタイン Leonard Bernstein (1918-1990)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon 410 029-2 (1982)
(中古:2013年6月、ディスクユニオン池袋にて購入)

今までも気になり続けていた盤なんですが
中古店に於ける盤の状態表示が芳しくありませんでした
「盤質B、要検盤」「盤質B、キズ多め」「盤質B、盤劣化」等々…
表示はいずれも関東圏中古の老舗、ディスクユニオンのものですが
盤質の後の付記が心に暗雲をもたらすワケです

先日、珍しく「付記なし」の盤質Bがありましたので
最後の最後あたりに気になるキズ(のようなもの)があるものの
今までよりはマシ(アートワーク含めて)ということでの購入です

何となくはわかっていましたが、クレーメルのパフォーマンスは
大事に大事に進行させ、そうすることで演奏時間が長めになる
というような、よくあるパターンが全くないんですね
が、セカセカしたような感じもしないのが不思議に感じられます

今回の聴楽盤にしてもそうです
(22:02/8:51/7:19//38:12) クレーメル (1982, DG当盤)
(21:01/8:13/7:35//36:49) クレーメル (1996, Teldec)
(24:41/9:50/8:04//42:35) シュタインバッハー (2007, Orfeo)
こうして並べると、3回目の方が速いんですね!
(実は最初はカラヤンがバックのEMI盤だったのをさっき知りました)
私はシュタインバッハーのような、たっぷりした演奏が好みなんですが
(所持していませんが、ムター新盤(1997, DG)も好きです)
やはり、今回のクレーメル盤には感心してしまいましたね
何故なんでしょうか…

クレーメルは速めのテンポの中でも、実に明晰な音を鳴らしますね
太い音とは違うかもですが、芯が明確に在るような鳴らし方です
実は今回、この曲が非常な難曲なのではないかと初めて思いました

独奏の音域の振幅が非常に大きい箇所が多いと改めて気づきます
(特に第1楽章の展開部)
しかしあくまで明晰に、大事をとってタメを作るようなところが皆無に近い
聴楽中一カ所だけ「おやっ?」と思う箇所がありましたが
この録音はライブなのですから、問題になりません
初演当時の聴衆は、やや高めの音域に集中する
この曲のパッセージには戸惑ったかも知れませんね
独奏ヴァイオリンのアバンギャルドさ(当時)が露わになっています

そんなこんなで、この曲の別の側面に気づかされて
聴楽し慣れた曲でしたが、良い意味の衝撃を受けています
第3楽章は、特に速い展開なんですが
独奏が管弦楽を「引っ張る」という意味において
実に明快かつ爽快な音楽で楽しませてくれます
正に自由自在、しかし奔放とも気儘とも違う…

大体、聴楽し始めてすぐにという感じで
ディスク終盤のハッキリした傷のことはまったく忘れてました
勿論、無事に再生されております。やった~☆

近づく20世紀の予感   ブラームス

Classicalの聴楽34年目を迎えて、初のクライバーとなりました

KleberBrhams4.jpg

ブラームス Johannes Brahms (1833-1897)
交響曲第4番ホ短調作品98 Symphony No. 4 in E minor Op. 98 (1885)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 Wiener Philharmoniker
カルロス・クライバー (指揮) Carlos Kleiber (1930-2004)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon 400 037-2 (1980)
(未開封中古:2013年4月、ディスクユニオン吉祥寺にて購入)

この指揮者に関しては、とにかくレコ芸誌が絶賛していたという印象があります
(実際、インターナショナルにかなり凄い人だったです)
「何かとてつもない人」という感じなんですが
私にとってはプロコフィエフの録音がない以上、聴楽機会は巡って来ませんでした
Wikipediaで調べてみると、カリスマを維持するって大変なんだなと思いましたね
音楽家として活動していくにも、かなりの葛藤があったことは間違いないでしょう

私は、以前はロクに聴楽もせずに避けていた作曲家が
今ではもう「超好き」という人が結構多くて
シューベルトとブラームスがその双璧なんですが
カルロスはブラームスでは第4番のみを正規録音しています
店頭で未開封の盤を手に取った時「聴楽の時が来たかも」と
何やら「啓示」(大袈裟)めいたものが降って来まして…えへへ

第1楽章冒頭は、とにかく非常に良く音楽が流れているような気がする
指揮姿がなかなかに流麗だったらしいですが
管弦楽も自然に走り出す、という風情が「感じ」られると思いました
感覚を言葉にするのは難しい面もありますが
私は、特にそう感じましたよ

曲の最初から最後まで、一貫した何かが聴こえて来ますが、何だろう?
「淀みない流れ」としか言いようがありません
奇妙なテンポ変更は一切なく音楽が伝わって進んで行く
ブラームスの音符を自分の指揮棒によって大気に拡散させて行く39分20秒
「曲を自分のものにする」とはこういうことを言うのでしょうねぇ
これはレパートリがかなり限られているのが理解出来るというものです
本当にマジ納得させられてしまいました

この曲は、今までに3人の指揮者で聴楽しています
カラヤンDG(80's)、アーノンクールBPO(Teldec)、そしてクライバーです
曲の印象が「渋い」とか「枯れている」というのを時々見かけますが
私はあまりそうは思いません
4つの楽章の気分がかなり異なるような気がしていますが
これは、ショパンの第2ソナタに対するシューマンの有名なコメントを考えれば
別に問題でも何でもありません

何て言うんですかね、もう「密」なんですよ、4つの楽章の個性がとにかく緻密
鳴り渡る音響は、1885年作でありながら、既に20世紀を予見していると思う
(1894年には、ドビュッシーの《牧神》が登場します)
個人的には、かなり新しい音楽という印象を強く抱いていますし
激しい瞬間も結構ある曲でありながら
どこかに「孤独」を意識させられるような趣もあり
それがブラームスらしいと言えると感じますね
いや~、それはもうカッコいい曲ですよ

ジャケットのカルロスも憂いを含んだ表情で、よろしいです
これが仮に満面の笑顔だったら、それもまた変ですよねぇ☆
プロフィール

quietplace

Author:quietplace
聴楽記へようこそ!
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