曲を自分のものにする☆  エルガー

一つの曲を何回も聴楽して理解していく
こんなことはこの趣味の最初の頃以来ですね。嬉しい☆

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エルガー Sir Edward Elgar (1857-1934)
チェロ協奏曲ホ短調 作品85 Cello Concerto in E minor Op.85 (1919)
ソル・ガベッタ (チェロ) Sol Gabetta (1981-)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 Berliner Philharmoniker
サイモン・ラトル (指揮) Sir Simon Rattle (1955-)
ソニー・クラシカル Sony Classical 88985350792 (2014)

長いClassical聴楽趣味を継続中ですが
未聴楽の有名曲というのは、かなり少なくなっています
今回のエルガーの協奏曲は、超有名とまでは行かないと思いますが
数か月前の初聴楽で印象に残り、曲全体がどういう風なのか
印象が定着するまで聴き込みたくなった珍しい曲です

第1楽章で強奏される憂愁感漂う主題以外が印象に残るまでに
Maisky (DG, 1990) 「初聴楽」
Gastinel (Naïve, 2003)
Gabetta (RCA, 2009)
Weilerstein (Decca, 2012)
Gabetta (Sony, 2014Live)
5種類の演奏を経て、次第に曲の魅力に開眼して来ましたよ
ここ15年くらいは有名曲の聴楽の繰り返しでしたから
本当に今回のこの曲のような聴き方は最近珍しい

この曲はやはり近代以降の曲ですね
チェロ本来の音域で勝負している部分が多いわけじゃない
かと言って、尖った雰囲気をまとっているのでもないですが

演奏時間は以下の通り
(8:04/4:35/4:20/11:24//28:23) RCA
(8:20/4:35/4:54/11:24//29:13) Sony

昂っている時間は長くは続かず、すぐに弱音の独白に変わって行く
一番大きな音が鳴るのは第1楽章ですが
魅力は、続く各楽章の中にも多い
弱奏主体のスケルツォである第2楽章でも
聴楽して来た各奏者の個性が出ていましたね

でもって、第3楽章まで来ると
この協奏曲の核心は弱奏の箇所であることに気づき始める
第3楽章の主題の歌わせ方は、奏者にとっても
勝負所の一つじゃないかな
皆さん、主題の後半を消え入りそうな形にまとめています
もしかしたら最もいい楽章かも知れない☆

第4楽章も、盛り上がる展開かと思うものの
少しずつ沈静化していく
この過程がとにかく美しい
これに関しては、何度か聴かないと理解できませんでしたが
今では最高の聴き所として認識していますよ

Gabettaは、2009年の録音よりも解釈が洗練されているというか
細かいところを強調はせず、上手くまとめている感じです
弱奏の箇所の弾き方は、一番さりげなくて気に入りました

豪壮!   エルガー

聴楽して身体に力がこもる…久々にそんな演奏を愉しみました

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エルガー Sir Edward Elgar (1857-1934)
行進曲 《威風堂々》 第1番 ニ長調 作品39の1
Pomp and Circumstance March in D Op.39-1 (1901)
スコッティッシュ・ナショナル管弦楽団 Scottish National Orchestra
サー・アレクサンダー・ギブソン (指揮) Sir Alexander Gibson (1926-1995)
シャンドス CHANDOS CHAN 8429 (1978)

うっかり中古屋さんに出してしまい、取り戻すのに時間がかかった点では
おそらく最も長い時間がかかった盤だと思います
もっとも、CDというのは、売ってしまってから価値に気づく面もあるのかな?
そういう盤は他にもいくつかありましたねぇ

当盤は、Chandosでも最初期の録音だと思います
70年代後半の録音で、LPでも発売されています
各国のAmazonマケプレでも、LPはヒットするのですが
CDが全く消息不明でして、昨日に新宿のディスクユニオンにて
ひっそりと佇んでいたところを、すかさず保護しました☆

数多あるこの曲の録音のうち、なぜこの盤なのか?
Chandosは、数年前にアンドルー・ディヴィス盤が新録音で出ていますが
私は、この時も軍配をギブソン盤に上げました。なぜか?

ここで私は《威風堂々》というタイトルに最も接近した演奏を考えます
この表題は意訳の要素が入っているらしいですが
翻訳というのは実際には、そういう要素も含めて楽しむものと思えば
これ以上にハマった訳は、ちょっと思いつかないですね

有名な《希望と栄光の国》の旋律ですが
それが出て来る中間部のみがクローズアップされ過ぎの感じを持ちます
この主題が再度、曲の「最後」に全合奏で入って来る、この時のテンポですよ!
この箇所が威風堂々としていなければ、全く意味がないと思う☆

ギブソンのこの曲への演出は、曲全体の輪郭がはっきりとしていて
(彼は1959年から1984年まで長きに渡り楽団の指揮者を務めていました)
「え、今の何?」というような曖昧さが避けられていると思います
提示部に当たる部分を繰り返さず一気に中間部になだれ込むのもインパクトありますね

数多くの録音が、全体的にコンパクトにまとめられていて
どうも流麗に過ぎるという、《威風堂々》ならぬ《流麗端正》に傾き過ぎと感じる
全体的に合奏の精度は、極致という所までは行ってないと思いますが
ある種の奔放さが、逆に魅力になっているのでしょう

《希望と栄光の国》主題の最後の回帰は
他のどの録音よりも重厚かつやや遅めのテンポで
実際には行進のテンポとは言えないと思いますが
豪壮という点で右に出るもののない、素晴らしいスペクタクルになっています
オルガンの重低音の上に乗る管弦楽渾身の全合奏という趣がビシビシと来る☆

このCDを最初に購入したのは1990年でしたが
24年後の聴楽も、その強烈な印象は全く不変のままで、とにかく嬉しいですよ☆

《エニグマ》変奏曲を初聴楽!   エルガー

管弦楽曲としては久々の、未聴有名曲の聴楽機会です

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エルガー Edward Elgar (1857-1934)
自作の主題《エニグマ(謎めいた言葉)》による変奏曲 作品36
Variations on and Original Theme "Enigma" op. 36 (1899)
フィルハーモニア管弦楽団 Philharmonia Orchestra
ジュゼッペ・シノーポリ Giuseppe Sinopoli (1946-2001)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon 423 679-2 (1990)
(中古:2013年10月、ディスクユニオン新宿にて購入)

この曲って、非常に有名ですよね、って
自分で言うのもナンですが、かなり以前から知っていた曲です
でも、実際の聴楽は、おそらく名前を知って以来、「初」です
終曲を聴楽している時に、その音楽が
先日、中古盤店内で流れていたことに、すぐ気づきました
「こ、あの時の音楽はこの曲だったのか~!」みたいな

今回、贔屓の人シノーポリ盤(やや入手困難)がようやく庵のCD棚に!
(約四半世紀前の盤ですが、1400円もしました)
遂に聴楽の運びになった形になります
実は、交響曲第1、第2番もこの人で初聴楽済(DG)です

私は、この指揮者の分析癖みたいな感覚を否定はしないのですが
同時に、「おおらかさ」みたいのを感じるんです
殆ど聴楽機会のなかった歌劇も、この人の指揮でなら
もしかしたら聴いていけそうな気がするんですね

全曲は、以下のような構成になっています
主題 : Enigma、変奏1 (C.A.E.)、変奏2 (H.D.S.P.)、変奏3 (R.B.T.)
変奏4 (W.M.B.)、変奏5 (R.P.A.)、変奏6 (Ysobel)、変奏7 (Troyte)
変奏8 (W.N.)、変奏9 (Nimrod)、変奏10 : 間奏曲 (Dorabella)
変奏11 (G.R.S.)、変奏12 (B.G.N.)、変奏13 : Romanza (***)
変奏14 : 終曲 (E.D.U.)

作曲者エルガーの家族友人知人が、そのイニシャルやニックネームで提示され
最初の主題を用いつつ、音楽的肖像とでも言うのかな
とても凝った仕組みになっていますね
(ちなみに最初の変奏はエルガーの妻、最後の変奏が彼のニックネーム)
途中、間奏曲とか、全く謎(***)の「ロマンス」が挟まれていたりと機知盛り沢山

ジャケットには14人がちゃんと描かれていますね
実際に作曲者から見て誰に当たるのかは解明されていますが
写真を基に描いたのでしょうかね?

おそらくは男性を表現するような激しい変奏は、比較的短く
エルガーの、優美でありながら、20世紀到来を予見するような
懐古を感じさせないハーモニーで女性を表現しつつ
最後は本人を描いた実に雄大な変奏で締めくくるとは!
私の意識の中に遠く『英雄の生涯』が一瞬フラッシュバックしました

終結まで聴楽し通せるかどうか疑問がありましたが
最初の、いくぶん憂いを含んだような主題自体が素晴らしいと感じましたね
結尾が長調に変わるのもポイントが高いと思うのです
以降、いかにも「変えてるなぁ」というような変奏ではなく
気分を変奏して行くような自由度の高い音楽的変容の連続ですが
シノーポリは、これを実に幅広く響かせて行きます

彼に「まぁ大船に乗ったつもりで聴いてみてよ」と言われているような
そんな心地の良い気分がどこまでも続いて行く
途中、使用任意のオルガンが投入されているようで
腹に響く重低音が音楽の奥行きに絶大にしています

うーむ、いかにもな表現ですが
英国式庭園の中、ゆとりある気分で椅子に座り、紅茶を堪能する
どうしてもそんな情景を想像してしまうのでした

この曲は、エルガーの出世作なんだそうです
交響曲の方を先に聴楽していて思わずニヤリとしてしまったのですが
この音楽には、既に後の「エルガー節」や彼らしい盛り上げ方
(一旦音が収束し少しずつ壮大に音量を上げてのフィニッシュ等)
が並べられているのですね
終曲など、あまりのカッコ良さに仕事の後の疲れが吹っ飛びました
目が覚めちゃったですね☆

意訳の日本語タイトルが秀逸   エルガー

紛れもなく、私の中では「キングオブ行進曲」です☆

BernsteinElgarPC.jpg

エルガー Edward Elgar (1857-1934)
軍隊行進曲 《威風堂々》 第1番ニ長調 作品39の1
"Pomp and Circumstance" Military March Op. 39-1
BBC交響楽団 BBC Symphony Orchestra
レナード・バーンスタイン (指揮) Leonard Bernstein (1918-1990)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon 413 490-2 (1982)

数種類の演奏を聴楽して、自身の好みを考えてみると
「悠然と進行するテンポ」の演奏を嗜好しているようです
有名な《希望と栄光の国》の旋律は当然としても
アレグロの部分も速さを犠牲にしてでも、豪壮に進めて欲しいですね

印象に残るものとして、Chandosから出ていた(CHAN8429)
ギブソン (Alexander Gibson 1926-1995)盤がありますが
惜しいことに、アレグロ部分の省略をしています
(それでも最後の《希望》の部分の豪壮さは最高ですが)

自分の希望を完璧にかなえている録音は、今のところありませんが
それに最も近いのは、今回採り上げたこの盤です
バーンスタインとBBC響というのは、珍しいかも
アレグロの箇所でテンポの動きが落ち着かない気もしますが
「大きく構えた感じ」=Circumstanceを感じさえて貰えます

数ある行進曲の中でも、輝かしい中にも
エルガー的な半音階進行を巧みにばら撒きながら
微妙な翳りをまぶして、緊張感を高めて行く
これらの要素が、わずか6分41秒の中に凝縮されています

大詰めの《希望と栄光の国》は、ギブソンといい勝負ですね
普通に行進するテンポの倍くらいの悠然としたテンポですが
実用曲よりも、何らかの意志を表現する「幻想曲」とも考えられるかな
ここは管弦楽の響きが交錯する燦然さを堪能したいところです
オルガンのサポートが「いい所」で明瞭に聴こえるのも得点高いです

聴楽後に、ジャケットの写真を眺めるのも良いものです
高揚した気分を、宵闇迫る夢幻の倫敦が鎮静させてくれますね
いかにも80年代DG的なセンスを感じさせる好デザインと感じます
プロフィール

quietplace

Author:quietplace
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