1995年生まれが弾く☆   シューベルト

とうとうこの曲にも「定番」演奏が出てきたかも…

SchubertWandererPilsan.jpg

シューベルト Franz Schubert (1797-1828)
幻想曲ハ長調 《さすらい人幻想曲》 
Fantasy in C major (Wanderer Fantasy) D.760
アーロン・ピルサン Aaron Pilsan (1995-)
ナイーヴ Naive V5385 (2014)

このレーベルが現行の装丁になって、ピアニスト最初のセンセーションは
リーズ・ド・ラ・サール Lise de la Salle (1988-) だったと思います
デビュー当時14才!ちょっと早過ぎの感がありましたが
彼女の現在の活躍振りは、既に説明不要ですね

彼女以降、比較的若い年代の個性派が何人か出ていますが
ここに来て1995年生まれが出て来ました☆
1995年って、私にとっては「つい最近」なんですよね
関西の地震の速報を、代休の朝のニュースで目撃したり
某教祖の逮捕護送の生中継を職場のTVにて見入っていたりと
(たしか、東名高速が交通規制されていたと思う)
何かの区切りになっていた年という印象が非常に強いです

私は当時30才、毎日楽しく流し込んでいたアルコール量が
ガタ落ちした年としても記憶に残っているかな
本当にこの年以降は、あまり飲まなくなったと言っていい
(もちろん、それまでに比較して飲まなくなっただけの意)

さて、ナイーヴが推すだけのことはあるピルサン
もう20才でも、このくらいは弾くのが当たり前の時代なんですね
才能ある者が良い先生に良い指導を受けると
これくらいは軽く行くんだな、と思うくらいウマイ☆
おや?と思うようなアゴーギグもなく、整然と駆け抜ける20分13秒
(5:47/6:14/4:38/3:34)
「若さでチャレンジ」みたいな呑気さはここにはないな☆

この曲に関しては、何とか弾き切るような「よっこらしょ感」
これがついて回るような趣がありましたが
今回のピルサンのパフォーマンスには、その「感」がないんですよ
23分台とかの盤石のテンポを取らずに、それでいて
ここまでストレスフリーの録音が出て来ると
以降にこれを聴楽してから録音する人へのプレッシャーになりますね
それはいいことだと思います

購入したのは新宿のディスクユニオンでした
未開封で一か月近く残っていたので、割安になるタイミングでのGet!☆
それでも元々税込1337円という価格がネックだったのでしょうか
奇跡的にずっと棚に残っていましたねぇ
「俺はこれを購入する運命にあったのだ☆」なんてね…
若い世代の才能が埋もれずに出て来たのが嬉しいですよ~☆

さりげない超絶技巧☆   シューベルト

今のところ、ちょっと前 (80~90年代) にDGを賑わせた奏者を愉しんでいます

gavrilov schubert

シューベルト Franz Schubert (1797-1828)
即興曲集 Impromptus D 899, D 935 (1827)
アンドレイ・ガヴリーロフ Andrei Gavrilov (1955-)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon 435 788-2 (1991)

DGはポリーニとアルゲリッチの周囲に実に多彩に奏者の出入りがあり
最近になって再聴楽の機会がある人も以下の4人もいます

ウゴルスキ Ugorski (1942-)
ガヴリーロフ Gavrilov (1955-)
ポゴレリチ Pogorelich (1958-)
ジルベルシュタイン Zilberstein (1966-)

ポリーニ、アルゲリッチの採らないレパートリを埋めるためじゃない
それにしても豪華な面子が揃っているものです
この他!ツィメルマンやバレンボイムまでいるんですから!
当時のDGは今ではちょっと信じられないピアノ王国ぶりですね

ガヴリーロフは、主レパートリにプロコフィエフが入っていることから
以前から好きだった奏者ですが、ここ何年も不調が続いているようです
あのリヒテルが後継者と考えていたくらいの人ですから
技巧的には若い頃から物凄いものがありました
超絶技巧に隠れがちでしたが
ここぞという箇所でタップリと歌う瞬間も魅力的でしたね
今どうしてるんだろう? HPには演奏会の予定がありますね
キャリアの最盛期のはずだった40代を不本意に終えましたが
私としては、何とかもう一花咲かせて欲しい人でもあります

今回は、超意外と言ったら本人に失礼かも知れないですが
シューベルトの即興曲集です
D899では、猪突猛進が愛嬌として顔を見せていますね。曲によっては
スタッカート気味の奏法が時として違和感スレスレまで行きますが
全体的に独善的なテンポのいじり方はせず
時折絶妙かつわざとらしさのないコブシが出るのが魅力的でしょう
いわゆる速い演奏でもありません。むしろゆっくり目に聴こえるかも…

D899の第2曲、特に右手は圧巻ですね
どこまでも一本の糸がスルスルとしなやかに伸びて行くような
リズム保持の左手の上で自由に遊ぶというのかな
天衣無縫に動き回る右手を
「しょうがないな」と苦笑いして支える左手という趣か☆

シューベルトの曲の録音としては
結構推進力のある演奏かも知れませんね
そこに違和感を感じる聴楽子もいると思いますが
しかし、それでも重苦しさを感じさせない不思議なトーンにより
独自の位置を築いているという風に思えます

21世紀のワンダラーファンタジー   シューベルト

久々のシューベルトネタです!

ChamayouSchubertErato.jpg

シューベルト Franz Schubert (1797-1828)
《さすらい人》幻想曲 ハ長調 Wanderer-Fantasie D760 (1822)
ベルトラン・シャマユ (ピアノ) Bertrand Chamayou (piano, 1981-)
エラート Erato 08256 463707 8 8 (2013)

Naive から出るものと思っていた、シャマユの録音ですが
意外なことにワーナーから、一応体裁は傘下とされるエラートから出ましたね
エラートは最近になって、馴染の緑色のマークをかなぐり捨てて
形状は同じながら、赤やオレンジ (見間違いか?)で出てきたり
今回のシャマユ盤も草色 (薄緑) になっています
エラートの緑の背ジャケは、CDラック上でもある種の佇まいが感じられ
ラックを彩るバランサーとして貴重な存在なんだけど
これからどうなって行くのやら。シャマユは専属になったらしいので
どうか彼のような個性を上手く育ててもらいたいなと思ってます

しかし最近のレーベル再編というのはよくわからないなぁ
あのEMIすら「解消」してしまうくらいですが
ちなみに、ワーナーのHPをざっと見た限りでは
同様に傘下に入ったテルデックのロゴマークが見当たらない
もしかして、これも消えた!?

レーベルが変わりはしたものの、聴楽する音のトーンはナイーヴとは
殆ど変らない感じです。残響を比較的刈り込んだカチっとした空気
ごく僅かに「くすんだ」ような大気の中を
シャマユの鋭い技巧が突き抜けて行く不思議なスタイル☆
低音部に芯が感じられ、打鍵は「渾身の強打」とまでは行かないけど
ヘッドフォンでの聴楽では、結構音の圧力がある方でしょう

1822年の曲にしては、斬新であるということで
シャマユのようなカッチリ系ピアニストには合ってるんじゃないかな
演奏時間 (6:18/6:41/4:59/3:44//21:42)と
予想していたよりは演奏時間は長くなっていますが
当ブログで初期に書いたシフ盤 (ECM) のように
貫録十分に名人芸的な間を伴う余裕の展開といった感じとは対極で
今のところ、これ以上シンプルを追究したパフォーマンスは
ちと難しいのではないか、思ってしまうくらいですよ、すげぇ!

個人的には、旋律はもっと歌うようにして欲しいなとも最初は感じましたが
考えてもみれば、決して潤いがないとは思わないですね
(この側面に関しては一聴では書けず、2度続けて聴楽しました)
演奏自体の精悍な空気にこちらの耳が注意を惹かれているのでしょう
両端楽章の燦々とした音響に耳を奪われがちですが
このことが、また一方の「歌」を意識する機会も与えてくれるのかも知れません

シャマユのような超現代的と感じられるテクニックの持ち主が
リリースする盤を浪漫派で通しているというのが面白いんですよ
このような姿勢の演奏ポリシーは意外に出て来なかったと思うので
今後も注目しておきたいです

豊かな「間」   シューベルト

プロコフィエフに次いで、作曲家別の記事数が二桁になりました

SinopoliSchubertDresden.jpg

シューベルト Franz Schubert 1797-1828
交響曲第7番ロ短調D759《未完成》
Symphony No. 8 in B minor D759 "Unfinished" (1822)
シュターツカペレ・ドレスデン Staatskapelle Dresden
ジュゼッペ・シノーポリ Giuseppe Sinopoli (1946-2001)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon 437 689-2 (1992)

私のこの曲に対する印象は
テンポのゆっくりした音楽だというものでしたが
初聴楽の演奏は、確かジョナサン・ノット指揮盤でした
(バンベルク響。レーベルはテューダー Tudor)
第1楽章16:20、第2楽章11:52ということですが
いろいろと調べてみると、合計28分台は少数派なんですね

最近好んで聴楽しているシノーポリも2度録音していまして
こちらは2回目の方ですが、第1楽章は14:09、第2楽章は10:39と
ノットと較べるとかなり速く、最初はちょっと不安でしたね
「緩やかで穏やかな流れがブチ壊しになるのではないか?」
「個人的にツボの部分だけ早回しされるんじゃないか?」
と、思いはしましたが、そこはシノーポリということで
ここはジュゼッペとドレスデンに賭けてみようという展開です

時間というものは、何に対しても公平なはずですが
確かにノットの印象よりは速いとは思うものの
気になるような感じはしませんね
よく「実際の演奏時間ほど速い感じがしない」とかの表現を
いろいろな聴き比べのブログで目にします

いわゆる「奇を衒った」感じの音楽運びは殆どしていないようです
どこかを特別強調するという訳でもなく
シノーポリとしては淡々と進めている方じゃないでしょうか
あるとすれば、第1楽章第2主題で
伴奏の弦が多少目立つくらいでしょうか
ということで、この主題の2度目の出現の最後の部分
強奏の直前の数秒を絶妙のリタルダンドをしているのが
ことのほか印象に残ります

この箇所の「間」って本当に「いいな」と
クラシック音楽を聴楽する贅沢は、こういう部分なのかも…
よく、先生のいない教室で、みんなが好き勝手に話をしていて
時々、ほぼ同時に全員の会話が切れる時がありますね
あれを思い出すんですよ
日常当たり前と思っている事柄とは繋がっていない
空白の時間が不意に訪れる
音がしていない瞬間にインパクトを受けるというのが
何とも豊かに感じられるんです

あと、聴楽を進めて行って感じたことですが
旋律の出だしとか、全合奏の出だしを微妙にソフトにしているとか
(出がズレているという意味ではありません、念のため)
何もない空間からホワッと現れては消えていくような、でしょうか
そんな感じの演出と思うこともありますね
「楷書的でないメリハリ」とでも言うのでしょうか…

シューベルトの風景

以前、中古店に旅立たせた盤が、少しずつ戻って来ています
今回採り上げるものも、その内の一つなんです
80年代のボックスセットは、中の保護スポンジが癒着することがあり
未開封のものをアマゾンマケプレで購入するのは度胸があり過ぎる…
まぁこのセットは、5枚それぞれのケースが箱にまとめられたもので
その心配もありませんが、ちょっと前に偶然に
中古屋さんにてほぼ未開封のものを見つけてGet!しました
一度は旅立たせたものの、中古店で見かける度にどうも気になる…
どうしてだろうと思い、いろいろ考えを巡らせてみました

原因 (の一つ) は、装丁ですよ
思えば、80年~90年代のDGジャケットには味がありました
今がダメというのとも違うんですがねぇ
CD時代になって、ジャケットの役割は後退したと言われてますが
LP時代の大半を廉価盤で過ごした私としては、全くそうは思いません
盤の中身との関係性を表現するために、面積など問題ではないと感じます

シューベルト Franz Schubert 1797-1828
交響曲全集 8 Symphonies
ヨーロッパ室内管弦楽団 The Chamber Orchestra of Europe
クラウディオ・アバド Claudio Abbado
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon 423 651-2 (5CDs : 1986-1987)


abbadoschubert12.jpg  abbadoschubert34.jpg

初めて見た時から気になる期間が持続していまして
10数年前の時点で、特に関心の強い作曲家ではなかったのに
とうとう購入してしまったというものです

写実と空想を微妙に交えたようなイラストなんですが
見ている内にその中に引きこまれて行く気がするんですね
二次元のイラストでも、空間と音響は表現可能なんでしょうか…
音もどこからか聞こえて来る…、特に何の音というのではない
自然の出す、何かの音が微かに聞こえて来るんです


abbadoschubert56.jpg  abbadoschubert8.jpg

演奏も、特にどの曲を通じても木管の響きが魅力的です
何とも、ジャケットの中の空気を伝って来るような
心地よい風が吹いて来る趣なんですね

音はそれだけで独立したものである、こういう考えは大いに結構
こうしたジャケットと音楽のコラボレーションもまた愉しい


abbadoschubert9.jpg  abbadoschubertCase.jpg
  
スリップケースまでは自然に溶け込まず
クラウディオ・アバド (Claudio Abbado 1933-) の写真というのも
何と言うかどことなく、内容を引き締めている気がします
全てが田園風景に溶け込んで行くのではなく
演奏しているのは、超モダンな機能を持つオーケストラなのだと実感出来る…

まぁジャケットような自然には、日本の都会にいてもなかなか触れられませんが
都心にいても、目を瞑って耳を澄ますと、シューベルト風の散歩は可能ですね


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quietplace

Author:quietplace
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