カラヤン VS シノーポリ   ワーグナー

両者が余裕かつ自信のパフォーマンスを展開していますね☆

KarajanWagnerGold.jpg

ワーグナー Richard Wagner (1813-1883)
歌劇《タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦》から「序曲」、「ヴェヌスベルクの音楽」
"Tannhauser and the Contest of Song on the Wartburg"
Overture (10:51), Venusberg Music (Baccanale) (12:54)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 Berliner Philharmoniker
ヘルベルト・フォン・カラヤン Herbert von Karajan (1908-1989)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon 439 022-2 (1984)
(中古未開封:2013年2月、ディスクユニオン御茶ノ水にて購入)

カラヤン盤は、以前投稿したシノーポリ盤の《マイスタージンガー》前奏曲と同じく
20年以上前に初めて「ワーグナーってなかなかヨイな」と思った印象的な曲です
今回はゴールドシリーズでの復活なんですが、再生機器の進化なのか
当時以上に鮮烈な聴楽体験となり、大満足なんですね

今もワーグナーの楽劇は全くの未聴楽ですから、以前は尚更でして
交響曲でない管弦楽曲としては長尺の約25分、はっきり言って
「大丈夫か?つまらなかったら悲惨だよなぁ」とは思うものの
気持ちのどこかで「ヘルベルト翁であれば、かならず楽しませてくれる☆」
という期待が裏切られることはありませんでした。正直なところ
もしカラヤン盤がなければ、ワーグナーは今も未聴楽の謎の作曲家でしたね


SinopoliWagnerLienzi.jpg

Overture (14:02), Venusberg Music (Baccanale) (12:38)
ドレスデン国立歌劇場管弦楽団 Staatskapelle Dresden
ジュゼッペ・シノーポリ Giuseppe Sinopoli (1946-2001)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon (1995)
(新品:2013年3月、Amazon.co.jpにて購入)

カラヤンは、ベルリンの弦の「音圧」 (という言葉があればの話ですが)に
とにかく圧倒されまくる感じになります
リズム感とパッセージの区切りが非常に明白で
(フレーズ毎に「ギュッ、ギュッ」と締めて行くような)
「熱い楷書風」の展開にこちらの身体もヒートアップ☆

対してシノーポリは、序曲の有名なテーマでの金管群が
何と表現したらよいのか「超朗々」とした吹奏で
非常に脳髄を揺さぶれるような快感を得られます

カラヤンがドシドシと推進させて
「冷静なるやけくそ」的な突進力でこちらを圧倒させるように聴かせ
まるで指揮者が「お前ら俺について来れるもんなら来てみろや」
対する管弦楽は「御大、来やがったな~」という感じで応酬する
そんな闘いを想わせる凄絶な演奏になっている気がします
目の前に熱が凝集すると言えばいいのかな

シノーポリは、闘っているという感じとはまた別でしょうね
「思い切り歌ってみてよ☆」というか、熱さはまた別の「大らかさ」でもって
視界が非常に幅広く開けているように聴こえる
録音方針の違いもあるのでしょうが
非常にすっきりした全合奏を展開していると思います
パッセージの区切り方は、カラヤンよりも流線型と感じる

いやはや、両者ともに素晴らしいパフォーマンスですよ
しかし、この序曲の後半と、バッカナールの前半の盛り上がりって凄いですね
序曲が終わり、幕が開いて最初の場面での「つかみ」は
もう迫力満点で、リハーサルでも途中で止めるなんて出来なさそうですよ
実際、楽劇を映像で見たくなって来ているくらいです

シノーポリ初購入盤   ワーグナー

1989年頃の彼の日本国内での盤評価は、何か微妙というか
レビューしている人の耳を混乱させていた印象がありますが
私としては、彼のスタイルは大歓迎だったと記憶しています


SinopoliWagnerMeister.jpg

ワーグナー Richard Wagner (1813-1883)
ニュルンベルクのマイスタージンガー 第1幕への前奏曲
"The Mastersingers of Nuremberg", Prelude to Act I
ニューヨーク・フィルハーモニック New York Philharmonic
ジュゼッペ・シノーポリ Giuseppe Sinopoli (1946-2001)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon 419 169-2 (1985)
(中古:2012年11月、ディスクユニオン神保町にて購入)

この盤は、おそらく私が初めて所持したシノーポリのCDだと思います
1989年、社会人1年目の私は、休日前夜の仕事の後
CD店に寄って適当に1枚購入して帰るのが大きな楽しみでした
当時は輸入CDでも1枚2300円前後でしたから
1枚を大事に次の週末前夜にまた出かけるまでは
結構聴き入っていた記憶があります
1枚のCDをじっくりと聴楽していた最後の頃でしょうか(苦笑)

それまで私はワーグナーには全く無縁だったのですが
職場で偶然耳にした今回の曲の豪壮な気分にインパクトを受けました
私の本格的な聴楽遍歴は近現代の作曲家から始まりましたから
大管弦楽がドドーンと豊穣に鳴らす音楽の洗礼を受けたというところかな

職場で耳にした演奏の詳細までは気がいかなかったのですが
この悠然とした進行を考えると、ゆっくりテンポの演奏がいいかもと
(この曲は、意外とテンポの速い演奏が少なくない)
いろいろな雑誌などで、演奏時間と、録音年代の新しいものということで
白羽の矢が立ったのがこの演奏だったと思います

まぁもっとも、私は未だにワーグナーの楽劇は未聴楽です
これから先も、聴楽機会を作るかどうかはちと微妙なんですが
でも、この前奏曲の音楽の奔流に対しては
初めて耳にした時から、何か特別な感覚が持続していますねぇ

当時は、一緒に収録されているジークフリート牧歌 Siegfried-Idyll
これは理解できなかったのですが
今回は、耳の肥え方も聴体験も一応積んでいますので
何か起こればと思っています

今回、実に23年振りの中古としての復活ですが
やはり、嬉しくなってしまうんですよ
1985年10月の録音ということは、シノーポリはまだ39才
じっくりと、巨大な演奏を進行させていますが
この「迷いなく鳴らす」姿勢というか雰囲気
これが彼が今も人気のある秘密の一つじゃないですかね

美しいか?流麗か?繊細か?重厚か?
そのどれでもなく、どれでもある。何と不可思議なことでしょうか☆
音はシンプルに堂々と鳴っているけれども
それでも、一つの言葉で表現可能な簡潔さではないのだろうなぁ…
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