先輩大作曲家が透けて見える☆  ベートーヴェン

前回は「田園」ネタだったので、今回はその一つ前の作品で☆

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ベートーヴェン Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第5番ハ短調 作品67《運命》 Symphony No.5 in C minor Op.67 “Fate”
ネザーランド交響楽団 The Netherlands Symphony Orchestra
ヤン・ヴィレム・ド・フリエンド (指揮) Jan Willem de Vriend (1962-)
チャレンジ・クラシクス Challenge Classics CC72550 (6SACDs)

勿論、このCDセットに“Fate”なんてどこにも書いてありませんでしたが
公文書じゃあるまいし、こういう風にしといた方が面白いかなと☆
(アーノンクールの全集には書いてあった)
音友社の名曲解説全集には「運命」の有名な逸話がありますね
He told that fate knocked the door as follows. BangBangBangBaaaaaaaang. (適当)
さすがに最近は言わなくなったか

「ならばテンペストを読め」の《テンペスト》の話はどうなのか?
最近はどうしてこの種の話が聴かれないのか
こういう話を集めた本があると面白いんだが…☆

最近は、ピリオド系のベートーヴェンに慣れて来たこともありますが
今回の演奏がとりわけ速いとは感じないですね
(6:36/8:29/4:46/10:01//29:52)
しかし、聴楽して気づかされることといえば
やはりベートーヴェンの生きた時代は
ブラームスやマーラーの時代とは全くかけ離れた
ハイドンやモーツァルトに繋がる頃だったということです

聴いていて、瞬間的には「モーツァルトの曲か?」と思いそうになることもある
弾いているのは紛れもなくベートーヴェンなのに
弾き方を工夫することで彼の曲は
ハイドンやモーツァルトが透けて見えるようになっている
不思議だ…☆

演奏はとにかく機動性を第1にした感じか
スケール云々よりも、きびきびした響きを前面に押し出しています
第2楽章なんかでは「あ、ここでティンパニは叩いてんのか」とか発見も多いです☆

むしろ、こっちの方が「田園」かと☆  ベートーヴェン

指揮のネルソンスは、とても短かった駆け出し時代みたいな感じかな
ここまで有名になるとは驚きです

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ベートーヴェン Ludwig van Beethoven (1770-1827)
ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品61 Violin Concerto in D major Op.61
アラベラ・シュタインバッハー (ヴァイオリン) Arabella Steinbacher (1981-)
ケルンWDR交響楽団 WDR Sinfonieorchester Köln
アンドリス・ネルソンス (指揮) Andris Nelsons (1978-)

アラベラさんの演奏様式は、20代の頃に既に完成していたようです
とにかく美音でたっぷりと聴かせてくれるのは、ここでも万全
(かと言って濃厚というのとは違う)
演奏時間も(26:32/10:17/10:59//47:48)と
Anne-Sophie Mutterの演奏に近くなっています

一時、ムターの後継者とされていたようです
(ムターから弓を貰っていたと思う)
幾分遅めのテンポでの演奏は似ていますが、それくらいですかね

この演奏を聴楽すると
「田園」が、こっちの曲の方にふさわしい表題に思えてくる
聴楽頻度でいうと、私は協奏曲の方が圧倒的に多いのですが
交響曲の各楽章についている表題が
むしろ協奏曲の気分を表しているように感じられます

どこまでも長閑な(こっちは嵐もない)田園風景の中
アラベラさんの変にテンポをいじらない音がひたすら流れる☆

激しい部分のある曲ならば、それなりに心の準備をしますが
この曲は、曲頭からそんなことは不要
ふわっとした弦の音がたなびくままに
気持ちよく聴楽が進みますから
とても48分近くかかる演奏時間には思えないのです

カデンツァはクライスラー作曲
近年は、この人のカデンツァをあまり聴かない気がしますが
改めて聴くと、上手く作ったなぁと思います

あ、書いていてふと気づいたのですが
彼女の演奏は、極端な解釈はしていませんが
曲全体が、カデンツァみたいというか
堅苦しい感じのところがないのですね☆

ラン・ラン氏が淡々と弾く☆   ベートーヴェン

ラン・ランとユンディって年齢同じなんだ☆

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ベートーヴェン Ludwig van Beethoven (1770-1827)
ピアノ協奏曲第4番ト長調 作品58 Concerto for Piano and Orchestra in G major Op.58
ラン・ラン (ピアノ) Lang Lang (1982-)
パリ管弦楽団 Orchestre de Paris
クリストフ・エッシェンバッハ (指揮) Christoph Eschenbach (1940-)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon B0008725-02 (2007)

近頃DGと再び契約したラン・ラン氏の第1期DG時代の録音です
今年に入って彼とキーシン氏がDGと再契約しました
スゲェな、キーシン、ユンディ、ランランとは!それにユジャもいる☆
上手くバランス取って良い録音をして欲しいなと思います

アートワーク方面にも積極的な頃のラン・ランということで
CDジャケットも表裏共に載せておきます
彼の場合面白いのは「やらされている感」がないこと
ポーズなんかも結構積極的にネタ出しをしていたと思うんだけども☆
でもって装丁を眺めつつ、中身も何か奇抜なことを仕掛けて来るのか?
いやいや、肝心の演奏はなかなかに端正
特にジャケットのヘアスタイルとは隔絶しているかな☆

計画的に大きな山場を展開して
聴楽子をノックアウトせしめんとする趣は全くと言っていいくらい「ない」
所々瞬間的に、素晴らしく躍動するメカニックがあるとはいえ
それが前面に出ることもない
局所的なテンポの動きも、パリ管がまた上手く合わせる
(ということはエッシェンバッハが凄腕という)

ラン・ランは今までまともな聴楽機会がなかったのですが
録音時25才くらいだったくせに、この淡々とした感じはなんなのか!?
ピアノの方から管弦楽を煽るようなこともしていないし、その逆もない
こういう長閑な空気を一貫して持続するのはなかなか難しいんじゃないのかなぁ
(曲全体に一貫したリズム感とかは天性のものだろうな)

?と思って2晩続けて聴楽してみましたが、この「中庸」が何とも気持ち良い
若いうちからこんな面白演奏 (思わずのけぞるようなという意味ではない)を
粛々と進めてしまうなんて!
聴楽し終わってジワジワと効果が出てくるような趣なんですが
これは面白いやつが出てきたぞ、と期待したくなるのでした☆

「弦楽《三》重奏曲」   ベートーヴェン

ベートーヴェンのこのジャンルの盤を見かけると、思わずチェックしてしまいます☆

BeethovenStStrioAudite.jpg

ベートーヴェン Ludwig Van Beethoven (1770-1827)
弦楽三重奏曲 変ホ長調作品3  String Trio in E flat major Op.3
セレナード ニ長調作品8  Serenade in D major Op.8
弦楽三重奏曲 ト長調作品9の1 String Trio in G major Op.9/1
弦楽三重奏曲 ニ長調作品9の2 String Trio in D major Op.9/2
弦楽三重奏曲 ハ短調作品9の3 String Trio in C minor Op.9/3
ジャック・ティボー弦楽三重奏団 Jacques Thibaud String Trio
アウディーテ Audite 23.430 (2015)

私は何故かこれら曲が好きなんですね
ベートーヴェンのマイナー曲であること
彼にマイナー曲なんてあるのか?という点でまずインパクトを与えられ
弦楽四重奏曲があまりに有名なところに来て
弦楽三重奏曲なんてあるのか!?という驚き
この「四」から「三」というのが私にとっては衝撃的ですらあったわけです☆

大体、紋切り型の記述で「Vn一丁による表現に限界あり」とか書かれて
立場の弱い弦楽三重奏曲ですが
スッキリしていて「そこがいいんじゃな~い?」とか思うんですよ
まぁ四重奏の方が表現の綾はあるのが当たり前
三重奏の簡潔さに私は気づいてしまいましたとさ☆
「カラッ」とした独特の味というのかなぁ…

ベートーヴェンは、初期作品とはいえ
やっぱこのジャンルにも魅力的なものを残しましたね
四重奏が「深刻な対話」な感じに比して
三重奏は「(取りとめのない)雑談」なのが、イイ!

昨日日曜日に、イマイチ感が漂う曇天+豪雨の中
サクッとした明るさを届けてくれましたね
こういう曲と読書というのは合ってるなぁ☆

ジャック・ティボー三重奏団の演奏は、軽快そのもの
テンポはやや速めに取りつつ、細部もおろそかにならないような
「秘めた鋭さ」というのを感じます☆

楽譜って面白いや☆   ベートーヴェン

ベートーヴェンのピアノソナタの中では、とにかくイチオシ☆
30番31番32番ももちろんいい曲ですが
やっぱりこの第21番に戻って来てしまいます。(あと《熱情》もね☆)

個人的に過去に自分で演奏可能「だった」のは
習っていた第20番のみです。ハハハ


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ベートーヴェン Ludwig Van Beethoven (1770-1827)
ピアノソナタ第21番ハ長調 作品53 《ワルトシュタイン》
Piano Sonata No.21 in C major Op.53 'Waldstein' (1804)
ジャン-エフラム・バウゼ Jean-Efflam Bavouzet (1962-)
シャンドス Chandos CHAN 10798 (3) (2013)

購入及び聴楽予定が全くなかった盤なんですが
(進行中のピアノソナタ全曲録音シリーズのPart2)
先日、某タワーレコード店舗ののクリアランスセールに入ってまして
通常価格5173円だそうですが、税込790円にて購入しました
?と思ったのは、通常価格で売られている棚に同じ商品があったことかな

もしかしたら、同じ商品でも仕入れた時期によってクリアランス対象に
なったりならなかったりするのか…、ちょっと考えにくいですけどね
客としてはラッキーだが、単なる間違いということもある
(すみませんが、こちらの間違いでして…、なんて萎えるなぁ)
シャンドスは大幅なバジェットセールを滅多にしないので嬉しいっす☆
ボサッとしてないで注意して棚を眺めている人へのご褒美かも!?

この曲の演奏のポイントは、やはり第1楽章提示部でしょう
第2主題の末尾から急速な展開となり16分音部の高速パッセージが切れ
「シシ♯ソミミミシソ-シシ♯ソミミミシソ」の箇所ですが
ここは、かなりの名手でも、ちゃんと再現出来ていませんね
この箇所だけがインテンポ保持を失敗している録音が多い

ここを速めのインテンポで駆け抜ける録音を初めて聴いたのは
ポリーニの97年録音 (DG)でしたね。今回改めて楽譜を見ると、彼でさえ
当該箇所のスタッカートとsfは再現しているとは言えないかな
(もうポリーニ流の「爆走」というか「芸」ですな)
流れとか雰囲気としては最高ですね。他の殆どの演奏が吹っ飛ぶ

バウゼは彼なりのやり方でここを見事にクリアしていますが
楽譜を見ると、彼の方が楽譜を正確に再現していると思います
特に最初のシとミにあるsf (その音を特に強く)がよく聴き取れる
最初はポリーニの印象から「おぉバウゼ流☆」とか思ったのですが
何とこれこそが楽譜通りの再現なのですね
sfとスタッカートきっちり遵守すれば、名手と言われる奏者なら
ここは速度を落とさなくてもバンバン行けると思うのですが
そんな演奏には、なぜか殆ど遭遇したことがありません
いやぁ楽譜って面白いわ☆

録音の残響は控えめですが、ドライな感じかといえば、そうでもない
時折のアクセントとしての低音の打鍵が心地よく感じますし
第3楽章冒頭の超自然的なハーモニーも新鮮そのもの☆
力まかせにも、乾いた方にも、いずれの方向にも偏しない
バウゼのいいところが出ているなぁ☆
楽譜に忠実な演奏には頻繁に「面白みのない演奏」のフレーズがつきますが
ここまで自身を信じた演奏に徹せられると
そんな言い回しが低劣なやっかみのように思われて来ます
わずかに離鍵とペダリングの連携に時差を感じる瞬間がありますが
おそらく、セッションにおいて最高の効果を伴う演奏を採用したんでしょう

ポリーニの97年盤以降、その先を行くような録音が出ていませんでしたが
遂に出てきた快心の新世代録音と言えるかも知れません
お値段自体が元々高価なせいか、レビューはなかなか見つけられませんで
ホント、こういう時は資金を投入して自分で感想を考えてみないといけません
(今までもこれからも幾度となく失敗するんだろうなぁ…)
しかし、これだったら通常価格で買っても文句はないですね
(Part1が欲しくてたまらなくなって来た☆)
プロフィール

quietplace

Author:quietplace
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