ラン・ラン氏が淡々と弾く☆   ベートーヴェン

ラン・ランとユンディって年齢同じなんだ☆

LangLangDGB000872502.jpg

LangLangDGB000872502back.jpg

ベートーヴェン Ludwig van Beethoven (1770-1827)
ピアノ協奏曲第4番ト長調 作品58 Concerto for Piano and Orchestra in G major Op.58
ラン・ラン (ピアノ) Lang Lang (1982-)
パリ管弦楽団 Orchestre de Paris
クリストフ・エッシェンバッハ (指揮) Christoph Eschenbach (1940-)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon B0008725-02 (2007)

近頃DGと再び契約したラン・ラン氏の第1期DG時代の録音です
今年に入って彼とキーシン氏がDGと再契約しました
スゲェな、キーシン、ユンディ、ランランとは!それにユジャもいる☆
上手くバランス取って良い録音をして欲しいなと思います

アートワーク方面にも積極的な頃のラン・ランということで
CDジャケットも表裏共に載せておきます
彼の場合面白いのは「やらされている感」がないこと
ポーズなんかも結構積極的にネタ出しをしていたと思うんだけども☆
でもって装丁を眺めつつ、中身も何か奇抜なことを仕掛けて来るのか?
いやいや、肝心の演奏はなかなかに端正
特にジャケットのヘアスタイルとは隔絶しているかな☆

計画的に大きな山場を展開して
聴楽子をノックアウトせしめんとする趣は全くと言っていいくらい「ない」
所々瞬間的に、素晴らしく躍動するメカニックがあるとはいえ
それが前面に出ることもない
局所的なテンポの動きも、パリ管がまた上手く合わせる
(ということはエッシェンバッハが凄腕という)

ラン・ランは今までまともな聴楽機会がなかったのですが
録音時25才くらいだったくせに、この淡々とした感じはなんなのか!?
ピアノの方から管弦楽を煽るようなこともしていないし、その逆もない
こういう長閑な空気を一貫して持続するのはなかなか難しいんじゃないのかなぁ
(曲全体に一貫したリズム感とかは天性のものだろうな)

?と思って2晩続けて聴楽してみましたが、この「中庸」が何とも気持ち良い
若いうちからこんな面白演奏 (思わずのけぞるようなという意味ではない)を
粛々と進めてしまうなんて!
聴楽し終わってジワジワと効果が出てくるような趣なんですが
これは面白いやつが出てきたぞ、と期待したくなるのでした☆

「弦楽《三》重奏曲」   ベートーヴェン

ベートーヴェンのこのジャンルの盤を見かけると、思わずチェックしてしまいます☆

BeethovenStStrioAudite.jpg

ベートーヴェン Ludwig Van Beethoven (1770-1827)
弦楽三重奏曲 変ホ長調作品3  String Trio in E flat major Op.3
セレナード ニ長調作品8  Serenade in D major Op.8
弦楽三重奏曲 ト長調作品9の1 String Trio in G major Op.9/1
弦楽三重奏曲 ニ長調作品9の2 String Trio in D major Op.9/2
弦楽三重奏曲 ハ短調作品9の3 String Trio in C minor Op.9/3
ジャック・ティボー弦楽三重奏団 Jacques Thibaud String Trio
アウディーテ Audite 23.430 (2015)

私は何故かこれら曲が好きなんですね
ベートーヴェンのマイナー曲であること
彼にマイナー曲なんてあるのか?という点でまずインパクトを与えられ
弦楽四重奏曲があまりに有名なところに来て
弦楽三重奏曲なんてあるのか!?という驚き
この「四」から「三」というのが私にとっては衝撃的ですらあったわけです☆

大体、紋切り型の記述で「Vn一丁による表現に限界あり」とか書かれて
立場の弱い弦楽三重奏曲ですが
スッキリしていて「そこがいいんじゃな~い?」とか思うんですよ
まぁ四重奏の方が表現の綾はあるのが当たり前
三重奏の簡潔さに私は気づいてしまいましたとさ☆
「カラッ」とした独特の味というのかなぁ…

ベートーヴェンは、初期作品とはいえ
やっぱこのジャンルにも魅力的なものを残しましたね
四重奏が「深刻な対話」な感じに比して
三重奏は「(取りとめのない)雑談」なのが、イイ!

昨日日曜日に、イマイチ感が漂う曇天+豪雨の中
サクッとした明るさを届けてくれましたね
こういう曲と読書というのは合ってるなぁ☆

ジャック・ティボー三重奏団の演奏は、軽快そのもの
テンポはやや速めに取りつつ、細部もおろそかにならないような
「秘めた鋭さ」というのを感じます☆

楽譜って面白いや☆   ベートーヴェン

ベートーヴェンのピアノソナタの中では、とにかくイチオシ☆
30番31番32番ももちろんいい曲ですが
やっぱりこの第21番に戻って来てしまいます。(あと《熱情》もね☆)

個人的に過去に自分で演奏可能「だった」のは
習っていた第20番のみです。ハハハ


BavouzetBeethoven2.jpg

ベートーヴェン Ludwig Van Beethoven (1770-1827)
ピアノソナタ第21番ハ長調 作品53 《ワルトシュタイン》
Piano Sonata No.21 in C major Op.53 'Waldstein' (1804)
ジャン-エフラム・バウゼ Jean-Efflam Bavouzet (1962-)
シャンドス Chandos CHAN 10798 (3) (2013)

購入及び聴楽予定が全くなかった盤なんですが
(進行中のピアノソナタ全曲録音シリーズのPart2)
先日、某タワーレコード店舗ののクリアランスセールに入ってまして
通常価格5173円だそうですが、税込790円にて購入しました
?と思ったのは、通常価格で売られている棚に同じ商品があったことかな

もしかしたら、同じ商品でも仕入れた時期によってクリアランス対象に
なったりならなかったりするのか…、ちょっと考えにくいですけどね
客としてはラッキーだが、単なる間違いということもある
(すみませんが、こちらの間違いでして…、なんて萎えるなぁ)
シャンドスは大幅なバジェットセールを滅多にしないので嬉しいっす☆
ボサッとしてないで注意して棚を眺めている人へのご褒美かも!?

この曲の演奏のポイントは、やはり第1楽章提示部でしょう
第2主題の末尾から急速な展開となり16分音部の高速パッセージが切れ
「シシ♯ソミミミシソ-シシ♯ソミミミシソ」の箇所ですが
ここは、かなりの名手でも、ちゃんと再現出来ていませんね
この箇所だけがインテンポ保持を失敗している録音が多い

ここを速めのインテンポで駆け抜ける録音を初めて聴いたのは
ポリーニの97年録音 (DG)でしたね。今回改めて楽譜を見ると、彼でさえ
当該箇所のスタッカートとsfは再現しているとは言えないかな
(もうポリーニ流の「爆走」というか「芸」ですな)
流れとか雰囲気としては最高ですね。他の殆どの演奏が吹っ飛ぶ

バウゼは彼なりのやり方でここを見事にクリアしていますが
楽譜を見ると、彼の方が楽譜を正確に再現していると思います
特に最初のシとミにあるsf (その音を特に強く)がよく聴き取れる
最初はポリーニの印象から「おぉバウゼ流☆」とか思ったのですが
何とこれこそが楽譜通りの再現なのですね
sfとスタッカートきっちり遵守すれば、名手と言われる奏者なら
ここは速度を落とさなくてもバンバン行けると思うのですが
そんな演奏には、なぜか殆ど遭遇したことがありません
いやぁ楽譜って面白いわ☆

録音の残響は控えめですが、ドライな感じかといえば、そうでもない
時折のアクセントとしての低音の打鍵が心地よく感じますし
第3楽章冒頭の超自然的なハーモニーも新鮮そのもの☆
力まかせにも、乾いた方にも、いずれの方向にも偏しない
バウゼのいいところが出ているなぁ☆
楽譜に忠実な演奏には頻繁に「面白みのない演奏」のフレーズがつきますが
ここまで自身を信じた演奏に徹せられると
そんな言い回しが低劣なやっかみのように思われて来ます
わずかに離鍵とペダリングの連携に時差を感じる瞬間がありますが
おそらく、セッションにおいて最高の効果を伴う演奏を採用したんでしょう

ポリーニの97年盤以降、その先を行くような録音が出ていませんでしたが
遂に出てきた快心の新世代録音と言えるかも知れません
お値段自体が元々高価なせいか、レビューはなかなか見つけられませんで
ホント、こういう時は資金を投入して自分で感想を考えてみないといけません
(今までもこれからも幾度となく失敗するんだろうなぁ…)
しかし、これだったら通常価格で買っても文句はないですね
(Part1が欲しくてたまらなくなって来た☆)

瞬間的な「ふくよかさ」を聴楽する   べートーヴェン

購入後一か月、忙しさも一段落してやっと聴楽出来ました☆

BruggenBeethovenComp.jpg

ベートーヴェン Ludwig van Beethoven (1770-1827)
交響曲第5番 ハ短調 作品67 Symphony No. 5 in C minor Op. 67
18世紀オーケストラ Orchestra of the Eighteenth Century
フランス・ブリュッヘン Frans Bruggen (1934-)
グロッサ Glossa GCDSA 921116 (2011)

CD選びというのはわからないものですな
なぜか、ジャケットの落ち着いた佇まいを見かけて
欲しくて堪らなくなった盤です
ステージ上で照明の下の楽譜に見入るブリュッヘン
演奏前の静かな、しかし微かな緊張も感じられるような…

しかし、古楽器オケの音の伸ばし方は、本当に独特ですねぇ
普段から近現代管弦楽の煌めきに慣れた耳には
実に新鮮に聴覚を揺さぶってくれます
第1楽章冒頭の超有名箇所は
フレーズの尻尾がどこまでも真っ直ぐに伸びて行く
この「真っ直ぐさ」によるインパクトが
全曲に渡って持続するかのようです

古楽によくある、畳み掛けるテンポの進行は、ありません
むしろ、モダン楽器オケの録音と同じか
もしかしたら、少しゆっくりしているような印象もあります
しかし、音はバラバラに散らず、「熱さ」とはまた異なる
「温かさ」(「暖かさ」とは敢えて書かない方が良い気がする)があるのかも

時代楽器では、ベートーヴェンのフレーズって
演奏困難の側面もあるのでしょうか
モダンではくっきり輝かしく決まる箇所が
多少大人しい感じになることもあるのですが
だからと言ってそれが負の方向性を持つこともないですね

第2楽章の出だしの弦がまたいいんですよ
購入を決心したのは、ジャケットのみではなく
私はネットでこの箇所を試聴したというのもあります
第1楽章の闇の中の戦いを通り抜け
ひとまず落ち着く瞬間の「ふくよか」な趣☆

重厚とも、軽やかとも違う、何なんでしょうねこの感覚は!
こういう演奏の仕方があるというのを知ることの楽しさよ!って感じなんです☆

真冬の夜に「長閑」を聴楽する   べートーヴェン

寒さの続く東京の我が庵に、一瞬春の陽気が訪れたような時間となりました

SinopoliBeethovenMintz.jpg

ベートーヴェン Ludwig van Beethoven (1770-1827)
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61
Concerto for Violin and Orchestra in D major op. 61 (1806)
シュロモ・ミンツ (ヴァイオリン) Shlomo Mintz (violin, 1957-)
フィルハーモニア管弦楽団 Philharmonia Orchestra
ジュゼッペ・シノーポリ Giuseppe Sinopoli (1946-2001)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon 423 064-2 (1986)

シノーポリとベートーヴェンは、意外な組み合わせに思えますが
レアという訳でもなく、DGには確認出来るだけで他に2枚の録音があります
交響曲第9番 (453 423-2)、ピアノ協奏曲第1番、第2番 (415 682-2)
ピアノ協奏曲の独奏はアルゲリッチ (Martha Argerich 1941-) で
当時のDGとしては、超有名奏者と個性派指揮者という企画だったんでしょう
この盤のみの共演になってしまいましたが
ミンツとの録音も今回の盤が唯一だったのかな?
たぶん相性の問題なんでしょう

ミンツの「DG入り」は、1980年代前半から中盤にかけては
レコ芸誌なんかでは、もう凄い鳴物入り振りだったと記憶していますが
彼はそんなことを気にすることもなく
あっさりと自分の信じるところに進んで行ったような気がします

選曲は、超有名曲を含むとしても、今思うと個性的と言えなくもない
(彼のCDは、中古店で1000円以上と今もそこそこの値段です)
ある意味CD時代の黄昏を予期していたという気もしますが
活動は今も非常に活発のようです
CDのリリースが少ないと、「一体どこにいるのやら?」というのも
また変な話ですよねぇ、う~む

今回のベートーヴェンは、企画構成シノーポリなんでしょうが
テンポ的にじっくりと弾く感じのあるミンツとしては
(彼は他の録音もゆったりとしている印象がある)
全く水と油、という感じではないと思いますね
ヴァイオリンの音に関していうと
久しぶりに聴楽した独特な音色という感じがします、それもハッとするくらいの

弓が弦に当たる力が強めというか、非常に明瞭な太い感じの音です
これを聴くと、最近の奏者の音がスリムに聴こえるのが不思議だなぁ
後に、シノーポリと3枚の録音を残したシャハム (Gil Shaham 1971-)の音は
今回のミンツと、現在の奏者の録音との中間くらいの印象です

ですから、シノーポリの盤石のテンポに乗ったミンツのヴァイオリンは
(各楽章は、25:42/10:29/10:37、と速過ぎず遅すぎずです)
乱暴さとは無縁の、しかしよく聴こえるもので
実に気分の良い、程良い暖かさを感じられますね
実際、2晩続けて聴楽してから、この記事を書いています

終始ゆったりとした空気を構成して進んでいた音楽は
第3楽章のカデンツァ (クライスラー) で少し変化します
当たり前なんですが、ここだけがベートーヴェンの音楽とは時代が違う
そんな風に聴こえるのが新鮮なんですね
素材は勿論ベートーヴェンですが、滑らかに微妙な表情を作るハーモニー
いやぁこれは実に素晴らしい作曲ですよ
クライスラーへの関心も出て来ました
プロフィール

quietplace

Author:quietplace
聴楽記へようこそ!
関心事を書きちらしています。

FC2カウンター
ブログランキング
以下のランキングに参加中です

にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
日本ブログ村 PVランキング
よくわかりませんが、取り敢えず装着してみました。
最新記事
カテゴリ
最新コメント
ブロとも

染のブログ
月別アーカイブ
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSリンクの表示
QRコード
QR