馴染みの楽器   テレマン

この曲の新しい録音が出てきたのは、嬉しい限り☆

OberlingerTelemann.jpg

テレマン Georg Philipp Telemann (1681-1767)
12の幻想曲 12 Fantasias TWV 40 2-13 (1732-33)
ドロテー・オベルリンガー (1969-, リコーダー) Dorothee Oberlinger (Recorder)
ドイツ・ハルモニア・ムンディ Deutsche Harmonia Mundi 88765445162 (2012)
(新品:2013年6月、タワーレコード秋葉原にて購入)

元々は横笛フルート (フラウト・トラヴェルソ) のための作品だそうですが
当時はどんな楽器を使用していたかは、記録に頼ることしか出来ませんしね
オーボーで演奏することもあるそうで
器楽奏者を惹き付ける何かがあるのでしょう

しかし、リコーダーでもアルペジオのようなパッセージって可能なんですね
全体的にフルートと比較した時のハンディキャップを全く感じません
沈静した空気と言うのかな
オルガンの慎ましやかな音に近いものも意識させられます

適度な寂寥感、しかし、なぜか安堵感も同時に来る

CDのブックレットには、収録風景の写真が載っていますが
唯一の奏者と、スタジオの拡がりの差が不思議に思えます
奏者の周囲に立てられたマイク、高い天井
それでも、僅か1本のリコーダーの音が
非常に薄い繊維のように、スタジオに行き渡る
飾り気のないスタジオが、何やら豪華にも感じられて来ます

そう言えば、この楽器は自分も小中学生の時には学校で吹かされていました
確か中学の時にアルトリコーダーを授業で使ったと思いますが
それまでのソプラノリコーダーに慣れた手には
特に低い音での指の扱いが難しかったと記憶しています

そんな馴染み深い楽器を、名手が自在に操っている
す、凄いと思いつつ、親しみも感じるわけです

暖かな孤独   テレマン

バロック期でバッハ以外に誰を思い浮かべるのか…
最近は、大体この人で決まりになって来ました


TelemannFluteSolo.jpg

ゲオルク・フィリップ・テレマン Georg Philipp Telemann 1681-1767
無伴奏フルートのための12の幻想曲 Twelve Fantasias for Transverse Flute Solo
コンラート・ヒュンテラー Konrad Hunteler (フルート)
MDG 311 0486-2 (1992)

J.S.バッハより4年先に生まれ
晩年にはモーツアルトがティーンエイジャーであり
ベートーヴェンの生まれる寸前でもありました
当時としても、結構長寿の人ですよね
音楽史的にもバロックや古典派への転換期を生きていた
非常に興味深い人でもあります


Telemann.jpg

う~ん、肖像画もいい感じがします
あまり怖そうじゃないし、何となくですが
好きなものに打ち込んで来た自分に自信があるような
いい表情だと思いますよ

この人を採り上げるのは2度目で、前回が無伴奏ヴァイオリン
今回は、無伴奏のフルートです
計12曲の演奏時間は、57分09秒
笛一本で、1時間も持つんだろうか…?
聴楽前の正直な気持ちでしたね
でも、何度か聴楽していると、ジワジワと来るんですよ

ドビュッシーのシリンクスのような感じとは違うかな
でも、大気の中に漂う、その佇まいがどこか繋がっているような…
個人的には、各曲取り出してではなく
全曲を一つの時間として聴楽することに楽しみを見出しています

吹奏する音は空間に吸い込まれて消えて行くわけです
最初の数曲のうちは、一本の笛が鳴っていることに対する
何とはなしの「ちょっとした孤独感」を感じるのですが
その「孤独感」が何とも「いい感じ」になって来るんですよ
鳴っている楽器は1本、演奏しているのは1人、でもどこか暖かい

鋭角的な旋律線ではなく、どこか丸みを帯びた曲想も影響していますね
バロック期の楽器は、きつい旋律線とは親和的でなかったこともあるかな

最後のト短調の曲は、やや疾走するような速度で終わります
拍手をしたいところですが、実際に手を打って音を出したくない気がします
心の中で静かに拍手したくなるというのでしょうか

「かつら」をかぶりたくなる音楽   テレマン

穏やかなおしゃべりの続く75分間

PodgerTelemann.jpg

Telemann (1681-1767)
Twelve Fantasies for Solo Violin (1735)
Rachel Podger (baroque violin)
Channel Classics CCS 18298 (2001)

Classical Music と一口に言っても、本当に範囲が広大です
自分が詳しいと言っても、本当にちっぽけな領域になるんです
聴楽記の文章を書く時にも、Wikipediaは、よく見に行きます
音楽を聴楽した感想は、下手すると何を聴いても
「よかった」と僅か4文字で表現できてしまいます、そこを膨らませて
後で自分が読んでも愉しくなるように、軽く調べます

特に楽器演奏や音響には詳しくはありませんから
そっちの方でよく目にする言葉を使う自信がありません
ネットで作曲家や楽曲のことを調べると
意外なことがわかったりして楽しいですね

Georg Philipp Telemann (ゲオルク・フィリップ・テレマン) についても
(この人の生涯の中にJ.S.Bachのそれがすっぽり入る)
存命当時は商才があり、J.S.Bachよりメジャーだったとか
私生活が「逆火宅」だったとか
出版楽譜の予約者の中にJ.S.Bachもいたとか
同時代の作曲家どうしの関係って、なかなか興味深いですよね

私が初めて聴楽したTelemannは、同じ12の幻想曲でも
フルートのために書かれた方でした
空間の中にたった1本のフルート。なのに何と豊かな気分がするのか
J.S.Bachの大作だけでなく、独奏楽器の凄味は
Telemannのこの曲からも得られたような気がします

J.S.Bachの無伴奏Vnが、「詩吟」だとすると
このTelemannの無伴奏は、「激しないお喋り」みたいな印象を持ちます
何とも優雅で余裕のある雰囲気
聴楽している私も思わず当時流行の「かつら」を被りたくなるような…
とても心地よい愉悦を感じるんですね

Rachel Podger (レイチェル・ポッジャー)の奏する音も軽やか
「さくさく」と言うのではないが、停滞もしない
この時期の音楽が、一体何を狙ったものなのかはわかりませんが
「うむ、楽しいから弾いてみようじゃないか☆」
というTelemannの言葉が聞こえて来そうな気がします


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