交響曲の深い深い森   ハイドン

アマデウスより先んじること約15年
ヨーゼフは既に悲しみを疾走させていたのでした


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ハイドン Joseph Haydn (1732-1809)
交響曲第44番ホ短調《悲しみ》 Symphony No.44 in E minor 'Trauer' (1772?)
アカデミー・オブ・エインシェント・ミュージック The Academy of Ancient Music
クリストファー・ホグウッド Christopher Hogwood (1941-)
デッカ (オワゾリール) Decca (L'Oiseau - Lyre) 480 6900 (1992)
(新品:2013年7月、タワーレコード.com にて購入)

特殊楽器は当然のこと、管弦楽の楽器全般がまだ確立されていない頃
少ない人数と楽器によって、作曲家はいかにして表現を拡大しようとしていたか
そう考えてみれば、ハイドンの交響曲を聴楽する楽しみは、いきなり無限大に!

日本人にとって、「第44番」という番号に「悲しみ」という標題
意外にインパクトのある組み合わせ化も知れませんが
(私にとっては曲の存在を知ってから33年目の初聴楽です)
ウエットな感じとは、まぁほぼ無縁であり
モーツァルトの40番の先輩という印象がすぐに形成されましたよ

第1、第2、第4楽章のただならぬ予感の音楽の中で
ハイドン自身が「自身の終い支度の締めくくりとして奏楽してちょ☆」
みたいな発言を残した第3楽章が本当に効いて来る感じですね
ここの旋律にしても、過度の甘さは排して
どこか凛としたものを耳に届けてくれるようです

あ!第1楽章で、弦の小刻みな動きの背景で
管が音を伸ばすモメントがありますが
モーツァルトの第1番第1楽章の冒頭部分を思い出しました
不思議ですね、モーツァルトは第1番を8才で作曲しましたから
ここの箇所は、もしかしたらハイドンの方が影響を受けているのかな?

でもって、弦の疾走に関しては
第40番他でモーツァルトの方が影響を受けているのでは
そう考えるのも不思議というか、実に面白いてか面白過ぎる☆

77年という当時としては長めの生涯の中
40才頃の作品ですが、ちょっと今までの印象と違う側面を見たというか
当時の非凡な作曲家の、いろいろな作曲の可能性を
試し続けて行くという地道な努力を垣間見させてくれます
そんな「やる気や才気」の目の詰まり具合の数々…
それらが今もハイドンの名を不滅にしている要素なんでしょうね

不滅のサービス精神   ハイドン

Classical 好きにとって、ヨーゼフと言えばハイドン
しかし40代以上の日本人にとってはもしかしたら…


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ハイドン Joseph Haydn (1732-1809)
交響曲第100番ト長調 《軍隊》 Symphony in G major 'Military' hob. l: 100
ルーブル宮音楽隊 Les Musiciens du Louvre Grenoble
マルク・ミンコウスキ Marc Minkowski (1962-)
ナイーヴ Naive V 5176 (4CDs, 2009)

私の個人的な印象だと
《驚愕》《時計》に比して、この《軍隊》はイマイチ地味な気がします
初めて親に購入して貰った《何とか交響曲大全集》には
《軍隊》が入っていませんでした
約30年とはいえ、当時としても廉価盤寄せ集めセットですから
販売サイドの基本路線としては
「とりあえず《驚愕時計》でも聴楽しとけや☆」な感じただったのかな?

当時、諸所のカタログを見ても、《軍隊》(特に廉価盤)は
あまり見かけなかった気がするんですけどねぇ
歴史上では、日本国は敗戦を経験している訳ですから
《軍隊》という言葉の響きに、ある種の独特な感覚もあるでしょう
だから盤数が少ないのでは?とも思いませんけど

初聴楽は2000年頃で、《驚愕時計》に遅れること約20年
第2楽章以外は、軍隊っぽい感じはしませんでしたが
104曲も作曲したハイドンとしては、驚異的なまでに記憶に残りやすいです
第2楽章を油断して聴楽していると、突然鼓膜に過大な負荷がかかります
ある意味《驚愕》第2号みたいな感じと言うのでしょうか
軍隊調の箇所は、非常にノリがいいというか
リズムを刻む大太鼓は、本当にシンプルに叩いているだけなのに
どこか開き直ったかのような率直さが心地良いんですね
こんな曲をそれまで知らなかったなんて、実に勿体ない気分です

しかし、ハイドンのサービス精神って物凄いですよね
淡々と作業し作曲し、演奏する
時に真顔で聴衆が爆笑するようなジョークも入れてみる
何かが閃いたような時間と空間が炸裂する
これがハイドンの面白さなんでしょうか
ミンコウスキ盤の演奏は、とても明るいというか
どこかウキウキしたような力を感じますね
少なくとも、古風な感じはしません


HeidiJaseph.jpg

15年くらい前に、年配の友人に「ハイドンは面白いでしょう?」
との発言を受けて、どう返答するか数ミリ秒逡巡しました
さすがに面と向かって「わからないっす」とか素っ気なさ過ぎだし(笑)
当たり障りのない「そうですね」とか言った記憶が…(苦笑)
最近になって、ハイドンを楽しむために
何かわかったような、気がするだけかも知れませんが
まぁそのうちわかって来るでしょう

不意を突いたハーモニー   ハイドン

私のCD棚にも遂にHaydnが定着する時が来ているかもしれません

HaydnMinkowski.jpg
Haydn (1732-1809)
Symphony in G major 'The Surprise' hob. l : 94 (1791)
Les Musiciens du Louvre Grenoble
Marc Minkowski
Naive V5176 (2009)

近年、Haydn (ハイドン) の交響曲を聴楽する機会は
いわゆる「ロンドン・セット」が基本になっています
セット聴楽が基本になると何が起きるか?
まぁお恥ずかしい限りなんですけどね…

購入直後、先頭の第93番ニ長調を聴楽して以降
「すっきりしていていいなぁ」と思いつつ
気がついたら中古屋さんに旅立っていた…
そんな形が何度か続いておりました

単に私がHaydnを聴楽する耳を持っていなかっただけです
(これにより、第93番の聴楽回数のみ突出して多い)
「よい」と思いつつ盤が旅立ってしまうのは何故か
適当に考えてみることがありますが、私にとってHaydnは
「何度も聴楽してその良さを更に強く実感して行く」という
自分にとっては結構珍しいタイプの人なのではないか?
そういう感じになっていますね

私のみに通用する範囲の感想として
聴楽して気分が良いのだが、「強く印象に残る箇所は?」
こう考えると、結構強く意識して探そうとすることになる

こういう作曲家は、私には全くと言っていいほどいません
一度聴楽して「おおっ!」と思うか、聴楽体験すらすぐに忘れてしまうか
この2種類に分かれてしまうお気楽な趣味の世界で
このHaydnのように「保留」なんて人は滅多にいないものです

もちろん、私でさえ有名な第94番「驚愕」、第101番「時計」
(しかし、裏に潜む意味とかを全く要しない驚異的な表題ですね)
この2曲の第2楽章の旋律はかなり昔から知っています
というか両曲は、私が初めて全曲通しで聴楽した交響曲です
「驚愕」は荒々しい管弦楽の咆哮、打楽器を伴う不協和音の全合奏
「時計」は、時空の歪みを表すような激烈かつ奇怪なハーモニー
てなところを予測していたところ、全く外れましたが、ハハハ

採り上げたMinkowski (マルク・ミンコフスキ 1962-)盤ですが
いわゆる近年の古楽団体のギチッとしたアンサンブルではないですね
流麗というか、ふくよかというか、聴楽耳にどこか柔らかい印象があります
とにかくその音質にまず「びっくり」

例の第2楽章の「びっくり」は、Liveらしいお遊びに溢れたものですが
今回驚愕したのは、この楽章の最後の部分でして
主題の最後の回帰の背景で、何か弦がやや不安を喚起するような
不思議なハーモニーを形成しているのが強く印象に残りました
ここだけ作曲年代が100年以上後なんじゃ?みたいな感じでしょうか

周囲の通の方々から「Haydnには聴楽の度に発見がある」と
何度も耳タコになるほど聞きましたし、本でも読みました
そうなんだろうな、と軽く思う程度だったんですけど
今回は、「のんびりとカツラをかぶった」音楽が
私に向かって一瞬何か牙をむいた、そんな気がして楽しいですね
お陰様で今回のセットは、既に第97番までを聴了しています
プロフィール

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