最近稀有な聴楽機会頻度の盤   レスピーギ

自分で購入したCDを何度も聴楽する
当たり前のようでいて、そうでないことが最近は…基本か?
と言いつつも、今年は久々に購入後
複数回の聴楽機会のある盤が出現しました
つい最近ここで書いた「これ」です

6月の終わり頃の購入でしたが
既に二桁の聴楽機会に恵まれました


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レスピーギ Ottorino Respighi (1879-1936)
組曲《シバの女王ベルキス》 Belkis, Regina Di Saba, Suite (1934)
リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団 
Orchestre Philharmonique Royal de Liege
ジョン・ネシュリング John Neschling (1947-)
ビス BIS-2130 (SACD, 2014)

一度聴楽して物凄いインパクトを受け満足するか?
その後、何度も聴楽する機会が続くか?
「愉悦」の質は、似ているようで違うかも知れないなぁ☆

第4曲大詰めの悠然たる打楽器群の乱舞
「ドドンド・ドドンド……」。大船に乗って漂うような安心感…
不協和音的な響きの中に、古代の音調と現代の感性が同時に潜む
ここに来ると毎回大きな満足感に浸れるのですね☆

ジャケットは、2番目に収録されている「地の精のバラード」に関連させているのかな
「ベルキス」のような強烈な曲が入っているような感じがしないのが愉快ですね

もう理屈抜きで楽しい☆拍手しちゃう☆   レスピーギ

時を隔てて聴楽した2種の演奏の感銘度が互角というのは珍しいですね☆

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レスピーギ Ottorino Respighi (1879-1936)
組曲 《シバの女王ベルキス》 "Belkis, Regina Di Saba" Suite for Orchestra (1934)
リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団 Orchestre Philharmonique Royal de Liege
ジョン・ネシュリング John Neschling (1947-)
ビス BIS BIS-2130 (SACD, 2014)

この曲の異演を聴楽するのって初めてですね
最初は、説明不要のサイモン (Geoffrey Simon 1946-) 盤 (Chandos)
今回の聴楽は、どうしたって2種の演奏の比較になりますが
ネシュリング盤を聴き終えて、全く甲乙つけ難いという結論です
それぞれの「こだわり」が結構違うのが、まず興味深いですね

各曲標題と演奏時間 (左-サイモン、右-ネシュリング)
01 ソロモンの夢 (7:58/8:34)
02 夜明けのベルキスの舞い (6:19/7:50)
03 戦いの踊り (2:51/2:49)
04 お祭り騒ぎの踊り (5:13/5:56)
サイモン盤は01-03-02-04の順に演奏されます

ネシュリングは、03を除いて、本当にたっぷりとした鳴らし方かな
演奏時間にもそれが表れていますが
それでいて音楽は停滞しないのは不思議としか言いようがありません
このテンポを取ったことで、リズムの複雑な箇所も
非常に明快にされているのが大きなポイントです
2種の録音の間には、30年の時間が流れていますので
さすがに今回のSACDは実に広大な音空間を感じさせてくれるかな☆

私としては、かなりの長期間に渡りサイモン一択だったこの曲に関して
完全に固まっていた印象を変えさせてくれたのが嬉しいです
おぉ「ここはこうやってもいいんだ☆」みたいな「目から鱗」感よ☆

「戦いの踊り」の大太鼓とクラリネットの箇所が最も印象が異なります
サイモン盤のハイライトは正にそこ☆
そこだけで聴楽子の感興の全てを注がせる位の箇所でしたが
ネシュリングは、そこはやや軽めの太鼓ですが
その後の小太鼓が、よりシャープな感じがして得点が高い!
ネシュリングは中盤から加速して素晴らしい「切れ味」
逆にサイモンはそこから悠然とした感じになるのが面白い
最後の全合奏の後でホルンの音が残ってちょっと驚きました
どちらの指揮者の演出か、楽譜通りなのかは、譜面を見ないとわかりません
そこら辺の少しずつの違いが、聴楽して実に楽しいわけですよ☆

04は、2者の間に43秒の差がありますが
リズムの刻みの強烈さはサイモン
とにかく壮大で耳も眩むのがネシュリングとしておきましょうか
大詰めの華やかさは、もう嬉しくて仕方なかったなぁ
大太鼓 (ティンパニもか?) が何気に盆踊り風の音がして愉快な中
(ここのテンポは私的にも超ツボ☆)
曲が終わるかなり前から拍手してしまいたくなる
そんな気持ちを抑えられないくらいでした
サイモン盤初聴楽 (1989年) と同質の興奮が炸裂です☆

爆走のアッピア街道☆   レスピーギ

聴楽して既に35年過ぎても、いまだに「これしかない」っす☆
他に健闘しているのはシノーポリ、ガッティ、パッパーノの3氏くらいでしょうか

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レスピーギ Ottorino Respighi (1879-1936)
交響詩《ローマの松》 The Pines of Rome (1924)
交響詩《ローマの祭》 Roman Festivals (1929)
交響詩《ローマの泉》 The Fountains of Rome (1916)
ボストン交響楽団 Boston Symphony Orchestra
小澤征爾 Seiji Ozawa (1935-)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon 415 846-2 (1977)

これまでのClassical聴楽体験の中でも、特に幸運なことの一つに
この録音がレスピーギ初聴楽だったことが挙げられます
聴楽する以前から標題《ローマの○○》というのが非常に印象的で
FMのエアチェックでたまたま登板していたのがこの演奏だったんです
今はわかりませんが、当時 (1980年前後) は
新譜をFMで放送してくれていたんですよね

日曜の夕方の番組だったと、おぼろげに記憶していますが
その日のうちに何度繰り返して聴楽したことか!
そこまでの時点で、Classical音楽の良さを少しはわかってましたが
どこかに「堅苦しい所がちょっと多過ぎるような…」という気持ちもあり
そこに来てそんなモヤモヤを全て吹き飛ばすような音響
逆に「Classicalでこんなカッコいい曲があっていいのか☆」と思うくらいでして

加えて、私が小遣いを貯めて購入した最初のDGのLPということもあります
私の親は毎月くれる小遣い以外 (約2000円?)には、何も買ってくれません
思えば、こんな状況ですから、お年玉を貯金しろとは言われなかったな
服なんか、本当に年に数回しか買えなかった

当時のLPの価格2600円を準備するのは、本当に修行てか苦行 (笑)
(自身のクレジットカードを持つ15年くらい前の話ですから、ハハハ)
おそらく、3ヵ月は蓄財に専念していたと思います
買う一月以上前から、週末毎に近所のレコード屋さんで「ブツ」を確認してました
(Classicalはかなりの物好きでないと買わないから、ずっと置いてあった)
しかし、当時の東京都のザ・下町である江東区の端っこの方で
Classicalを結構優遇して扱ったくれたレコード屋の主人には感謝しないとね☆
(近所でレコ芸を扱っていた奇特な本屋さんにも感謝だ!)
毎月600円前後はレコ芸誌の代金になってましたから
残りをどう使っていくか、いつも考えてていた記憶がありますよ
金銭感覚を養う訓練にはなっていた、ということで納得しておきます☆

今回は特に「松」の録音について話したいのですが
第4曲「アッピア街道の松」のテンポにおいて
小澤さんは、かなり独特というか、賭けに出たかのような快速を選択しています
作曲者の想像の中では、街道を行進するローマ軍の幻影が映っているので
それを考えに入れたような悠然としたテンポが昔も今も主流と感じますが
そんなことはこれ以後の録音でわかったことです

小澤さんの組み立ては「超高解像度の幻影」とでも言うのでしょうか
レコ芸誌の当時の録音評でも「かたいアメリカの松だ」なんて書かれています
「かたい」がどういう漢字を充てていたのか思い出せません

なぜこのようなテンポを選択したのか、考えてみましたが
小澤さんは、ボストン響の金管群に強い自信を持っていたんだと思います
本拠地シンフォニーホールの音響特性も計算され尽くしているかな
他の録音を聴楽していつも満足しかねるのは
金管群、特にトランペットとホルンがよく聞こえて来ない点にあるのですね
この録音では、本当にトランペットの旋律線が明瞭に聞こえて来る点で
(当録音より遅いテンポでは金管が「吹き鳴らし」づらくなるような気がする)
2015年の現在でも対抗できる録音が出ていないと思っています
これ以上カッコいいトランペットは想像が難しい☆☆☆
当時の奏者は誰だろう?

曲の終盤に入ってからの、華麗な大音響での繊細なハーモニーの流れは
金管が頑張らないと、本当に萎える録音になってしまいますが
奇跡的で驚異的にパワフルかつ濁りの少ない音響を実現しています
ここでのホール全体が「ワ~ン」となるような響きはには、感動してしまう~
レスピーギ本人が聴いたら、感激して小澤さんを抱きしめているんじゃないかな…☆
「グラツィエ~セイジ~カルボナーラペペロンチーノ!」みたいな…、なわけないよ

一つ残念なのは、CD化された時に、Galleria (廉価盤) で出たことです
初出のジャケットはまだ40過ぎの小澤さんの指揮姿!


OzawaRespighiMG1201.jpg

正直なところ、CDのジャケットもこれじゃないと!
帯も時代を感じさせるなぁ☆

「快」の演出者   レスピーギ

音楽史の中で、不意な角度から突如牙を剥く様な
そんな作品に出会うということって、何と愉しいのでしょうね☆


ChandosRespighiBelkis.jpg

レスピーギ Ottorino Respighi (1879-1936)
《シバの女王ベルキス》 バレエ全曲から管弦楽のための組曲 (1934)
"Belkis, Queen of Sheba" Suite for Orchestra from the Complete Ballet
フィルハーモニア管弦楽団 Philharmonia Orchestra
ジェフリー・サイモン (指揮) Geoffrey Simon (1946-)
シャンドス Chandos CHAN 8405 (1985)
(中古:2013年6月、ディスクユニオン池袋にて購入)

このCDも、社会人1年生なってすぐに購入した記憶があります
1989年の私的ビッグヒットの内の1枚ですね
管弦楽に興味があって、40代半ばより上の人は
知らない人がいない盤じゃないかな?

いまだにこの曲といえば、この盤が必ず話題になるわけで
国内仕様盤での発売時に、レコ芸誌で特選になっていますが
レスピーギの作品で《三部作》以外の曲が絶賛されたのって…
肉眼で目撃したのは、その時が初めてだったんじゃないかな
初聴楽時の記憶は今でもリアルにあり
本当に「ぶっ飛んだ」ものだと。やっぱ嬉しい

煽る所はグイグイと進むパワーは、サイモンの演出が大成功しています
(サイモン氏の経歴は検索してみると、なかなかマニアックですな)
楽譜を見たことがあるのですが、特別何かが仕掛けられているような
そんな風には見えません。拍子のちょっとした組み合わせや
楽器の組み合わせで聴楽子の耳に「快」を送り込む
その手腕では、レスピーギは本当に天才だと思います

この演奏の私的ツボは、「太鼓」「チェレスタ」「ヴァイオリン」
(金管群は誰にとってもツボになるでしょうから)
特に太鼓は通常使用するものとは別のものも盛り込まれますが
これらのチューニングが非常に繊細にされていて
小太鼓系は軽めのサラサラ音ではなく
太く強い音が、とにかく最高にイイ☆

まだ吹奏楽への編曲は聴楽したことがありません
確かに、管楽器の大活躍が印象的な曲ですが
第2曲 "War Dance" と第4曲 "Orgiastic Dance"
特に激しいこの2曲を集中して聴楽していると
弦楽器群の印象は薄くはなってしまうかな
(かく言う私も盤のトラック2, 4は本当によく聴楽しました、エヘヘ)

そういう状況下でも、キメの箇所に弦楽器群のハッスルは必要で
第4曲のフィナーレ、金管の斉奏の直後で
煌びやかな第1曲のラストが盛大に戻って来る所では
高音主体の輝かしい弦合奏が、実に感動的で
(ここでは本当に涙腺が緩みそうになるくらいですよ私は☆)
これが古代の旋法で朗々と鳴る金管群と絡んで行くところでは
もうこれ以上の「快」を探すのが難しいと感じています

アッピア街道を行進するローマ軍の幻想   レスピーギ

意外な所に素晴らしい録音が潜んでいましたよ

SinopoliRespighi.jpg

レスピーギ Ottorino Respighi (1879-1936)
交響詩《ローマの松》 The Pines of Rome
ニューヨーク・フィルハーモニック New York Philharmonic
ジュゼッペ・シノーポリ Giuseppe Sinopoli (1946-2001)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon 437 534-2 (1991)

「ローマ三部作」の全てに会心の出来の録音を探す!
名盤を求めて、とっかえひっかえCD棚に載せる感じでしたが
これはなかなかの難事でして、もう諦めてます(笑)
3つの内、2つは最高というのもあれば
1つだけがとにかく気に入った、というのもありますな
最近は「そういえば、これもあったね」というのをつまんでいます

Sinopoli のこの盤は結構叩かれていたような印象がありますね
海外では知りませんが、日本だと彼の持つ資格ネタの「精神分析が~」とか
典型的な枕詞がありまして、本当にそうかなぁ?の印象があるかな
考えを巡らした音楽の組み立て、という点では
ブーレーズ (Pierre Boulez 1925-)をすぐに思い出しますが
Sinopoli は、どちらかというと結構オーケストラを鳴らす方だと思います

今回、中古盤での購入にあたり
やはり雑誌等の評価が頭に引っかかりましたが
一聴して、かなり奔放にNYPが鳴り響いております

不思議なのは、この盤を聴楽して、部分的には
これの14年前の録音になる、同じDGの小澤盤(LP)を思い出すことです
(初出CDが廉価盤で、小澤盤CDのオリジャケが存在しないのは痛い)
両盤とも、アメリカのオーケストラという訳ではないでしょうけど
音楽運びが似ている部分があると感じるんですよ

ただ、今回「ローマの松」特に第4曲アッピア街道の松を聴楽した時
思わず唸ってしまいましたね。物凄い悠然たるテンポ
コンパクトなリズムの Dutoit (デュトワ, 1936-, Decca)や
Pappano (パッパーノ, 1959-, EMI)、シャープに進行する小澤 (1935-, DG)
これらのどれとも異なる空間が展開されています

この悠然雄大とした感じの演奏に心当たりが…
ケルテス (Istvan Kertesz 1929-1973, Decca)盤ですよ
今回のSinopoli盤は、さすがに音が良く
大感謝祭的な金管群の豪華な鳴りっぷりなわけです

でもって、私はレスピーギの構想には、この二人の解釈が近い気がします
現代のアッピア街道に立つ作曲家の想念には
おそらく、目の前を悠揚と行進するローマ軍兵士の輝かしい幻影があったはず
「幻想曲」としての存在感をフルに発揮している録音だと感じました
プロフィール

quietplace

Author:quietplace
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