瑞穂の国、バブル期の豪華企画☆   マーラー

月3回目の登板は今年初めてですね
所持CDのリッピングも取り敢えず終了してますから。ネタはあるんでがす☆


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マーラー Gustav Mahler (1860-1911)
カンタータ 《嘆きの歌》 Das Kalgende Lied

シェリル・ステューダー (ソプラノ) Cheryl Studer (soprano)
ワルトラウト・マイアー (メゾソプラノ) Waltraud Meier (mezzo-soprano)
ライナー・ゴールドベルク (テノール) Reiner Goldberg (tenor)
トーマス・アレン (バリトン) Thomas Allen (baritone)
晋友会合唱団 Shin-Yuh Kai Chorus (関谷晋 Shin Sekiya 合唱指揮)
フィルハーモニア管弦楽団 Philharmonia Orchestra
ジュゼッペ・シノーポリ (指揮) Giuseppe Sinopoli (conductor)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon 435 382-2 (1990)

久々に、人生初聴楽の曲でも行ってみよ~☆
この曲はマーラーの20才頃の作。初演までに紆余曲折があり〼

若き作曲者の「ベートーヴェン賞」応募作。審査員にブラームスがいた
1880年の話、日本は明治12年、西南戦争の後で中央政府は疲れ切っていた頃
結果→受賞せず。マーラー指揮者として生活して行くという流れ

3部構成。「森の童話」(27:38)「吟遊詩人」(17:43)「婚礼の曲」(19:32)
(時間はSinopoli盤に記載のもの)
初演は1901年。マーラーは第1部を削除して出版。第2、3部も初出版時は縮小
3部完全に初稿版を揃えての初演は何と1997年!
1990年録音の今回聴楽のSinopoli盤は何なのか?まぁ細かくは考えますまい☆

「ち、外れかよ~。とにかくは食って行かなければならんな!」てな感じか?
もし受賞していたら、まぁそれを考えるのも無粋ですね
筋書きは、ネットで拾ってくださいにしようかと思いましたが、一応私の超訳をば

〇それを先に見つけ出した者が王女を娶ることができる
ある兄弟がその花を探してやって来る
心の優しい弟が先に見つけ、安心して寝入る
妬んだ兄は、弟を発見、殺害する (森の童話)

〇吟遊詩人がある木のたもとで「骨」を見つける
それを楽器にして吹くと、音ではなく話し声が聞こえる
「私は兄に殺されたのです、あぁ悲しい」
吟遊詩人はそれを持って旅を続ける (吟遊詩人)

〇吟遊詩人は、王(兄)の婚礼の宴の中にやって来る
一つ芸をと笛を吹いたら、弟の声が聞こえて来る
全てのものが恐れおののき、暗澹とした状況となる (婚礼の曲)

基本、暗いっす
暗澹とした筋ではあるものの、粗筋を読んだだけでも、何となくの理解は可能でしょう
私は一応納得したいので「マーラー全歌詞対訳集」(国書刊行会)を眺めつつの聴楽です

最後の無常に繋がるべく、悲劇的な響きを強烈に放つ約65分
とにかくスケールがでかいし、強烈な音の塊をぶつけて来る感覚は
おそらくは第1よりも第2交響曲がフラッシュバックして来るでしょう
幾分荒っぽいとはいえ、20才の人間にこんなものが書けるのだろうか?
当時の20才は、今の日本の同年齢と比較するのは条件的に不可能でしょう
余計な情報に振り回されず、読書の時間も長かっただろうなぁ
(手紙とか書いても、返事は何日も後だっただろうし)
そうしていないと時間がもたなかったのかも知れない

面白いことに、歌手には特定の役割というものがありません
情景を歌ったり、台詞を歌ったり、一貫性も特にありません
仮に舞台を設定するとして、実体が必要なのは3人ですね
「兄(後の王を兼ねる。吟遊詩人の鳴らす笛が弟殺害の状況を奏でる)」
「弟(兄に殺される)」「吟遊詩人(狂言回し)」
遠回しにネタバレかも知れませんが、歌詞中で最も存在感の大きいのは
おそらく死んでいる時間の方が長い弟ですね。
吟遊詩人は、出ている時間が一番長そうなのに、存在感は滅茶薄い

長い間、これらの「統一感」に関して叩かれていた作品でしょうけど
異様なテンションの持続でもって、とにかく「惹き込まれた」音楽ですね
シノーポリの唸り声もゲルギエフに匹敵するくらいたっぷり収録!
感激屋の私なんぞはもう「おぉ~、おおお~☆」の連続でして、エヘヘ
歌詞を眺めつつ、勝手な想像を頭の中で膨らませれば
時間の長さははあまり感じないと思います

フィルハーモニアのマーラーチクルス来日公演の録音か
東京芸術劇場(こけら落とし公演)でのライブ。1990年、バブル最後の輝きでしょうか?
今こんなことできないですよねぇ。最近全く足が遠のいておりますが
あの長いエスカレーターは今もあるんでしょうか
今のコスト云々の時代なら、真っ先に取り外すんでしょうけど
バブルの亡霊が意地でも維持しそうな予感もする☆

途中CD入れ替えなしの全曲聴楽   マーラー

2010年以降は、なぜかこの時期にこの曲の聴楽機会があります☆

GergievMahlerLSO0730.jpg

マーラー Gustav Mahler (1860-1911)
交響曲第3番ニ短調 Symphony No.3 in D minor
ロンドン交響楽団 London Symphony Orchestra
ワレリー・ゲルギエフ Valery Gergiev (1953-)
LSO Live LSO0730 (2007)

夏が近づいて来ましたので、この曲の登場です
この曲の初演は1902年6月12日ですが
完成は1896年8月6日と驚くべきことにまだ19世紀
このように大規模な音楽が今から121年も前の完成とは!

私の場合は今回が「リッピング初演」です
まぁCDを途中で入れ替えなくてもよい初の聴楽です
この「盤の出し入れがない」というのが、何とも気楽なんです
特に私はベッドに横になって聴いていることが殆どで
盤入れ替えの途中でテンションが落ちることもありません

記憶にあるだけでも、この曲の聴楽は通算僅かに6回目
アバド・ウィーンフィル (DG)
アバド・ベルリンフィル (DG)
ブーレーズ・ウィーンフィル (DG)
ジンマン・チューリヒ・トーンハレ (RCA)
シノーポリ・フィルハーモニア (DG)
ゲルギエフ・LSO (LSO Live)

この曲が「まぁまぁわかって来始めた」のはブーレーズくらいからかな

うち3名が既に故人となっております
ジンマンも1936年生だから既にアラハチ (そんなんあるのか?)
実はこの後に、昨年8月に購入してまだ全く聴楽していない
ジョナサン・ノットの全集 (Tudor) がありますので
(レーベルがレーベルですから入手可能なうちにゲットしておく)
比較的若い人たちの演奏もどんどん聴楽したいなり☆

ゲルギエフ盤の演奏時間は以下の通り。拍手は収録されていません
(32:22/9:51/17:21/8:35/3:51/20:22//92:12)
この時間は結構速い方じゃないかなぁ
盤入れ替えの時間もなかったので、余計に速く感じたかも☆

曲開始してすぐ、大太鼓のソロが実に雰囲気があってよろしい!
再現部手前の小太鼓のソロも決まっていたなぁ☆
(ここは、やはり重々しく「軍楽小太鼓」的な響きが大事だと思うぞ。うむ☆)
更にその手前のいわゆる「高校野球の応援」状態の大音響なんですが
楽譜を見ないとわかりませんが、「鮮明には聞こえないようにしている」のかな?
これまで聴楽のどの盤も、大規模な弦楽のうねりに見え隠れするように聞こえます

全体的になかなかに気合の込められた演奏でありましたね
第3楽章で、特に書かれてはいなかったので、おそらくはトランペットと思いますが
(トランペットは壇上にはいなかったのかな?)
これが静かにたなびく夢のような時間帯で
これに周囲の楽器が合わせるのを苦労しているような所がありました
しかし、そこはプロ中のプロであるLSO、実に絶妙に合わせて行きます
もう人力で演奏を編集してるような感じかな☆

第1楽章から第6楽章まで、1本の糸が時に大きく時に微かに振れながら
曲の結尾にたどり着くさまを耳の(目の)当たりにできて嬉しいなっと☆

超充実の「下書き」?   マーラー

もしマーラーが超有名な作曲家と知らないで、この曲を聴楽したとしても
「若いころに書かれた曲なのかな」と思うような風通しの良さを感じるかも知れないな☆


Mahler1893Vriend.jpg

マーラー Gustav Mahler (1860-1911)
二部からなる交響詩 《巨人》 Symphonic Poem in Two Parts "Titan"
(1893年ハンブルク稿 Hamburg 1893 version)
ネザーランド交響楽団 The Netherlands Symphony Orchestra
ヤン・ウィレム・ド・フリエンド Jan Willem de Vriend (1962-)
チャレンジ・クラシクス Challenge Classics CC72355 (2009, SACD)

現行の交響曲第1番ニ長調の前身にあたる音楽で
もちろん私は初聴楽でした。そもそも、この曲の原型は
1888年に短期間で作曲されたそうで
現存していない1889年初演のブダペスト稿に続くもの
現行の第1番は1896年3月の初演で
意外にも第2番《復活》初演 (1895年12月) の後になりますが
こういうのって、本で読まなければ全くわからないことで
興味深く、不思議な感じもしますね

まぁ、最も驚くべきは、この曲がマーラー20代の作品だということ
最初の作曲の時で何と僅か28才!
(自分が28才の時なんて、何かあったかな?)
現代よりも平均寿命が短く、早く社会に出るような時代とはいえ
とにかく凄いとしか言いようがない

曲は大きく2部に分けられていて
それぞれ、らしい標題がつけられていますが
第2楽章として《花の章》以外は、構成的に見ても
現行の第1交響曲とほぼ同じものです (だからなおさら凄いと言える)

交響曲とは、旋律や和声を担当する楽器が少しずつ違うのかな
細かい点を挙げたらきりがないと思いますが
録音の空気がいかにも澄んでいるというか
何となく若々しい感じがして、作曲当時の気分がわかる気がしますよ

いかにも「勢いで書いた」感があるのがいいです
細かく改訂して、現在のような「物凄い」交響曲が成立したのも
(重厚さが加えられたのが最も大きいポイントかも)
こんなに素晴らしい「下書き」があってこそ、というものでしょう☆

第5楽章 (交響曲の第4楽章) に、圧倒的な破壊力を感じないのは
オーケストレーションによるものでしょうか (音量はかなりのものです)
フリエンドの指揮は、極端に重苦しい方向には傾きません
時々、弦の重低音が場を支配しますが
その辺りは最終的な交響曲稿を予感させますね

最近になってCDに収録されることの増えた《花の章》
これの完成度が周りの楽章よりも高い気がするのも興味深いなぁ
現行版にも、《花の章》はあってもいいような気がします
曲全体の中、何とも不思議な緩衝地帯となっているように思えます
従来の交響曲の4つの楽章のどれにもはまらない「マーラーワールド」

第2以降の曲に、楽章が4つより多いものがあるのは
自らの「ワールド」の表現には楽章が4つでは不足である
なんてマーラーは思っていたのかも知れないですね 

交響曲全集選び☆   マーラー

我が庵のCDコレクションに関する最近の悩み (楽しみ) は何か?
「マーラーの交響曲を誰の指揮で集めるか」かなぁ

ネット掲示板の関連スレッドを長い間眺めて来て
(これからもウォッチし続けるわけですが)
日本のClassical好きに最も膾炙しているマーラーと言えば?
バースタイン (1918-1990) とテンシュテット (1926-1998) でしょうね
大体、マーラーと言えばバーンスタイン、異論はないですよ
テンシュテットは、80年代に、アバドさんの録音進行が長引く中
先に全集を完成してしまいましたね

おそらく、比較的録音の質が高くなって来た頃に出た
最初の2つの全集と言えるのではないか?
当時のレコード藝術誌の推しもハンパではなかった
時は流れて、この二人の録音はバジェット価格で出て
海外では知りませんが、少なくとも倭国では定番ですね

2000年代に入ると、他のレーベルもバンバン出て来ました
ただ、それらの盤は、大体においてお値段は高め (てか高い)
レビューも稀にしか見かけないし
そもそも購入しているファンも多くはないでしょうから
中古にも出回る頻度は高くない (てか低い)
ジンマンとゲルギエフという低価格作戦の例外はあるものの
ネット上で目撃する頻度だと
昔も今もバンスタとテンシュの2強とその他の観があります
(ちなみに、私はバンスタは1番のみ、テンシュは完全未聴)

で、私としてはどうしよう?
気になるのはMTTとゲルギエフ (SACDだから)
(ジンマンは、登板機会の殆どないまま、3年前に中古屋さん行きになりました)
が、私はMTTのレビューを読む度に、どこか引っかかりがあるんだな
決して価格ではない (まぁ少しはあるかも知れないが)

他に気になっているのはシュテンツ盤 (Oehms) なんですが
単売で集めると、結構CD棚の幅を取ってしまうかな
全集箱が出てきてからでいいでしょう

残ったのはゲルギエフ盤 (LSO Live) なんですが
私は、彼の録音に関して山のようにあるレビューを読んでいるうちに
「彼らは、ゲルギエフに何を期待しているのだろうか」と思い始めました
やはり「カロリー高め」「爆裂演奏」辺りかなぁ…
私の決め手は、ゲルギエフよりは、むしろオケがLSOである、この一点が
結果に結びついている感じがします


GergievMahlerComp.jpg

Mahler (1860-1911)
Symphony No.1 in D major
London Symphony Orchestra
Valery Gergiev (1953-)
LSO Live LSO0730 (10SACD, 2008)

上手く説明できませんが、LSOは
あまり極端な解釈をする指揮者と演奏しないみたいですし
指揮者に合わせて「けれん」を演出するような感じもしない
ゲルギエフは印象として「濃い」かも知れませんが
それは単なる印象だけなのではないか、なんて気がする
(今はどうか知らないけど、実演で最後の音を長く伸ばすのは好きです☆)
以前に実演に触れた限りでは、結構爽快な感じで進めていると思う

水準を超える実力の指揮者に、同じく定評と実力のあるオーケストラ
早速先日、第1番ニ長調を聴楽してみましたが
レビュアー諸氏が不足に感じた正にその部分
「先達の名解釈のいずれにも近づかないという不満」とでも言うのか?
そこに私は好感を持ってしまったのでした

この演奏でハッとしてしまった点を挙げると
全くの印象でしかありませんが
ゲルギエフにLSOがピタリと合わせていると言うよりは
彼の解釈をLSOがプロ根性で咀嚼して
楽器間の別なく、お互いの音に注耳しているように感じます
全ての機会ではありませんが、弦と管が同時に音を出す箇所で
そのタイミングが本当にピッタリ同期しているように思えることかなぁ
いわゆる「合っている」よりもやや強めに「合っている」んだな☆

歴史上の名指揮者のリハーサル時のアドバイスに
オケに対して「お互いの音をよく聴きなさい」が時々出て来ますね

やや残響は抑えめのLSO Live特有の音響ですが
(やや音量大き目にする方が良いかも知れません)
SACD特有の澄んだ空間をある程度は醸し出しつつ
その空間が強調され過ぎず (スカスカな感じにならず)
ある種の緊密感があるように思えました

知らないうちに始まり、かつ終わらない時間   マーラー

この曲は、どことなくアンビエント音楽を想起させます
マーラーにして、「遂にたどり着いてしまった」境地というか
充実しつつ、始まりも終わりもないような音楽…☆


HardingMahler10.jpg

マーラー Gustav Mahler (1860-1911)
交響曲第10番嬰へ長調 Symphony No.10 in F sharp
(1989年クック版) Performin Version by Deryck Cooke (1976/1989)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 Wiener Philharmoniker
ダニエル・ハーディング Daniel Harding (1975-)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon 00289 477 7347 (2007)

多くの雑誌のレビューやブログで「決定盤」とされていますね
決定盤って、必ず括弧で「暫定」という言葉が含まれているのかな
私の場合だと、やや長い聴楽(約35年)生活をしつつ
「決定盤」は少しずつ変化して行くもので、不動ではない感じがします
例えば、プロコフィエフの交響曲全集において
20代半ばで聴楽した小澤盤が「決定盤」となり約25年
立場としては「名誉教授」になりつつあります
私的な「歴史的録音」化になるのかな☆

プロコフィエフに比べたら、マーラーの聴楽機会は少ないです
今回のハーディング盤は、私の小澤盤プロコ全集的な「決定盤」です
かなり長期間に渡って、私のCD棚に君臨することは間違いない
他の盤を入手する気がなくなるような盤は、なかなかないですから…

景気も堂に入った渋さを湛え始めた2007年の録音
売れないジャンルの大規模曲録音という大変なハンディキャップ
これを乗り越えて発売されただけのことはあると思います

この盤の最大の瞬間は、あの第1楽章の強烈な不協和音の奔流
私のこれまでの聴楽盤では、ここが結構厳しい感じというか
痛烈な音響を展開していたのですが
今回のハーディング盤は、ここが意外な柔らかさで開始するんですね

この楽章は、静かに「たゆたう」時間の進行が大好きなワケですが
ハーディングは、この不協和音の箇所も強大な音響を響かせつつ
滑らかな佇まいを離れないんです
聴楽の瞬間は非常に意外な気分に包まれましたが
次の瞬間「なるほど!」と大きく頷いてしまったのでした☆

マーラーの音楽の中でも、最も特異な曲というか、約80分の長きに渡って
ある「特定の支配的な気分」から殆ど離れない冒険的な音楽ですね
メリハリとか、力感という言葉の彼方にマーラーは行ってしまった
(しかし緊張感はそのまま残すという離れ業!)
そんな時間の推移を上手く収録した盤だと思います
時々は、その流れる時間に浸るために聴楽するんだろうなぁ…☆
プロフィール

quietplace

Author:quietplace
聴楽記へようこそ!
関心事を書きちらしています。

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