最後の最後に浮かび上がる長調☆  ショスタコーヴィチ

史上、1970年以降に作曲の交響曲中、最も演奏頻度が高いんじゃないかな☆

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ショスタコーヴィチ Dmitri Shostakovich (1906-1975)
交響曲第15番イ長調 作品141 Symphony No.15 in A major Op.141 (1971)
ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団 Gürzenich-Orchester Köln
ドミトリー・キタエンコ (指揮) Dmitrij Kitajenko (conductor, 1940-)
カプリチオ Capriccio 49 545 (12SACDs, 2004)

第13番以降、完全なる独自路線というのでしょうか
当時のソ連中央はもう「この人だから」という感じで放っておいたのかな
そしたら第15番みたいのが出て来ちゃったみたいですね

演奏時間は(7:58/16:03/4:33/17:09//45:43)と、結構巨大なものですが
(第3楽章が4分33秒というのが気が利いてる)
音の鳴り方がもう、この人独自とでも言えるでしょう
遂にたどり着いて「しまった」音の世界が繰り広げられています
大音響は殆どありませんが、「やりたいことをやっている」感が伝わる

伝統的な4楽章というよりは
私的には第1、第3楽章がスケルツォに聞こえます
木管を用いた「狂気の盛り上がり」みたいなのはなく
「あるがままを置きました」という自由な姿がそこにある

有名な「ウィリアム・テル」の引用なんか、モロにわかりますが
子供の頃に気に入った音楽が、年齢を重ねて
ショスタコ的洗練を究めると、この曲のようになるのかな

私も初めて印象に残ったクラシック音楽って
「ウィリアム・テル」序曲なんですが
仮にこれから年食った後も、この第15番のような響き方をするのかどうか
楽しみではあります

キタエンコ指揮ギュルツェニヒの音ですが
全集の全体的な方針だと思うのですが「暖かい」感じがしますね
全合奏箇所の極めて少ないこの曲のソロの箇所も
侘しい感じが漂って来はするものの、孤独な気分にはならないかな

全体的に、打楽器は非常によく聞こえます
第4楽章結尾の箇所も、小太鼓が小気味よく入って来る
各楽器のほの暗い独白を45分間耳にした後
最後の最後で金属打楽器が長調の「枠」を形成するのが救いになっています
私なんかはホッとしてしまいましたね☆

全力を込めるとはこういうことか☆  ショスタコーヴィチ

20年以上気になっていた演奏を、遂に聴楽しますた☆

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ショスタコーヴィチ Dmitri Shostakovich (1906-1975)
交響曲第7番ハ長調 作品60 《レニングラッド》 Symphony No.7 in C major Op.60 "Leningrad"
シカゴ交響楽団 Chicago Symphony Orchestra
レナード・バーンスタイン (指揮) Leonard Bernstein (1918-1990)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon 00028942763227 (1988)

この曲の印象は、大(ネーメ)ヤルヴィによるところが大きいんだな
聴楽したのは確か1989年
第1楽章の畳みかけ方に大いに驚いて、感激した記憶が…☆
バースタイン盤は録音が同じ頃で、雑誌の特集でも取り上げられていたので
気にはなっていたのですが、当時駆け出しの社会人のお財布は…★
今回状態の良い中古盤を840円にてゲット、緊張してプレイボタンを押しました

冒頭部分ですが、ここを几帳面に運ぶ演奏が多い気がする
弦楽器群をカッチリと軽やかに「ター、ター、ター、タター、ター、タタートントコトン」
バースタイン翁、もう全然違う
強く重く引きずる感じで「ヴァーヴァーヴァーヴァヴァーヴァーヴァヴァードンドコドン」
あまり細かい指示をせずに、世界観をみっちりと伝えたかのような開始

これを否定しなければ、時間のゆっくりズムも気になりませんよ
私は楽器間の響きのぶつかり合いに惚れ惚れとしておりました

(25:30/11:03/17:03/15:18//68:54) ヤルヴィ
(31:43/14:54/19:25/18:51//84:43) バーンスタイン

その時間差実に15分49秒
第5の第1楽章がスッポリ入るような感覚でしょうか
第1楽章をあそこまで引っ張ったことで
第4楽章の盛り上がりに説得力が出ている気がします

第4楽章は、もともとが単純に盛り上がる楽章とはちょっと異なり
上手く演出しないと大詰めとそれまでの部分が分離してしまうというのかな
最後の大音響がとってつけたように聴こえてしまいがちになるかも知れない
バースタインは楽章の開始から終始テンションを高めの鳴らし方ですね
「重くくっきり」という珍しい形がここで出てきました
もう最後は、ただ思考を揺さぶられるのみということで☆

この豪壮な感じなんですが
最近ではちょっと聴く機会がレアになっている感じがする
ただ1回の演奏に、自分のプランを全て盛り込む
演奏というか、指揮者ってやっぱ大変な仕事だわ!

ネタを思い切り凝縮して仕上げてみました☆   ショスタコーヴィチ

あまりのタコワールドぶりに笑うしかなかったですね☆

KitajenkoShostakovichComp.jpg

ショスタコーヴィチ Dmitri Shostakovich (1906-1975)
交響曲第4番ハ短調 作品43 Symphony No.4 in C minor Op.43
ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団 Gürzenich-Orchester Köln
ドミトリー・キタエンコ (指揮) Dmitrij Kitaenko (conductor)
カプリチオ Capriccio 49 545 (12SACDs) (2003)

2009年に購入したBOXですが、久々の聴楽
てか15曲中、1,4,5,6,7,11の6曲しか聴楽していないっす☆
何かこうですね、ショスタコーヴィチの曲というのはですね
聴楽に際してこう…「満を持して」感が必要なんです、ハイ

最初に6番を聴楽したのは2010年の春
(私は彼の交響曲では6番が大好き。当ブログの最初の方に記事あり)
SACDプレーヤ購入後の2014年から、「満を持して」聴楽開始という感じです

今回の第4交響曲は、聴楽自体は確か1989年に次いで28年振り2度目
最初は大ヤルヴィ指揮のChandos盤で、聴楽したのに中身の記憶全く梨☆
曲冒頭と結尾のインパクトだけが辛うじて残っていましたねぇ

聴楽装置も進化して、「もう少しどんな曲かわかってみよう」という気持ちは
第2回目でも見事に爆風とともに霧散しました
で、この曲は「わかろうとしない方がいい」という結論ですね
局面ごとのインパクトに唸る方がとにかく楽しい音楽です
(唸りまくるという感じか?)

まず、戦前戦中のニュース映画的開始に頭の中が騒然としてしまう!
(常軌を逸した奇怪なものの「顕現」とでもいうのか)
これは瞬時に不協和音でベタ塗りされてしまいますよね

この冒頭が、再現部開始のためか途中でまた出てくるまで
全く展開が読めないというか、わからんかったのに冒頭再現で納得しちまった☆

曲の演奏時間は次の通り (30:39/9:50/28:35//69:04)
第1楽章の長さはマーラーの3番に匹敵しそうな感じだね
あ、そうか。マーラーの曲も何でもありな趣だな
聴楽前に、第2、3楽章の切れ目がわからなかったらアレだな、と思いましたが
杞憂でしたね。やっぱ曲が曲なだけに、長めの間を取っていましたよ
しかしチャレンジャーな曲だよなぁ。演奏する方も勿論かなりの挑戦者ですよ

ふざけているのかわかりませんが、第2楽章の結尾は面白いですね
ああいうのを急に出されると、ノックアウトされている間に終わってしまう!
コミカルかつショスタコ的にカッコいい音楽です

第3楽章の全合奏特大コラールも、どこかに「協和しない音」が埋め込まれていて
解放感に浸らせないのが「らしい」です

第1回目の聴楽よりも、遥かに収穫の多い、しかし
まぁ上に書いたくらいのことしか文章に転換できませんでした
それくらい思い切りタコワールドが凝縮された音楽ですね
次の聴楽機会は、短い期間で訪れることは確実でしょう☆

響きの推移を堪能する☆   ショスタコーヴィチ

どひゃ~やられた☆驚異的なインパクトとしか言いようがないです
ブックレットにある、マイクのコードがそこら中に張り巡らされている演奏時の写真
(ライブ録音です)
これがまた実に雰囲気のあるもので、またまた感激!


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ショスタコーヴィチ Dmitri Shostakovich (1906-1975)
交響曲第5番 ニ短調 作品47 Symphony No.5 in D minor op.47 (1937)
ボストン交響楽団 Boston Symphony Orchestra
アンドリス・ネルソンス Andris Nelsons (1978-)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon 00289 479 5201 (2015)

今回の聴楽で何か嬉しかったかって、そりゃ何と言っても
「ボストン・シンフォニーホールの音が久々に聴けたこと」に尽きます
小澤さん+BSOの録音には若い頃実にお世話になりました
Mr. Seijiの在籍期間は1973~2002年と30年にも渡ってる!

今回指揮のネルソンスは、今年38才になるんですが
小澤さんが着任した頃と同じような感じですね
2017年にゲヴァントハウスの楽長になるようですが
ボストンはどうするんだろう?
それはともかく、とにかくは充実した活動をして欲しいものです☆

さて、シンフォニーホールでの録音が
小澤さん以降、ややブランクになっていたというのは
もう実に大変な損失だったのではないか?
と思うくらいの今回の録音なのです

「タコ5」は、瞬間的な大音響や、「極北」の旋律を聴楽するだけでも
十分に楽しめる交響曲なんですが
今回は、ハーモニーの連なりとでもいうのか
各楽器の組み合わせが少しずつ移動しながら
音の強弱を繰り返しながら次々と通り過ぎて行く…
その推移というのを実に豊かに堪能できる録音と感じました
響きのうねりというのかな、それを強く意識させてくれるんです

どこかの書籍で「ショスタコーヴィチの交響曲は音のドラマなのである」
と書いてあった文言を時々思い出すのですが
今回は正にそれ、それなんですよ!

これは先に書いた、本拠地シンフォニーホールの手柄にもなりますが
音楽の設計は、ネルソンスと楽員たちなわけです
DGはSACDを早い時期に見限ったようですが
この録音を聴楽して、SACDが優勢が決定的にになるかどうか
私としては疑問を感じるくらい、素晴らしい録音になりました

演奏時間は次の通り。(16:34/5:36/15:25/12:26//50:01)
第4楽章は最後に拍手が入っていますが
この拍手がまたいいんだよ☆
実にアメリカらしいというか、うん、でも私もその場に居合わせたら
おそらく同じリアクションをすると思いますね

小太鼓の打撃の作法、その響きこそ、大ヤルヴィのChandos盤に譲りますが
やっぱり若い世代からの才能が出て来るのは、もう本当に嬉しいなぁ
本当にこのコンビでの録音が多く出てくれるのを希望していますよ~☆

「非情」の奔流   ショスタコーヴィチ

どんなに良い演奏を聴楽しても、時間がたつにつれて
書き言葉にしにくくなって行きますね
今日はちょっと前のものを一つ、2月の終わり頃の聴楽です


KitajenkoShostakovichComp.jpg

ショスタコーヴィチ Dmitri Shostakovich (1906-1975)
交響曲第7番ハ長調作品60 《レニングラッド》
Symphony No.7 in C major op.60 "Leningrad" (1941)
ケルン・ギュルツェニィヒ管弦楽団 Gurzenich-Orchester Koln
ドミトリー・キタエンコ Dmitrij Kitajenko (1940-)
カプリッチョ Capriccio 49 545 (2003)

第1楽章出だしがとてもゆっくりとしていて
「これから先大丈夫か?」なんて思ったのですが、杞憂でしたね
この恐ろしいまでの着実ぶりで
第1楽章の超大型クライマックスを築いて行きます
音楽に込められているのは戦場の英雄譚ではなく、戦争の非情さの方
今まで聴いて来た中では「勇ましい感じでない感じ」が一番強い
戦争の主題で「もう止めてくれ」とすら感じるのは初めてだな
それほどの驚異的な音の波を打ちつけるのです

第1楽章ばかりが話題に上りやすい曲だと思いますが
曲全体で考えると、弱音で展開する時間の方が長いですね
時折訪れる緊張の間を美しい弱音が繋いでいて
(暗黒のなかから、ソロ楽器の呟きが聴こえるような趣)
冷やりとした空間を感じるというか、浸れる録音でもあります

第1楽章の終盤で「編集ミス?」と思われた箇所があります
一瞬、弱奏のヴァイオリンが脈絡なく立ち上がるように聴こえるのですが
先日、どこのブログか思い出せないのですが、例の箇所で
「ライブ録音のため、第1ヴァイオリンがフライイングしている」とありました
実際どうなのかは不明ですが、そう言われると、なるほどとも思います
まぁそんなことは、特にどうでもいいくらいの優秀な演奏ですよ

参考までに、私が今までに聴楽した3演奏のタイミングです
(27:13/10:51/17:55/19:34//75:33) Kitajenko (capriccio)
(25:30/11:03/17:03/15:18//68:54) Jarvi (chandos)
(26:24/11:27/17:26/15:59//71:16) Rostropovich (teldec)
第2楽章は、キタエンコが最速なのが面白いかな
プロフィール

quietplace

Author:quietplace
聴楽記へようこそ!
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