若きロストロの爆走パフォーマンス☆   プロコフィエフ

ロストロ37才(指揮ロジェヴェン33才)の時のパワフル演奏!

RostropovichPraga250337.jpg

プロコフィエフ Sergey Prokofiev (1891-1953)
交響協奏曲ホ短調 作品125 Symphony-Concerto in E minor Op.125 (1952)
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ (チェロ) Mstislav Rostropovich (1927-2007)
ロシア交響楽団 USSR Symphony Orchestra
ゲンナディ・ロジェストヴェンスキー (指揮) Gennadi Rozhdestvensky (1931-)
プラーガ Praga Digitals PRD 250 337-292P (1964年2月25日)

意外にも、何種類も出ているロストロのこの曲の聴楽は初めてです
youtubeの動画でも曲大詰めの超絶パフォーマンスが強烈ですが
全体を聴楽すると、更にその凄さが理解できます
てか、いやが上にも理解させられてしまうって☆
やっぱ作曲者が彼に献呈しているということがいかに大きいことか!

指揮のロジェヴェンは実際に作曲者の葬儀に出席した中では
最後の存命者じゃないかな。今年86才
大ヤルヴィが出てくるまでは、プロコフィエフの管弦楽演奏を
一人で支えていたようなもんです。長生きして欲しいな☆

さて、強烈な上行音階で始まるこの曲ですが
ロストロが今回の演奏のテンポを決定すべく
オケよりも微妙に速く弾き
オケがそれに「オッ」という感じで合わせて行く
こういう箇所が結構ある
私はロストロのチェロ演奏をまだあまり聴楽してませんので
どういうキャラだったのかは、今後の研究聴楽が必要です

録音時は、初演後10年ばかり経った頃
2月のソ連(現ロシア。一応若い人向けの注)って、ハンパなく寒いんだろうな
でも、チェロは火傷しそうに熱く疾走しているのであった!

演奏時間 (9:51/15:50/9:37//35:18)
10年ばかりのうちに、すっかり自家薬籠中の音楽だったんでしょうね
全編ぶっといチェロ、そして超快速
第2楽章の主旋律は思い切り歌い
楽章最後の超超速パッセージにもう大興奮
(ここはとにかく凄い。聴楽してみるしかない!)

快速で進むチェロですが
今までのチェロのイメージを覆すような曲ですから
瞬間的に、奇天烈な音が耳に残されます
私なんかは大喜びの拍手喝采なんですが
もしかしたら不機嫌になる人もいるかもなぁ…

ProkofievRostropovich.jpg

初演時の指揮者リヒテル(喧嘩して手を負傷、コンドラシンに稽古つけてもらう)は
練習時に新奇な音で、オケは爆笑していたとあります
ちょっと聞いてみたいなその爆笑☆
何でも初めてのものに対する反応ってのは、そんなもんかと思います

RostropovichProkofiev.jpg

実際にプロコはロストロと協議を重ねながらこの曲を書いているのですが
この時のやり取りを聞いてみたくなりますよ
強めに意見を戦わせながら、時々片方が折れてみる
そんな感じかな。しかしロストロ、説明不要の超絶技巧を持ち
作曲者といい勝負の強烈な個性のオーナーであるが故に
初めて務まった立ち位置なんでしょうね

大太鼓による大気の振動☆   プロコフィエフ

最近俄かに注目の指揮者、ジェイムズ・ガフィガン氏のプロコフィエフです
全集のピーク、第5でコケるわけには行きません☆

JamesGaffiganChallengeClassicsCC72732.jpg

プロコフィエフ Sergey Prokofiev (1891-1953)
交響曲第5番変ロ長調 作品100 Symphony No.5 in B flat major Op.100
オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団 Netherlands Radio Philharmonic Orchestra
ジェイムズ・ガフィガン (指揮) James Gaffigan (conductor)
チャレンジ・クラシクス Challenge Classics CC72584 (2016)

eClassicalというサイトでダウンロードしたものです
このサイトは、新譜をある一定の期間ディスカウントしているみたいで
(この期間法則がまだ読めない)
第1番とのカップリングで8.77USドルということで
私がダウンロードした日の為替レートだと999円でした

比較的に地味に進んでいるガフィガン氏の全集企画ですが
あと2曲 (第2と第4改)を残すところまで来ています
で、今回は第1第5と知名度の高い組み合わせ
しかし、軽妙な第1が最も有名というのは、私にはよくわかりません
プロコフィエフの持ち味の要素を備えている曲とはいえ
もっともそれが前面に押し出されているとも言えないと感じます

第5は、プロコフィエフの特色の最大公約数ですね。最高ではないと思う
むしろ、第2、第3、第6のような厳しい表情
第4初、第4改、第7のような平明、童話的な側面
それらが絶妙のバランスで配合されているのが第5でしょう

これが原因なのか、今も「旋律の魅力に乏しい」とか言われますが…
私なんかは、主旋律と絡む対旋律とかに萌えまくっているわけで
全く人それぞれな感じになっちゃいますね

演奏時間は以下の通り
(12:59/8:54/12:14/9:54//44:01)
この曲でこの時間は私見ではスローな気がするのですが
実際にはそんな感じはしないですね
楽章の中で急激なテンポ交換もしていませんし
インテンポで上手く運んだように思える演奏です
この慌てずコケずの速度のおかけで
各楽器どうしが瞬間的にハモるのが美しいです☆

小澤盤の特徴がピアノだとしたら、ガフィガン盤は大太鼓ですね
空気の振動を感じるような打撃が全編を覆い、雰囲気は満点
私的には、大太鼓も他の楽器とハモるように感じられる
(太鼓のチューニングが具体的な音高と合わせるのか知りませんが)
ピアノは、第2から第4楽章がよく聞こえます

今回の成功の一つとして、第3楽章をスピーディに通り抜けたことでしょうか
不自然なほど速くはせず、他の指揮者が妙なタメを作りたがる箇所でも
スルスルと抜けて行くのがわかり、思わずニヤリとしてしまいました

全体的に角張った、刺々しい感じを作らず
音の強弱を気を配りつつ、大きな振幅で着実に歩むような演奏で
近頃こういうのは珍しい気がするんですけども
去年購入した、第1弾の第3第4をまだ未聴なんですが、エヘヘ
意外な所から素晴らしい全集誕生の予感ですね☆

今までほとんど知らなかった意外な超大物奏者   プロコフィエフ

どひゃ~、またしても久々の投稿になっておりやす☆
リッピングにかまけているとこうなる

MullovaProkofiev.jpg

プロコフィエフ Sergey Prokofiev (1891-1953)
無伴奏ヴァイオリンソナタ ニ長調 作品115 Solo Violin Sonata in D op.115 (1947)
ヴィクトリア・ムローヴァ Viktoria Mullova (1959-)
オニックス Onyx 4142 (2014)

いや~ビックリしました。突如としてやって来る聴楽趣味の醍醐味☆
今年始め頃より、ヒタヒタと進めて取り敢えず終了した所有CDのリッピング
当曲が始まると、ステレオの前に行って正座してしまいました

(4:33/2:37/3:48//10:58)という演奏時間で
これは、シャハム (DG) の 11:10 を上回る最速記録じゃないかな?
しかし、なんか弾き急いでいる感じが全くしない
それどころか、何やら堂々としてさえいる気がします

誰もが知っている有名奏者の弾くプロコフィエフは、時として近代的な響きから逸れて
何だか古めかしい感じがして物足りない気持ちにさせられることがありますが
この演奏はもうそんなことは微塵も感じさせないですね

プロコフィエフ風の快活さを保持しつつ、全曲に至る万全の配慮というか…プロだな☆
今までムローヴァをまともには聴楽したことがなかったのですが
ちょっといろいろ探してみようと思います。やっぱやめられないこの楽しみ!

彼女ほどの大物が、この小曲を弾いてくれるのは嬉しいなぁ
ライブ録音とのことですが、無伴奏作品のリサイタルをやってたみたいですね
去年は日本でもバッハの作品と並べてこの曲を鳴らしていたようです

ジャケットが何だか不思議な感じですが
同時期に製作したブラジルものの編曲集と近い時期の録音みたいです
でもってこれ、プロコフィエフの録音がたまたま揃ったので出しましたみたいな
副産物というか「おまけ感」が面白いですね
(プラスチックのトレーもないオール紙のジャケット。小さなLPという感じか)

しかし、二度目の録音で得意曲と推測する、第2楽章の弦の歌が素晴らしい第2協奏曲
ほの暗く謎めいた《2つのヴァイオリンのためのソナタ》 (共演何とパパヴラミ!)
プロコレア曲集としても成立する、私にとっては貴重盤となったのであります

「怪作」に正面から立ち向かう☆   プロコフィエフ

どひゃ~☆ 久しぶりに脳みそを激しく揺さぶられるような録音でっす☆
でもって少し時間が経つと「美しい」と改めて思ったのでした


IsserlisProkofiev58.png

プロコフィエフ Sergey Prokofiev (1891-1953)
チェロ協奏曲第1番ホ短調 作品58 Cello Concerto in E minor Op.58
スティーブン・イッサーリス Steven Isserlis (1959-)
フランクフルト放送交響楽団 Frankfurt Radio Symphony Orchestra
パーヴォ・ヤルヴィ Paavo Jarvi (1962-)
ハイペリオン Hyperion CDA68037 (2013)

聴楽後、あまりの怪作かつ快作ぶりに大笑いしてしまいましたね
不思議ですね。身体は疲れていても、音楽自体に惹き込まれてしまう☆

Hyperionは、この録音のわずか5年前に同曲のリリースがありました
(独奏アルバン・ゲルハルト、リットン指揮ベルゲンフィル CDA67705)
その時も、このOp.58の真の魅力は理解に届かなかったのですが
(カップリングの交響協奏曲Op.125に開眼したのはゲルハルトのお蔭)
遂にOp.58においては、イッサーリス氏がぶちかましてくれたのでした

演奏時間は次の通り (5:33/11:52/19:02//36:27)
これを見てまず!と思ってしまうのですが
この構成は標準的なチェロ協奏曲のものとはとても思えません
演奏時間の構成比が1:2:3とは軽い驚きなのですな

しかし、時代はスターリン恐怖政治のソ連時代1938年
よくこんな曲を書いて無事でいられたよな~
単に気づかれなかっただけだと思いますけど
政治機構はいつの時代も完璧ではないことに助けられました

作曲者後期の特質は、突如として現れる幅広い旋律に現れていますが
それを包囲しているのが「らしい」不協和音と過激な半音階なので
個人的には交響曲第2番がフラッシュバックしてしまいますね

作品のウェイトはアレグロの第2楽章、大型変奏曲もどきの第3楽章にありますので
第1楽章は自己紹介というか、前口上的になっています
イッサーリス氏は、トレードマークの「ガット弦」をここでは使わずに
スチール弦を使ってこの曲の出す音量に対策しています
曲の最適な再現のためには、「自分の売り」も控える…プロだな
(それほどまでに関心をそそられた音楽ということか)
ここでのチェロは「むっちゃ」雄弁で、録音自体も独奏の存在感を際立たせているっ☆

作曲者は、この作品でとにかくチェロ音響のバラエティの極限を目指したのでしょうか
この後にできたOp.125は、Op.58の素材を用いた改訂版ということを考えると
全く新しい作曲をしようとは考えなかったというのは、実によく理解できることです

奏法的な印象だと、ピツィカートが極端に少なく
全体的に高い音域を明暗のコントラストかなり強めで鳴らしているという感じです
イッサーリス氏は、張りのある音で、この怪作を正体不明にすることなく
終止ハイテンションを持続させていて実に愉快だ☆

バックの管弦楽が、独奏とのハーモニーを持続する役割を持つというよりは
背後で「計算づくの大混乱」を演出する中、瞬間的にハモる感じで
特に急速な第2楽章では緊張感が持続しまくります
この楽章で出る後期の特徴丸出しの美旋律が楽章の後半で
管弦楽の異様なサポートの上で短調的かつ不気味な変容をしていく辺りに来ると
もう完全に聴楽する側としてはノックアウトされております
「い、一体どうすればこんな発想が出来るんだろうかっ!」てなもんです
とってつけたような長調的な終わり方もチャーミングですね

第3楽章は変奏曲形式ではあるものの、途中で「間奏」とか
いかにもプロコフィエフ風の摩訶不思議なカデンツァ的時間帯とか
第1楽章の主題による「回想」の部分が組み込まれていて
なかなかに変てこでも充実した内容になっている、かな?
変奏される主題のポーカーフェイスぶりもよろしい
口元がほころんでいるのに、目が笑っていないみたいな感じの異様に整った旋律なのに☆

でもってさんざんにあちこち遊びまわったあげく、いきなり速度を思い切りあげて
どことなくピアノソナタ第6番第4楽章の最後の錯綜とした音響まで来ると
弦楽器というよりは管楽器的な信号音を発生させていたりしますね
この曲が当時の段階で西側で知られていたら
かなりのセンセーションになったと思うのですけれど

交響曲の大音響とはまた違った発想による「変な音響」による盛り上がり
緩急のメリハリに翻弄されている内に「終わっちまったぜ!」
作曲者による「どうだい!よくわからなかったかも知れないけど楽しかっただろう!?」
という声が聞こえて来そうな気がして仕方ありません☆

貫禄!こなれた聴かせぶり☆   プロコフィエフ

引越し後、ながら聴きでない初のストレート聴楽となりました☆
新居での聴楽もまた、プロコフィエフから始まります


DonohoeProkofiev6-8.jpg

プロコフィエフ Sergey Prokofiev (1891-1953)
ピアノソナタ第6番イ長調 作品82 Piano Sonata No.6 in A Op.82 (1940)
ピアノソナタ第7番変ロ長調 作品83 Piano Sonata No.7 in B flat Op.83 (1942)
ピーター・ドノホー Peter Donohoe (1953-)
Somm SOMMCD 259 (2014)

今回が第3弾、ドノホーさんのプロコソナタ
強力に研ぎ澄まされてなく
テンポの驚異的な保持がなく
驚異的な高音質でなく…なのに、とにかく惹き込まれてしまう☆

Boosey社のソナタ楽譜校訂者であるドノホー氏が弾くのですから
期待しない筈がありません、年齢的には60才前後になるので
その点のみ、僅かな心配はありましたが
3枚を聴楽しての感想は、元々かなりの腕達者で来ているのでしょう
氏の録音を聴楽するのは、このSOMMのシリーズが初めてしたから
その辺がわからなかったのですね。実際は心配無用なのでした

近年の若い世代の奏者のように楽譜に「超」忠実というのとはやや違う
ちょっとした見せ場の寸前をリタルダンドしたり
世代的なものなんでしょうか、しかしそれは不自然ではないんですよ

テンポの設定としては、比較的速い方です。てか、かなり速い
第6番 (8:08/4:57/7:05/6:16//27:26)
第7番 (7:49/5:38/3:30//16:57)
近年の録音は、この録音よりも長いものが殆どじゃないかな
聴楽前には、このタイミングを見て趣味的緊張を覚えましたが

でもやっぱ曲を熟知している氏の演奏は、愉しいっ!
6番の第1楽章や第4楽章の、かなり難度の高いと思われる箇所も
結構果敢に突入していて、しかもこれが聴かせるんだな
(停滞しないというか、終始弾力が持続するんですねこれが)
若い奏者のシャープさとはちと違う、こなれた聴かせ方なのよ☆
それを平均よりもやや速めの速度でこなす技量あってこそですな

演奏が各種の要素からなるとして
どの角度でもトップにはならないと感じるものの
総合点で他を抜き去るという、なかなかの還暦おやじなのです
60才前後は、最近の言い方でアラ何々というのかなぁ?
(聞いたことがないんで)
ちなみに私はアラフィフ。てへへ
プロフィール

quietplace

Author:quietplace
聴楽記へようこそ!
関心事を書きちらしています。

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