ここからが20世紀☆   ストラヴィンスキー

快適なテンポで現代的な澄んだ音響が駆け抜ける約20分☆

EijiOueStravinsky.jpg

ストラヴィンスキー Igor Stravinsky (1882-1971)
バレエ組曲《火の鳥》 (1919年版) The Firebird Suite 1919 version
ミネソタ管弦楽団 Minnesota Orchestra
大植英次 (指揮) Eiji Oue (conductor)
リファレンス・レコーディグズ Reference Recordings RR-70CD (1996)

近年、録音では全曲版のリリースが主流な感じで
組曲はあまり聴かれなくなった気もしますが
いざ聴楽すると、そのまとまりの良さに驚きます

1「導入部」 (2:53)
2「火の鳥と踊り」 (0:16)
3「火の鳥のバリエーション」 (1:22)
4「王女たちの輪舞」 (4:44)
5「魔王カスチェイの凶悪な踊り」 (4:59)
6「子守歌」 (3:33)
7「大団円」 (3:00)
(Total Time//20:47)

レーベルは優秀録音で知られているところですが
私的には結構癖のある録音ポリシーだと感じています
それが吉と出るか、その逆かは聴楽しないとわからない
今回は当たりでした☆

第1曲では、低音弦の更に下、大太鼓の持続音が凄い
短い曲だし軽い気分での聴楽をと思いつつ
(嬉しい方に)たまげてしまいました
全体的に極低音、高音がとても聴楽しやすく
実に自然に溶け合う感じがしますね

わずか16秒の第2曲だけでも、作曲者が天才だと十分にわかります
(この曲で最も天才的な箇所だと勝手に思ってます)
羽ばたく度に、何かキラキラとした銀粉を散らしていくような音響
火の鳥の主題は、それ以前の音楽とは一線を画す
ここから20世紀なのだという輝かしい瞬間があると思う

浪漫派っぽい情熱的な旋律と
キンと冷え、冴えわたる音響を同居させ
しかもアッと言う間に終わる
バッハから現代音楽まで考えると一番明快に捉えやすい
歴史的に「ちょうど中間点」の音楽と感じます☆

アッと言う間の16年☆   ストラヴィンスキー

もうすぐラトルのベルリンフィル最後のシーズンですな☆
定期の最後がマーラーの6番というのが、何というか、彼らしいな

RattleStravinskyWarner.jpg

ストラヴィンスキー Igor Stravinsky (1882-1971)
バレエ音楽 《春の祭典》 The Rite of Spring
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 Berliner Philharmoniker
サー・サイモン・ラトル (指揮) Sir Simon Rattle (1955-)

このCDは、EMIがなくなる寸前に出たと思いますが
そこら辺のドタバタで、不運にもあまり話題にならなかったのかな
(このCDがEMIラストレコーディングだったのかも)
販売店舗でも煽っていたようには感じませんでした

ラトルの録音自体、不思議にも殆ど持っていなかったので
中古店で未開封の状態のものを買って聴いてみましたが
これが「凄い」の一言

この曲で「ここをこうやって欲しい」というのが
おそらくは、全て実行されているような気がします
しかし徹底ぶりがハンパない、いろいろある中でも
後半の打撃11連発の所で
弦のアルコがここまではっきり聴こえるのは珍しい気が☆
超高度なレベルの模範演奏みたいな趣です
(到達が困難なレベルの模範って何だ?)

好き嫌いが分かれる部分はといえば、録音の特性によるものなのか
「あまり煌びやかな感じがしない」「色彩感は地味」かな
関係あるのかないのか、ジャケットもモノクロですし☆

不思議なことに、ラトルの録音には注意を払っていませんでした
EMIが嫌いなんてことはなかったのですが
「ラトル・ベルリンフィルなら凄くないことはないだろう」
という先入観が変な邪魔をしていた感じがしないでもない
そんなこと言っている間に、彼のベルリンでの仕事も殆ど終わりかけている

15年前、大いに期待してマーラーの5番を聴楽した記憶が蘇ります

彼の在籍期間は16年、アバドさんより4年多かったような気がしない
EMI - Warner間の混乱があったせいかは知らないけれど
この混乱に乗じたかのような
ベルリンフィルレコーディングズの配信への転換
なかなか頑張ったと言えるんじゃないかな
凄い凄いと言われて聴かなかった私が悪いんです(笑)
冷静にEMI-Warnerラインの録音も聴楽してみよう☆

奇天烈…しかしジャズ☆   ストラヴィンスキー

作曲家にとって、前後関係なんてどうでもよいから
「おや?」と思わせて聴かせてしまえば万々歳というところでしょう☆


StravinskyDGchamber.png

ストラヴィンスキー Igor Stravinsky (1882-1971)
エボニー協奏曲 Ebony Concerto
アンサンブル・アンテルコンタンポラン Ensemble Intercontemprain
ピエール・ブーレーズ (指揮) Pierre Boulez (1925-2016)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon 00289 477 8802

CDのリッピングを終えると、次はタグの修正に入りますが
MediaMonkeyは、この時にリップした音が聴けます
でもって、「な、なんだこりゃ~☆」みたいにこの曲が始まりました

全曲でも8分52秒。一聴してストラヴィンスキー風ジャズなんですが
Wikipediaを読むと、ジャズバンドの依頼で書かれてるんですね
作曲は1945年、彼は63才。大家の解釈するジャズですか!

楽器編成はWikipediaを見てもらうとして、まぁ小型のバンドですね
全合奏とかはなく、組み合わせを工夫して
鳴ってるのは、基本現代音楽のそれなんですが
「ここぞ」というところで、チラッとモロなジャズのパッセージを出す
これがとにかくウマイ☆

管楽器って、1つでも結構な音量であることを再認識
時折打たれるバスドラムも心地よい☆

管楽器の扱い方なんて、モロ中期以降のストラヴィンスキーなんですが
彼はジャズを書こうとしたのか、そうじゃないのか
結果として、実にユニークな音楽が出来ちゃったという感じでしょうか

時期的に近い作曲に「サーカス・ポルカ」があり
曲が抱えているものに近似性があります

しかし、現代音楽とジャズの両サイドに少なからぬ衝撃だったと思いますよ
だって両陣営とも、この曲以上のものを作らねばならなくなったのですから☆

(指揮)と書いてしまいましたが、ブーレーズは指揮したのかな
この曲くらいの規模だと指揮者がいないとこうはキマらないと思います
しかし、ブーレーズ、どういう表情で振っていたのかな☆

楽しい~!

音響を「食らう」☆   ストラヴィンスキー

中古店をマメに覗いていて最近思うのですが
結構「出たて」の盤が未開封の状態で置いてあることが頻繁にあります
どういう経緯で店頭に出て来たのかわかりません。
発売したてですから、勿論それなりの値段がします
この盤も確か2200円くらいしましたが、それでもタワレコ等よりは安価
若い未知の指揮者と、渋目のドイツのオーケストラ
そこに注目して購入、聴楽してみたのでした


StravinskyOrozcoEstrada.jpg

ストラヴィンスキー (1882-1971)
バレエ音楽 《春の祭典》 Le Sacre du printemps - The Rite of Spring (1913)
《火の鳥》 組曲 (1919年版) L'Oiseau du Feu - The Firebird (Suite 1919)
hr響 (フランクフルト放送交響楽団) hr sinfonie orchester
(Frankfurt Radio Symphoy)
アンドレス・オロスコ - エストラーダ Andres Orozco-Estrada (1977-)
ペンタトーン Pentatone PTC 5186 556 (2015)

エストラーダのHPに行ってみたところ、コロンビアの出身
南米といえば、やはりドゥダメルを思い出しますが
70年代後半以降生の世代が、演奏界を支えるようになって来ているのかな
才能ある若手が台頭して来る…実に良いことだ!☆
私が聴楽趣味に足を踏み入れた時の巨匠は、既に頭の上に輪が載っていて
当時の若手は大御所になっていたりする (ラトルが今年61才になるんだからね)

ドイツの楽隊がストラヴィンスキーというのは、なかなかソソりますね
当盤は、やや音量を大き目で聴楽してみたら実に感激させられました
心持ち速めのテンポなんでしょうね。見得をする箇所もないと思いますが
とにかく何というのかな、音に「パンチ力」があるんですよ☆

マイクのセッティングかミキシングの効果なのか
木管の動きが明瞭で、何か得した感じがするし
「春のきざし」や「春のロンド」も、どこか決然とした進行ですな
強奏の箇所の音の「打撃」がブワッとした方向性でなく
とにかく瞬間的に「食らう」趣になるのが心地よいのです
でもって、アッと言う間に全曲聴楽となってしまうのだな

《火の鳥》は、これまで「全曲版派」だったのですが
今回まともに組曲版を聴楽するのは、意外にも初めてな気がする(!)
いかにこの1919年版がバレエのハイライトとして優れているかわかるもんです
「ハルサイ」同様、煌びやかな音響は比較的抑え目で
稀に現れるけど、実に印象的なピアノの打鍵が微妙にくすんでいるのもイイ☆

う~むオロスコ-エストラーダ、タダモノじゃないぞこりゃ!
私としては、仕事の年度末年度始進行で実際バテバテでして
聴楽記に投稿する気力も殆どないのですが
こういう録音を聴楽すると、とにかく書きたくなってしまうのです☆

15分間の巨大エンタテインメント   ストラヴィンスキー

ジャケットと中身の連携はドンピシャです。
「ケンプ、お気に入り曲を弾く☆」


KempfPetrouchka.jpg

ストラヴィンスキー Igor Stravinsky (1882-1971)
《ペトルーシュカ》の3楽章 Trois mouvements de Petrouchka (1914)
フレディ・ケンプ Freddy Kempf (1977-)
ビス BIS-SACD-1810 (2010)

このCDは、ケンプリサイタルという方向性があるのかな?
収録曲が何だか「して脈絡は?」という感じなんですが
《コレルリの主題による変奏曲》 ラフマニノフ
《シャコンヌ》 J.S.バッハ (ブゾーニ編)
《優雅で感傷的な円舞曲》 ラヴェル
《ペトルーシュカの3楽章》 ストラヴィンスキー
と、やや強引に「ケンプ、近現代ピアノ音楽を弾く」という趣でしょうか☆

この人の録音の面白いのは、セッション録音なのに
ライブのようなノリを展開している感じがするところかな
とてもテンションが高いのですが
勢いに負けずに技術がついて行っていますので
不明瞭な響きとは一線を画しているのだと思います

しかし、この曲は本当に難曲の風格があります
管弦楽のイメージを、工夫して逃がさないようにするよりも
限界一杯の技巧を発揮して、何とか対抗するような過酷さを感じる
(リズムの保持と、運指なんかは、かなり大変そう)
「謝肉祭」冒頭で、不規則に来る低音の打撃なんかは、スリル一杯です☆

全曲、僅か約15分にもかかわらず
何やらドエライ大曲を聴楽した気分にさせてくれる
大管弦楽のバレエ音楽とは、全く別の創作の趣がどこからか…

いかにもケンプな「ため」の作り方も、盛り上がりに貢献しています
(この「ため」やルバートを「雑」と解釈されてしまうこともあるようですが)
安全運転に傾かず、結構なテンポでクライマックスに突入したりする
ある種の躊躇のなさには、こちらのテンションも上がりまくってしまう~
最後の音が鳴った直後に思わず口笛したくなるんですな☆

個人的には「謝肉祭」で、「熊と熊使い」の箇所も編曲して欲しかった気もしますが
そこを入れない辺りが、ストラヴィンスキーの「洗練」なんでしょうか
プロフィール

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