体感音楽☆  ドビュッシー

しかし、80年代のシノーポリは、いろんな曲をやってますね
90年代とは曲目の性格も全く違います
そこが面白いんですけどね☆

GiuseppeSinopoliDG4276442.png

ドビュッシー Claude Debussy (1862-1918)
《海》 La Mer
フィルハーモニア管弦楽団 Philharmonia Orchestra
ジュゼッペ・シノーポリ (指揮) Giuseppe Sinopoli (1946-2001)
ドイツ・グラモフォン Deutsche Grammophon 427 644-2 (1988)

歌うべき箇所はたっぷりと歌うのは、ドビュッシーでも変わりません
演奏時間も(9:53/7:34/8:56//26:23)と長めなのがいい

描写音楽ではなく、「海」を目にしている聴楽子の「気分」を描く感じかな
しかし、聴楽機会を重ねるほど「海の気分」が高まりますね
丁度デッキから外海を眺める時の「気分」です

「海の夜明けから真昼まで」
「波の戯れ」
「風と海との対話」

しかし各曲のタイトルも上手くつけましたね
作曲の前におおまかなものがあったみたいですから
タイトルから想起される海のいろいろな要素
「色」「光線の当たり具合」「空との対比」「波と泡」「波の音」
これらをほぼ同時に器楽で表現しようとする
そのアイディアがアイディア倒れにならないところがよろしい

第1楽章で、チェロの合奏の箇所がありますが
シノーポリは、それを決然とは奏させていないですね
むしろ、朧げな繊細な感じに鳴らしています

全体的に管楽器が前面に出ない
微妙な音響の箇所が美しく聞こえます

ふわりとした感触を前面に出しつつ
最後の大団円は、金管とティンパニが鮮烈に出て
強烈な終止感を得られます

DebussyLaMer.jpg
1905年スコアの表紙

しかし、あくまで描写ではなく「体感音楽」なんですねぇ
比較的大きな船のデッキからリラックスして深い青の海を眺める
額には緩やかに風が当たって来る気分です

夕暮れのあやふやな時間☆   ドビュッシー

窓を開けていられる時間が長くなって来ましたが
この時期に欠かせない音楽です☆


BavouzetDebussyComplete.jpg

ドビュッシー Claude Debussy (1862-1918)
前奏曲集第1、2巻 Preludes Book 1, 2
ジャン-エフラム・バウゼ Jean-Efflam Bavouzet (1962-)
シャンドス CHANDOS CHAN 10743 (5) (2006-2009)

日曜日の午後、昼寝から覚めてゆるゆると外を眺めていまして
ハッと気づいて、トレーに入れたのはこの曲のCD
ドビュッシーの管弦楽曲《夜想曲》の第1曲は《雲》なんですが
この前奏曲集第1巻第1曲の《デルファイの舞姫》も
空になんとなく浮かぶ雲の動きを感じますね

聴楽したのは、17時02分頃
空を流れる雲は、灰色、青、オレンジを基調とする
微妙な階調を伴って東に向かって動いています
窓辺で眺めるとあまり感じないのですが
部屋の奥の椅子に座って外を眺めると
結構な速さで雲が流れて行く…


DSC_0053.jpg

…夕暮れ…
(quietplace庵の窓より)

街灯が灯り始める頃には
第4曲《夕の大気に漂う音と香気》が、静かに鳴り始めます
ゆるやかに流れる風の音、微かに聞こえる通りを歩く人の話し声
遠くから来る電車の音 (これはドビュッシーの幻想にはないかな)
空の青が濃くなって来ていますね

Chandosピアノカテゴリの雄、端正なバウゼのピアノです

遠い過去からの「優しい何か」   ドビュッシー

全く想像もつかない100年以上の昔
そんな空間に連れて行ってもらえるような静かな贅沢が漂っています


CassardDebussy.jpg

ドビュッシー Claude Debussy (1862-1918)
前奏曲集 第1巻 12 Preludes Livre 1
フィリップ・カッサール Philippe Cassard (1962-)
デッカ Decca 476 4770 (1991)

1991年に集中的に録音された曲に加えて
2011年に新発見の曲が録音され
デッカから発売されたものですが
新発見の曲との録音時差が20年というのは面白いですね
CD製作ならではの出来事と言えるでしょう
もし2012年のドビュッシー記念年がないと
日の目を見なかった可能性もありますね

1898年製作のベヒシュタインのピアノで演奏されています
先日ここで書いたリュビモフ盤 (ECM) と同様
尖鋭で冴えた音とは違う、独自の世界…

4枚組ボックスのモノクロ写真そのものの音楽というか
100年以上前の時代から、音が伝わって来たような
緊張感とは別種の「嬉しさ」があります
鋭利な響きが聴覚に突き刺さる、ということは全くなく
どことなく、不思議な靄が五感を満たすような…

聴楽中に感じたのですが
今回初めてこの曲に対して持った印象が
「記譜されたものでなく、即興のような」です
一音ごとの残響を身体に吸収しつつ
次に鳴らす音を指が自然に選んで行く
そんな気分に浸ったのでした

狭くなく、広すぎもしない部屋の中
誰に聴かせる訳でもなく、楽しみのために弾く
そんな気儘さが緩やかに伝わって来るような気になります

懐かしいように聴こえる高音部   ドビュッシー

休日の遅い昼を堪能すらなら…やはり…この曲かな…☆

LubimovDebussy.jpg

ドビュッシー Claude Debussy (1862-1918)
前奏曲集第1巻 Preludes Premier Livre (1909/10)
アレクセイ・リュビモフ Alexei Lubimov (1944-)
ECM 2241/42 (2011)

この盤は発売当初、不思議にも中古店でよく見かけました
発売したての盤が並ぶというのは、よくあることですが
他よりもちと発見件数が多めな気がしたものです
ECMの「ど真ん中ストレート」な曲目で、期待も大きかったのでしょうか
やや高価だったということも災いして即売りに出されたのかなぁ
私自身は秋葉原のタワレコのセールで約半額 (\2000)で入手しました

使用している楽器のことをまず考慮する必要があります
(ベヒシュタイン Bechstein from 1925)
古めの楽器ではよくあることですが
高音に行くほど音が丸みを帯びて来ます
これを「冴えない」と取るか「懐かしい感じがする」と取るか
ここら辺が評価の分岐点になるのかも知れません

私的な印象としては、より効果的な音響を考慮したのか
まれにやや「強打」と言えるような打鍵が記憶に残ります
(勿論現在のピアノの録音でも、強めに叩くような箇所です)
古いピアノでこれをやると、現代のピアノとはまた違う
「やや不揃いな激しい音」というのかな
その辺がやや突出した印象を与えたのでしょうか
鋭さとは趣を異にする高音と共に
ここらが発売当初に中古店行きになったのかもと想像します

私も購入当初、この打鍵が「がさつ」と聞こえたのですが
数回(最近の聴楽では比較的珍しい、ハハハ)の聴楽のうち
少しずつ印象は変わって来ています
「懐かしい感じがする」高音は「まろやかさ」を加味され
加味されたこれが楽器のある室内を満たす
単色のジャケットは、このことをよく表現していると感じますね

夏に備えて窓には簾を装着し、ただ今午後6時31分
簾越しの空は上方が丁度ジャケットの色と同じになり
薄い赤みが下方に入り、これら2色が静かに精妙に溶け合う…
快適です…☆

夕暮れ時の…   ドビュッシー

時々やってみたくなることの一つなんですが
「夕方、日が暮れる前の微妙な時間にドビュッシーを聴楽する」
やはり、この時間帯には、ドビュッシーが一番精妙に溶け込むというか
気が付くと手に取っているのは、彼の曲のCDであることが多いかな…

今は7月、日はかなり長くなり、午後6時はまだ明るい
昼間の光は衰えますが、それは薄暮の薄い水色と交差して
何とも豊穣な時間帯を迎えます
近所では毎週のようにお祭りがある時期ですが
今宵はひとまず小休止…
そんな夕方の午後6時17分頃、静かに音楽が流れます

人間って、意外に身体を「脱力」させる瞬間が少ないと思います
仕事に行けば、いつも多少は緊張するからね
だから、こんな時くらいはリラックスでもしよう☆
第1アラベスクは、緊密な演奏計画に支えられていると思われる
典型的な曲のイメージよりも微妙にゆるやかに進む
(これぞ小川さん的な進行かも知れませんが、今日は音楽のみを感じよう)

先日ふと思い出して装着した簾越しの大気の色は
青からグレーに少しずつ諧調を変容させて行きますが
この瞬間を感じたいがために、今こうして静かに座っているわけです
(手には大好きなYEBISU)

週が明ければまた仕事の毎日なんですが
それに対してささやかな抵抗を試みる
最近は年のせいか、毎日毎週毎月がえらく速く過ぎる気はするものの
こういう時間帯に何か音楽を聴楽することさえ
普段は忘れがちなんですけどねぇ
今日は久々に思い出せましたよ…えへへ



OgawaDebussyBox.jpg

ドビュッシー Claude Debussy (1862-1918)
第1アラベスク 1ere Arabesque (1890)
第2アラベスク 2eme Arabesque (1891)
ダンス Danse (Tarantelle Styrienne) (1890)
バラード Ballade pour le Piano (1890)
ロマン的なワルツ Valse Romantique (1890)
夢 Reverie (1890)
ベルガマスク組曲 Suite Bergamasque (1890-1905)
マズルカ Mazurka (1890)
夜想曲 Nocturne (1892)
ボヘミア風ダンス Danse Bohemienne (1880)
ピアノのために Pour le Piano (1894-1901)
小川典子 (ピアノ) Noriko Ogawa (1962-)
ビス BIS-CD-1955/56 (2000)
(新品:2012年3月、MDTにて購入)
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